Agooraのプレスリリース
詳細URL: https://agoora.co.jp/jiko/knowledge/ekickboard-questionnaire.html
■調査概要
目的 : 交通事故弁護士相談広場のサイト利用者に対して、より適切な対応が可能になるよう、電動キックボードの認知・利用経験などに関する情報源の抽出
実施:交通事故弁護士相談広場 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2024年7月24日 ~27日
調査対象・回答者数:宮城県、栃木県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県の16歳~59歳までの男女 440人
※本調査内容及びグラフはご自由にご利用いただけます。ただし、転載・ご利用の際は、出典元に「交通事故弁護士相談広場」( https://agoora.co.jp/jiko/ )を記載のうえご利用ください。
■サマリー
電動キックボードという乗り物を知っているのは8割、うち乗ったことがある人は1割強
・免許を持っていない人の電動キックボード利用はわずか4%に留まる
電動キックボード利用者の7割以上がシェアリング・レンタルサービスを利用
・自分で購入・保有している人は1割程度の少数派
電動キックボード利用者、努力義務のヘルメット着用するのは約半数
・「交差点での二段階右折」励行したのは電動キックボード利用者の3割未満
・歩道走行した人の8割以上は歩道モードを使用
電動キックボードに乗った人の6割超は「危険を感じた」
・車や歩行者、自転車との衝突に怖さ
・走行の不安定さ、身体むき出しでスピードをダイレクトに感じる声も
電動キックボードを見かけた人の6割近くは「危険を感じた」
・車との接触、スピード、バランスの悪さに懸念
・電動キックボード利用者のルール・マナー違反を問う声も
・ノーヘルメットで走る電動キックボードに不安を感じる
支持・不支持で意見が分かれる電動キックボードの法整備
・道路交通法改正に対する支持は43.41%、不支持が34.55%と、支持が9ポイント程度やや多いながらも賛否が分かれた。
・安全性、歩行者保護、利用者のマナー・遵法意識など、支持派と不支持派が感じる問題意識はほぼ同じ
今後、電動キックボードを利用したい人は1割、利用しないが6割
・回答者全体の66.14%の人は、電動キックボードを利用する意向なし
・積極的に利用したい人0人、特に冷え込む免許非保持者の利用意向
・電動キックボードに対する安全性への懸念が、消費者の利用意向に影響を与えている可能性
■電動キックボードという乗り物を知っているのは8割
Q2: あなたは電動キックボードという乗り物を知っていますか?
回答者のうち、8割以上の人は電動キックボードの存在を知っていた。
免許の有無別に見ると、普通免許を持っている人で90.7%、持っていない人で80.7%が電動キックボードという乗り物を知っていた。今回の調査対象地域においては、普通免許ありなしに関わらず8割以上と、電動キックボードの認知率も非常に高いことがわかった。
■電動キックボードを知っている人のうち実際に乗ったことのある人は1割強だけ
Q3: あなたは電動キックボードに乗ったことはありますか?
電動キックボードの存在は多くの方に認知されている一方で、電動キックボードを知っている人のうち実際に乗ったことがある人は、1割強に留まった。
特に免許を持っていない人は4.2%のみと、電動キックボードの実利用にはほぼ手を出していないことがわかった。
■電動キックボード利用者の7割以上がシェアリング・レンタルサービスを利用
Q4: あなたが乗った電動キックボードは、どのように手に入れましたか?
