リセールバリュー総合研究所のプレスリリース
~ホルムズ海峡封鎖でも買取相場は崩れず、2027年は二つの供給の谷が重なる~
リセバ総研(リセールバリュー総合研究所、所在地:東京都港区港南)は、株式会社IDOMが運営する「ガリバー」に蓄積された年間約50万件の買取査定データをもとに、2026年9月17日に『リセールバリュー白書 2026-2027』を発表しています。( https://resalevalue.jp/whitepaper_survey/ )
2026年、米国によるイラン攻撃を発端としたホルムズ海峡の封鎖が伝えられたとき、海運が影響を受け、中古車相場も大きく崩れるのではないかと懸念されました。しかし、買取査定データを前年と突き合わせても、相場の値崩れは確認されていません。リセバ総研では、相場の動きの背景にあるのは三つの構造的な力だと捉えています。本リリースでは、2025年から2026年の中古車相場を動かした「三つの力」を整理し、二つの「供給の谷」が重なる2027年の見通しを考察します。
■ リリースサマリー
・ホルムズ海峡封鎖で相場の下落が懸念されたが、買取相場の値崩れは確認されず
・2026年1~6月の国産登録車の平均売却予想額は、各月とも前年同月を1割以上上回る
・相場を動かしたのは「供給・外需・国内」の三つの構造的な力
・コロナ減産と認証不正の「供給の谷」が重なり、2027年は供給が薄くなる可能性が高い
・2027年にかけて中古車の価値は保たれやすいと考察(三つの力に大きな変化がない限り)
■ ホルムズ海峡封鎖でも、中古車の買取相場に値崩れは見られなかった

P.49 図2 国産登録車の平均売却予想額 月次比較(2025年1〜6月 vs 2026年1〜6月、すべての年式)
2026年、米国によるイラン攻撃を発端としたホルムズ海峡の封鎖は、中東向けの中古車輸出を直撃するとみられ、相場の大きな下落が懸念されました。しかし買取査定データを前年と突き合わせると、封鎖による相場の値崩れは確認されていません。国産登録車の平均売却予想額は2026年3月に前月比94%へ下げましたが、これは前年同月とまったく同じ水準で、例年の季節動向によるものとみられます。むしろ2026年1~6月の国産登録車の平均売却予想額は、各月とも前年同月比112~114%と、前年を1割以上上回る水準を保っています。ただし、崩れていないと言えるのは買取価格に限った話です。流通量など買取価格以外への影響については、引き続き注視していきます。
■ 相場を動かした三つの力
2025年から2026年にかけての相場の動きの背景にあるのは、三つの構造的な力だと捉えています。
(1) 供給─乗り換え世代の供給不足
査定件数は過去最高を更新していますが、増えているのは低年式(古い年式)のクルマです。コロナ禍の新車減産(2021~2022年式)の影響が5年遅れで及び、乗り換えサイクルを迎える3~5年落ちの流通は伸び悩んでいます。
(2) 外需─円安と輸出需要
円安を背景に、世界の中古車需要が日本車に集中しています。輸出で人気の車種は10年落ちでも3年落ちの4〜5割の価値を保っています。
(3) 国内─新車の値上げと販売の伸び悩み
新車価格が上昇する一方、生活物価の高騰が続くなかで、新車販売の水準も伸び悩んでいます。現在の新車販売の低迷は、3年後には中古車の供給不足として反映されます。
いずれも短期的に変化が生まれにくい構造要因です。
■ 2027年を見据える、供給の谷は「二段構え」

P.51 図3 年式×査定年の査定件数マトリクス(国産登録車)
三つの力のうち供給に注目すると、2027年に二つの谷が重なります。リセバ総研では、これを「二段構えの供給の谷」と捉えています。一段目は、コロナ禍の減産と半導体不足で新車が絞られた2021年から2022年式です。この世代が中古車として多く出回る5年落ちの時期が、ちょうど2026年から2027年に重なります。二段目は、認証不正問題で新車販売が442万台(前年比マイナス7.5%)まで落ち込んだ2024年式です。その3年落ちが市場に出るのが2027年にあたります。二つの谷が重なる2027年は、構造的に中古車の供給が薄くなる年になる可能性が高いと考えられます。
※新車販売台数:一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人全国軽自動車協会連合会の公表値
■ 円相場は中古車相場の「背景」であって「きっかけ」ではない

P.51 図2 買取相場(国産・軽、すべての年式)と円相場の四半期水準
買取相場と円相場は、四半期の水準でみると似た軌跡を描きます。一時的に急激な円高が進行した2025年前半に中古車相場は下落し、円安基調に戻った後半から上昇が続いており、両者は年単位でトレンドを共有しています。ただし、これは円相場の中期的な動向に応じて海外からの中古車需要が変化するためで、「円高になったら即座に相場が下落する」という短絡的なものではありません。日々の相場を動かすのは、需給バランスやモデルサイクル・新車納期などのタイミング要因であり、円安や海外需要は年単位で動く背景要因です。
白書では、三つの力に大きな変化がない限り、2027年にかけて中古車の価値は保たれやすいという前提で見通しを考察しています。ただし、円相場の急反転、輸出環境の変化、新車販売の急回復といった変化が起きた場合は、この前提が崩れることになります。
■ もっと詳しい情報は『リセールバリュー白書 2026-2027』(無料)でご確認ください

リセールバリュー白書 2026-2027
【本白書の目的について】
「リセールバリュー白書」は、株式会社IDOMが運営する「ガリバー」に蓄積されたビッグデータを基に、中古車の”資産価値”という新しいクルマ選びの指標を社会に提案するものです。リセバ総研では今後もこうした統計と分析を通じて、消費者と業界双方の意思決定に貢献してまいります。
【白書概要】
発行物名 : リセールバリュー白書 2026-2027
発行日 : 2026年9月17日
ファイル形式 : PDF
ファイルサイズ: 3.5MB
ページ数 : 全56ページ(無料ダウンロード)
入手先 : https://resalevalue.jp/whitepaper_survey/
※本ニュースレターは「6 中古車市場のいまとこれから(P48-51)」より抜粋・再構成
■ リセバ総研(リセールバリュー総合研究所)とは?
リセバ総研(リセールバリュー総合研究所)は、「中古車選びの価値基準をアップデート!」をコンセプトに、株式会社IDOMが運営する「中古車のガリバー」で蓄積された、年間約50万件におよぶ膨大なクルマの買取価格査定データや調査結果に基づき、クルマの売却価格や中古車相場を見える化するメディアです。
また中古車のリセールバリューを赤裸々に、かつわかりやすく公開していくだけでなく、「中古車のリセールバリュー」について、自動車業界に限らず様々な分野の専門家やプロをお呼びし、多角的な視点から研究を行い、その成果を発表していきます。
私たちリセバ総研は、生活者の皆様がこのリセバ総研を通して「今買いたい」「今売りたい」クルマのリセールバリューを正しく掴めるようになることを目指します。
今後、皆様の中古車選びの価値基準をアップデートし、日々の生活がより豊かになるような情報を提供してまいります。

リセバ総研(リセールバリュー総合研究所)

