株式会社ブレンボ・ジャパンのプレスリリース
2023年11月10日 ステッツァーノ(イタリア、ベルガモ)
ブレンボは、ミラノモーターサイクルショー(EICMA)2023において革新的キャリパー「HYPURE」、GP4シリーズの最新モデル「GP4-MotoGPキャリパー」、クラッチマスターシリンダー「16RCSコルサコルタRR」、新しいSSV向けキャリパーとディスクを初公開しました。
HYPURE
新しいコンポーネントがライダーに一つ上の走りを提供
左右非対称の特徴的デザインを採用したHYPUREは、同じ用途の従来品と比べて10%の軽量化を見事実現した、クラス最軽量コンポーネントです。軽量化したからといって剛性に影響はありません。優れた剛性はそのままに、性能と操作性を強化し、ライダーの競争力を高めます。
HYPUREの高度な熱伝導性は安定した制動性能を可能にし、ライダーに自信を持って限界の壁を越える力を与えます。
特許取得設計に基づく独自のスプリング・パッド・ピンシステムと、キャリパーとパッド間の特別な工夫を施した軸受面によって、残留トルクを最小限に抑えました。そのためHYPUREは、従来品より高性能で環境にもやさしい製品です。
「HYPER(超)」と「PURE(純粋)」の掛け合わせから生まれた「HYPURE」の名は、ブレンボの革新精神を表しています。この想像力を刺激する名前には、現代の精神およびアドレナリンを放出させる走りの本質が込められています。他と一線を画す性能が、いぶし銀のすっきりと合理的なフォルムを特徴とする無駄のない設計と一体化しています。
ブレンボの最新設計理念に則したHYPUREは、これまでの常識を打ち破る非対称デザインも魅力の一つで、機能性と美しさをさりげなく両立しています。
HYPUREは研究とイノベーションにたゆみなく挑戦するブレンボの姿勢そのものであり、当社独自のブランドアイデンティティを伝える真のアンバサダーでもあります。
HYPUREの性能は別格の領域に達し、サーキットでも公道でも、ライダーに心躍る走りをお約束します。確かなダイナミズムとエネルギーを持つこのキャリパーは、熱きライダーにとって欠かせないものです。
HYPUREなら、デザイン、性能からサステナビリティに至るまで、走りに関わる要素がすべてハイクラス。ライダーの期待を裏切りません。
GP4-MotoGPキャリパー
MotoGP技術を駆使した究極のロード向けブレーキキャリパー
優れた性能を誇るGP4-MotoGP(取付ピッチ100mm)の決め手は、斜めのパッドスライドです。これはMotoGPキャリパーでは標準的なもので、レバーにかかる力が同等であっても、よりシャープな制動力がかかることを可能にしました。さらに、アンチドラッグシステムと瞬時のパッドリリースコントロールを強化し、パッド摩耗の軽減を図っています。
特に注目に値するのは、ボディの外側と新しいレーシングピストンに取り付けられたベンチレーション用のフィンで、ブレーキシステムの熱交換を促して冷却効率を高めています。これは、走行による空気循環はもちろんですが、さらに重要な要素として、ブレーキディスクとホイールの回転が引き起こす空気の動きによってなせるものです。よりシャープで大胆なデザインに仕上げられた印象的な外観にもご注目ください。
パワフルなオンロードバイク向けに設計・開発されたGP4-MotoGPはサーキット発想の公道仕様ブレーキキャリパーです。現代のモーターサイクルのニーズと、要求の厳しいサーキット走行愛好家の期待に応え、性能と公道でのスポーツ感覚を新次元へと押し上げます。
MotoGP(ロードレース世界選手権)やSBK(スーパーバイク世界選手権)でプロライダーが用いるブレンボ製キャリパーと同様、このモノブロック設計キャリパーもアルミビレットから生まれています。鋳造によるブレーキ部品と比べると、アルミビレットを機械切削加工することによって素材の機械的特性を活かすことができ、過酷な走行環境でも高い安定性を発揮。その結果、耐久性を損なうことなくブレーキシステム全体の性能を高めることができます。
フロント部の補強リブは4本のアルミ製ピストンを取り囲み、システム剛性を最大限に高めているため、ライダーはバイクの安全性と信頼性を実感できます。明るくなめらかな外観を生み出すニッケルコーティングによる表面処理により、高温環境でも本来の強さと性能を発揮します。それでいて、走りの満足感を犠牲にしないために、耐久性、耐摩耗性、ロードでの最適性能を確保しています。
ブレンボは設立以来、MotoGP参戦チームに部品を提供してきました。2016年以降は、当社のブレーキソリューションがグリッドに並ぶすべてのライダーに選ばれています。2023年からはFIM MotoGP™のブレーキングインスピレーションパートナーとして契約を締結し、今後3シーズン、期待に胸がはずむ新しい役割を担うことになりました。全世界へのテレビ中継中にまったく新しいグラフィックフォーマットでデータを提供し、舞台裏の動きをご紹介する独占コンテンツをお届けします。