乗車した電動キックボードをどのように入手したかの質問に対しては、その7割以上が「シェアリング・レンタルサービスを利用」と回答した。
■電動キックボード利用者のヘルメット着用は約半数、忘れがちな二段階右折
次に質問したのは「電動キックボードに乗った時に行った行動」を質問した。
Q5: 電動キックボードに乗った時にあなたが行った行動として、あてはまるものをすべて選択してください。
この設問では「道路交通法が定めた電動キックボードの交通ルール」を選択肢として設定した。そのため、「歩道の走行」の選択肢を除き、選択している項目が多い人ほど、道路交通法を守って電動キックボードに乗っている人と言える。
逆に、選択されていない項目ほど、ルールとして遵守されていない、あるいは遵守が必要とあまり認識されていない項目となる。この視点で見ていくと、最も多くの電動キックボード利用者が守っていたのが「飲酒運転の回避」。また、道交法上の努力義務となっている「ヘルメットの着用」も、半数程度の方が履行していた。
一方で、その数の少なさが顕著に目立ったのが「交差点での二段階右折」。電動キックボードの交差点の交通ルールは二段階右折が基本とされているにも関わらず、実際には二段階右折があまり行われていない、あるいは、そもそも二段階右折が必要と認識されていない可能性がある。
また「歩道の走行」を選択した方に対し、歩道の走行時、歩道モードを使用したかどうかをあわせて質問したところ、歩道を走行した電動キックボード利用者の8割以上が「歩道モードを使用した」と回答。
電動キックボードで歩道を走行する人の8割以上は歩道モード利用の必要性を認識し、対応していることがわかった。
■電動キックボードに乗った人の6割超は「危険を感じた」
Q7: 電動キックボードに乗った際、車道や歩道を通行していて危険は感じましたか?
「電動キックボードに乗ったことがある」と回答した方に対して、通行中に危険を感じたかを質問したところ、電動キックボード利用者の6割超は運転中に危険を感じたと回答した。
この「危険を感じた」と回答した方に、どんな点に危険を感じたかを質問したところ、主に以下のような意見が多く集まった。
【車との距離の問題】車道を走るため車との距離感が近く危険を感じる
【電動キックボードのバランス・安定性の問題】走行時のバランス・安定性に不安を感じる、ちょっとした段差・路面の凸凹でもぐらつく
【スピード感に対する怖さ】スピードを出さないとバランスが取りづらい。身体むき出しで走るスピードをダイレクトに感じる
【歩行者や自転車と衝突の懸念】歩道で歩行者と、同じ車道や歩道を走る自転車と衝突のリスク
■電動キックボードを見かけた人が感じる危険度
次に「電動キックボードの存在を知っているが、乗ったことはない」と答えた方に、電動キックボードと遭遇した経験や見かけた際の印象について調査した。
Q9: 街中で車道または歩道を走る電動キックボードを見かけたことはありますか?
約8割の方は街中を走る電動キックボードを見かけたことがあると回答。実際に電動キックボードに乗ったことがない方でも、多くの方が車道や歩道を走る姿を目撃しており、街中で電動キックボードが存在感を示していることがわかる。
この質問で「電動キックボードを見かけたことがある」と回答した方に、遭遇した際、危険を感じたことがあるかを質問した。
Q10: 車道または歩道を走る電動キックボードに遭遇した際、危険を感じたことはありますか?
街中で電動キックボードを見かけた人の6割弱が危険を感じたと回答した。街中で見かけただけの方も、6割近くは「電動キックボードは危険な乗り物」という印象を受けていることがわかった。
この「危険を感じたことがある」と回答した方に、どんな点に危険を感じたかを質問したところ、主に以下のような意見が多く集まった。
【車との距離、接触の危険性 】 車道・道路沿いギリギリを走っていて危険に見える
【ハイスピードでの車道・歩道の走行 】速いスピードで車道や歩道を駆け抜けていく
【信号無視・逆走・ルール無視 】信号無視・逆走・車の間のすり抜けや飛び出しなど、ルールを守らない人が多い
【ふらつき、バランスの問題 】傍目で見ていても走行時のバランスが悪い。スマホを見ながらのふらつき運転も
【ノーヘルでの利用者 】ノーヘルで車のそばを走る姿に危険を感じる
■2023年7月の電動キックボードをめぐる道路交通法改正への是非
今回のアンケート調査の全回答者440人を対象に、2023年の道路交通法改正で定められた電動キックボードの利用条件についてどう思うか、法改正内容に対する支持・不支持を5段階に分け、回答してもらった。
Q12: 道路交通法改正について、あなたはどのように評価しますか?
