東京大学と共同開発した世界最高峰の制御技術を導入した試験設備を実装
株式会社小野測器のプレスリリース
電子計測器の製造及び販売を展開する株式会社小野測器(代表取締役社長 大越 祐史)は、2025年12月18日(木)、愛知県豊田市緑ヶ丘に取得した事業用地に建設予定の新事業所「中部リンケージコモンズ(Chubu Linkage Commons、以下CLC)」の実験棟及び、本館の地鎮祭を執り行いました。CLCは自動車産業の中心地である中部エリアにおいて、「国立大学法人東京大学大学院新領域創成科学研究科(以下、東京大学)」と共同開発する世界最高水準の高度な制御技術を導入。当社の技術開発では、横浜・宇都宮に続く第3の拠点として、次世代モビリティ開発を加速させます。またCLCは、共創パートナーと連携した研究開発の新拠点として、技術と人が集うことで未来にワクワクし、また訪れたくなるような「開かれた事業所」を目指しています。CLCは、未知を切り拓く共創パートナーを募集します。2027年9月に稼働開始予定です。


CLCは本館と実験棟で構成されており、実験棟には静粛性に優れたNC-30相当※1の車両ごと搬入可能な大型半無響室と、台上試験において路面状況を再現する「RC-S(Real Car Simulation Bench)」を組み合わせた最先端の実験室を設置する予定です。また東京大学と現在進めている「社会連携講座」を通じて、電動車両の振動計測制御に関する共同研究を進めています。この取り組みで得られた世界最高レベルの制御技術を、試験設備に順次実装していきます。CLCでは、2027年秋の稼働後、本館、実験棟とは別にユニットハウスで構成された「共創ヴィレッジ」を設け、共創パートナーが集う場を設ける予定です。その他、本事業は、2025年3月に愛知県豊田市の「豊田市企業立地奨励事業者※2」に指定されました。
※1 NC値とは、建築音響における静けさの指標で、NC-30相当は、ラジオ局のスタジオや病院、会議室などで目標とされる、「非常に静かな空間」のレベル
※2 産業の多角化および高度化を目指し、製造業等の企業が工場や研究所などを建設する場合に奨励金を交付して企業立地を支援する制度
【本発表3つのポイント】
●小野測器は、地域と連携した研究開発を目指す新拠点「CLC」の建設予定地で地鎮祭を開催
●東京大学との「社会連携講座」で得られた制御技術を導入した世界最高峰の自動車用試験装置を実装予定
●2027年の稼働後、本館、実験棟とは別に共創パートナーが共同研究を実施可能な「共創ヴィレッジ」を設置
【代表取締役社長 大越 祐史 コメント】
私たちのビジョンは「人とテクノロジーのより良い関係を支え、サステナブルな社会の実現を加速させる」ことです。その未来を創るためには自分たちが、計測機器メーカーで終わらない共創メーカーに変化する必要があります。中部リンケージコモンズは、オフィスではなく、お客様との「共創」を生み出す場です。この拠点をフックに、未来に向けてエンジニアリング事業を拡大し、さらにシミュレーションソフト開発を強力に推進してまいります。
【東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任講師 永井 栄寿 氏 コメント】
小野測器と東京大学は2022年10月に「電気自動車の振動計測制御に関する社会連携講座」の第1期目を開講し、2026年4月から第2期目を開講します。第1期目では、オンボードモータ車やインホイールモータ車の振動計測制御技術を、小野測器の有する音・振動の計測技術や自動車用の低慣性ダイナモ台上試験装置を活用して研究開発してきました。今後、普及が期待される自動運転機能が搭載された自動車にはより高い乗り心地の制御が求められ、それに伴い、自動車の制御を評価する台上試験装置もより高度な制御が求められます。社会連携講座第2期目では、CLCに設置される予定の台上試験装置の振動計測制御にも取り組み、世界最高水準の制御が実装された台上試験装置を実現します。
【CLC基本情報】
名称:中部リンケージコモンズ(Chubu Linkage Commons/CLC)
建設地:愛知県豊田市緑ヶ丘7丁目18番地
敷地面積:4534.51㎡
建設費:総額23億円
着 工 :2025年12月
竣工予定:2027年4月
稼働予定:2027年9月

【本館】
構造:2F建て、鉄骨造
延床面積:496.92㎡
概要:現在、愛知県豊田市小坂本町で営業中の中部営業所を移転・集約するほか、実験に関わる従業員も常駐予定。また、共創パートナーが集う「カフェエリア」も設置します。稼働時は、25人の従業員が業務を行う場となります。

【実験棟】
構造:平屋建て、一部2F/S&RC造
延床面積:865.56㎡
概要:2027年4月竣工予定。NC-30相当の車両ごと搬入可能な大型半無響室と、台上試験において路面状況を再現する「RC-S(Real Car Simulation Bench)」を組み合わせた実験室を導入予定。本設備は実走行に近い環境で高精度なNV計測が可能なほか、電動車両の微細な振動・騒音解析に対応することが可能。また、東京大学との共同研究で得られた世界最高レベルの高度な制御技術を、本試験設備に実装する予定です。
RC-Sは可動式となっており、用途に応じてレイアウトします。

【共創ヴィレッジ】
構造:鉄骨造
延床面積:未定
概要:当社モデルべース開発の推進にあたり、国内自動車産業の集積地である中部エリアでの、顧客との密なコミュニケーションは必須と考えています。地域との連携、つながりを重視し、2027年の稼働後は共創パートナーを募集予定。共創パートナーには、本館と同じ構造の専用ユニットハウス群を使用していただく予定です。


【新領域の挑戦】
敷地内には将来スペースを確保。2030年以降、新たな技術領域へチャレンジするための新実験棟を計画しています。

【当社との共創にご興味のある方のご連絡先】
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/partner.htm
【参考:東京大学との社会連携講座について】
※「小野測器統合報告書2025」より抜粋
【参考:RC-Sについて】
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/test_system/rcs_bench.htm
【参考:小野測器「中期経営計画Challenge Stage Ⅳ」について】
【小野測器について】
1954年創業。電子計測機器の製造、販売ならびに各種エンジニアリングサービス事業を展開。創業同年には、国内初となるジェットエンジンの回転数を計測する回転計を開発。自動車産業では二輪・四輪車、自動車部品、その他建設機械、食品や医療検査等、幅広い分野において研究開発のサポートから製造工程での測定技術を提供。近年は、当社が掲げている企業理念「人とテクノロジーのより良い関係を支え、サステナブルな社会の実現を加速させる(VISION)」にもとづく活動を推進。次世代を担うエンジニア育成や高校、大学等との連携による「未来世代とのつながり」。地元地域の子ども記者による取材協力や近隣地域の清掃活動参加など「地域社会とのつながり」 等を重視した活動を精力的に行っている。
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