ダイハツ工業のサプライチェーン調査
株式会社帝国データバンクのプレスリリース
帝国データバンクでは、保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、ダイハツ工業(株)に対し、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を、2023年時点のデータを基準に推計した。
<調査結果(要旨)>
-
ダイハツ工業を頂点とするサプライチェーン企業(売上高の1%以上を依存している企業)は、国内に推計8,136社あることが判明した。同社と直接取引のあるTier1は921社、二次下請けであるTier2が4,945社、Tier3が2,114社と続く
-
サプライチェーン企業は47都道府県すべてに分布し、これらの企業に派生する売上高合計は推計2兆2,110億円にも上る。各企業の売上高依存度は、平均4.2%。出荷停止措置が長引けば、これらの企業業績や雇用、地域経済への影響が懸念される
※調査対象:2023年時点のデータを保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、ダイハツ工業(株)に対し、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の企業
※調査機関:株式会社帝国データバンク
都道府県別の分析 ~愛知、大阪に多く、工場のある滋賀、大分も影響大
サプライチェーン企業の所在地を都道府県別に見ると、トヨタグループのお膝元で、多くの自動車関連産業が集積する「愛知県」が最も多く、2,084社。派生する売上高は推計5,674億円に上る。次いで、本社(池田)工場のある「大阪府」が1,043社・2,607億円、「東京都」562社・2,006億円となった。
また、社数は多くないものの滋賀(竜王)工場のある「滋賀県」や、子会社であるダイハツ九州が拠点を置く「大分県」では、県内企業に派生する売上高が大きく、「滋賀県」187社・903億円、「大分県」89社・4,800億円となっている。
業種別の分析 ~自動車部品製造など、製造業が上位
業種細分類別に見ると、サプライチェーンで最も多いのは「自動車部分品・付属品製造業」で630社、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」の468社など製造業が上位を占める。
ただ、部品等を搬送する「一般貨物自動車運送」(408社)や「労働者派遣業」(187社)、車両の電子化が進む中で「受託ソフトウェア開発」(147社)なども多く、国内有数の産業でもある自動車産業だけあって、業種の裾野は広い。
<参考>
サプライチェーン(SC)企業の定義について
-
帝国データバンクが特許を取得した「個別企業間の全取引シェアを推計するモデル(NIHACHI)」を用いて、任意の頂点企業に対して売上の1%以上を依存している企業
商流圏~売上高依存度推計データについて
-
「個別企業間の全取引シェアを推計するモデル」を用いて、任意の頂点企業における商流上(サプライチェーン)の傘下企業や取引企業において、各社の売上高が頂点企業にどの程度依存しているかを算出(特許取得済)したデータ
-
頂点企業の直接取引先(Tier1)だけではなく、頂点企業と直接取引がないTier2(二次取引先)以降の間接取引でも売上高依存度を把握でき、頂点企業との取引額を推計できる点が特徴