道路交通法改正に対する支持は43.41%、不支持が34.55%と、支持が9ポイント程度やや多いながらも賛否が分かれた。どちらともいえないと態度を保留する声も2割を越えており、法改正の是非については慎重な姿勢を示す方も多いことがわかる。
■道交法改正 支持派のよくある意見
道路交通法改正に対して、支持または積極的に支持を選択した人の声として代表的なものとしては以下のものが挙げられる。
・安全性の向上を期待する声
・免許制や保険加入の必要性を訴える声
・歩行者への危険軽減
・ルール・安全意識を高める第一歩
総じて、法改正を支持する人の多くは、電動キックボードが事故を引き起こしやすい乗り物であると認識しており、2023年7月の法改正を電動キックボードによる交通リスク低減につながる取り組みと評価していることがわかった。
■道交法改正 不支持派のよくある意見
逆に道路交通法改正に対して、不支持または積極的に不支持を選択した人の意見では、代表的なものとしては以下のような声が挙がった。
・電動キックボード利用の免許制を求める声
・ヘルメット着用が努力義務であることへの懸念
・歩道走行が認められることへの批判
・利用者のマナー・安全意識の低さに対する懸念
■支持派も不支持派も問題意識はほぼ同じ
集まった声を確認する限り、電動キックボードをめぐる道交法法改正への支持派も不支持派も、電動キックボードが交通にもたらす問題点についてはほぼ同等の認識・問題意識を持っていることがわかった。
・電動キックボードに乗る人、乗らない人双方の安全性の改善
・歩行者保護の必要性
・電動キックボード利用者のマナー・遵法意識
といった課題は存在することを前提に、電動キックボードを今後許容し受け入れていく新しい交通とみなすか、既存交通に対するリスク要因とみなすか、個人の考え方の差が両者の立ち位置の違いであるものと考えられる。
■低迷続く電動キックボードの利用意向
最後に、今後、電動キックボードを利用したいと思うか、今後の利用意向を質問した。
Q14: 今後、電動キックボードを利用したいと思いますか?
今後の利用意向としては「あまり利用する気はない」「絶対に利用しない」の2項目を選択する方が顕著に多く、全体の約66.14%の人は電動キックボードを利用する意向がないことがわかった。
この結果には、やはり電動キックボードで車道を走ることの安全性や、更なる法規制について議論が続いている現状、またルールやマナーの違反が注目されがちな電動キックボード利用者に向けられる社会的な目線も影響しているものと考えられる。
改正道交法では、特定小型原付にあたる一部の電動キックボードを免許不要としたにもかかわらず、気軽な活用が期待される免許を持たない消費者の利用意向は、免許保有者以上に冷え込んだ状況にある。今後より幅広いシーンでの電動キックボード活用を促していくには、心理的なハードルを下げる意味でも、利用者の安全を担保する電動キックボードの利用環境の改善が必要と言える。
■アンケート調査の詳細について
交通事故弁護士相談広場のWEBサイトでは、上記以外のデータ、アンケート回答者の生の声など、より詳細な内容をレポートにして公開しています。
https://agoora.co.jp/jiko/knowledge/ekickboard-questionnaire.html
■交通事故弁護士相談広場について
交通事故弁護士相談広場は、交通事故に遭われた被害者のための情報ポータルサイトです。損害を被った交通事故被害者の方と、各弁護士事務所の持つ特色のマッチングを重視したサイト設計が好評となっています。また、より多くの慰謝料を請求したい、加害者側の対応に納得できない等、交通事故問題をスムーズに解決するための様々なヒントを希望するユーザーにお届けします。
■サイト概要
サイト名 : 交通事故弁護士相談広場
サイトURL : https://agoora.co.jp/jiko/
主なコンテンツ : 交通事故でお悩みの方向けガイド・コラム・関連情報
■本件に関する問合せ先
株式会社Agoora
担当: 交通事故弁護士相談広場
窓口: https://agoora.co.jp/jiko/contact
■会社概要
商号 : 株式会社Agoora
所在地 : 東京都杉並区高円寺南4-7-1 藤和シティコープ高円寺南302
設立 : 2011年4月
代表者 : 代表取締役社長 阿部 智生
企業URL: https://agoora.co.jp/