16RCSコルサコルタRR
MotoGPにすでに採用されている技術ソリューションを盛り込んだ画期的なバイク用クラッチマスターシリンダー
新しいクラッチマスターシリンダーは「RCSコルサコルタRR」シリーズのオリジナルスタイル特性をすべて受け継いでいます。同シリーズのブレーキマスターシリンダーが今年、権威あるレッド・ドット・デザイン賞を受賞した理由もここにあります。
デザインに統一感があるので、ブレーキ製品をシリーズで揃えると、見てそれとわかるダイナミックでスポーティ、スタイリッシュなブレーキ製品から、意図した共通のスタイル性がバイクを通して伝わります。
クラッチのメインボディはビレットを機械加工し、表面仕上げにはブラックの硬質アルマイトコーティングを施しています。これにより、ボディの優れた耐摩耗性とコンポーネントのスムーズな動きを保証します。フローティングピストンとシールもMotoGPと同一仕様です。
幅広い人気のある高性能バイクに特化して開発した新しいRCS コルサコルタRRクラッチマスターシリンダーには16mm径フローティングピストンを採用し、大排気量エンジンでの走りのフィーリングとパフォーマンスを高めています。
アイドルストロークは、レース用マスターシリンダーと同様に予め最小値に設定し、使用時のより高い精度を実現しています。
今お使いの標準的クラッチマスターシリンダーを圧倒的性能を誇るブレンボの16RCSコルサコルタRRに取り換えていただくだけで、バイクブレーキシステムのパフォーマンスを一気に押し上げることができます。この優れた性能は、ブレンボがブレーキシステム分野で長年積み重ねた経験から生まれたものです。
クラッチマスターシリンダーは取付け用付属品がセットになったキット販売です。2024年3月の発売を予定しております。
SSV向けキャリパーとディスク
カスタムメイドの高性能ブレーキシステム
新しいSSV向けキャリパーとディスクは、この市場セグメントでは初となるカスタムメイドの高性能ブレーキシステムです。当社は60年以上にわたってF1マシンからスーパーカーまで幅広いカテゴリーのブレーキ設計とブレーキ部品製造を手掛け、その実績を活かしたブレーキ製品はバハ1000での数々の勝利に貢献しています。
SSVキャリパーは既製のブレーキシステムと比較して制動性能が大幅に高く、ドライバーに自信を与えると同時に、メンテナンスも簡単です。アルミキャストを使用し、ブレンボ独自の負荷最適化ソフトウェアを用いた設計によってオフロード走行時の過酷な環境にも耐える堅牢な構造に仕上げています。
ブレンボが設計した4ピストンアルミブレーキキャリパーがクロスドリルドスチールブレーキディスクをしっかりと捉え、わずか1.55 kgの軽量化を実現しつつも優れた制動力を発揮します。ディスク表面に施されたブレンボロゴにも個性が光ります。
ブレンボSSVキャリパーはすべての重要測定基準を踏まえ、このカテゴリーに特化して設計された最良ブレーキソリューションです。ブレンボ独自のステンレススチールディスクと焼結パッドを、このアルミ固定キャリパーと組み合わせることで、4コーナー仕様の従来品と比べた軽量化を実現。静かで自信の持てるブレーキペダルフィーリングを体感していただけます。
ブレンボは、ロードカー向けブレーキの総合ソリューションプロバイダー、マーケットリーダーとしての経験と、スーパーカー、モータースポーツ分野での幅広い実績を融合させることによって、楽しさ、競技性、レジャー性を兼ね備えたこのセグメントの車両向けに、最適バランスの制動力を提供します。
画像・動画のダウンロード:https://www.mediakit.brembo.com/index.php/trade-show/eicma-2023
各製品の英語版ニュース:https://www.brembo.com/en/company/news
■ブレンボS.p.A. について
ブレンボは、高性能ブレーキシステムおよびコンポーネントの設計・開発・生産の世界的なリーディングカンパニーです。1961年にイタリアで創業して以来、乗用車やバイク、商用車の一流メーカーへ革新的なソリューションを提供し続け、過酷なモータースポーツの世界選手権においては600以上のタイトルを獲得しています。15カ国に31の生産・事業拠点と9つの研究開発センターを構え、約15,000名の従業員と共に、最高のドライブ体験を追求する全ての人々が信頼できるソリューションを開発し続け、2022年の売上高は36億2,900万ユーロに達しました。「Turning Energy into Inspiration(エネルギーをインスピレーションに)」をビジョンに、最先端のデジタル技術と持続可能なソリューションを通じて、モビリティ分野の発展と未来の形成に貢献します。