イタリアの炭素繊維複合材料メーカー・CPC社の全株式取得について

三菱ケミカルグループ株式会社のプレスリリース

三菱ケミカルグループ※1(以下「当社グループ」)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の自動車部材製造販売会社であるC.P.C. SRL(本社:イタリア・モデナ市、以下「CPC社」)の全株式を取得することが決定しましたのでお知らせします。当社グループは2017年にCPC社に出資しましたが、このたびの全株式取得により、垂直統合したサプライチェーンの強化・拡大を図り、炭素繊維事業の長期的な成長を加速していきます。本手続きは規制当局の承認を経て2023年末に完了する予定です。

 

三菱ケミカルグループ スペシャリティマテリアルズビジネスグループEMEA本部長

ラルフ・マイヤーのコメント:

「このたびの全株式取得は、炭素繊維市場に完全なソリューションを提供するという当社グループのコミットメントを再確認する極めて重要な契機です。これまでもCPC社とは素晴らしい協力関係を築いてきましたが、次のステップとしてこの全株式取得は自然であり、当社グループの製品やサービスを次のレベルに引き上げることができます。」

 

CPC社 CEO・大株主 フランコ・イオリオ氏のコメント:

「三菱ケミカルグループとCPCはシームレスな体制移行を確実に実現するために全力を尽くします。両社の10年にわたるパートナーシップは最終的に全株式取得という形に結実しましたが、これは顧客に可能な限り最高のソリューションを提供し、完全に垂直統合したサプライチェーンシステムを通じて業界のイノベーションを推進するために団結して取り組んでいくことを表しています。」

                       

燃費規制やCO2排出量の削減強化を背景に自動車軽量化が重要な課題となっており、軽量化に貢献するCFRPは世界の自動車市場で関心が高まっています。自動車部材へのCFRP採用が急速に進む中、当社グループは部材設計から生産までの一貫したバリューチェーンを通じて顧客に最適なソリューションを提供することで、大きな強みを発揮していきます。

 

CPC社は、部材の設計・シミュレーションに加え、炭素繊維複合材料の成形、金型の設計・製造、複合材料の塗装、部品組立など、自動車部材分野におけるさまざまな技術的専門知識とノウハウを有しています。また、大型複合材料部材の開発・成形に特化した世界最大級のプレス設備を保有しています。当社グループはCPC社の設計力、成形技術、開発力、提案力、欧米自動車メーカーとの商流ネットワークを活用することで、シートモールディングコン パウンド(CF-SMC)や圧縮成形プリプレグ(PCM)といった炭素繊維複合材料の自動車部材への採用をいっそう加速していきます。

 

また、両社のパートナーシップはこれら当面の目標にとどまらず、バイオベースやリサイクル炭素繊維の中間材料開発など、将来に向けて持続可能なソリューションを提供するためのさらなる協働を予定しています。

 

このたびの全株式取得は、原料から完成部材に至る炭素繊維バリューチェーン全体における継続性、卓越性、垂直統合に対する当社グループの強いコミットメントを示します。当社グループは今後もグループ内の強固な協力関係と業界の将来に対する統一したビジョンを原動力として、高品質の製品とサービスを提供し続けていきます。

 

  

C.P.C. SRLについて

35年間にわたりエンジニアリングから車体部材の供給まで垂直統合を発展させてきたヨーロッパ最大の自動車向け炭素繊維複合材料メーカー

Webサイト:https://www.cpcgroup.it/en/

  

※1三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルグループ株式会社とそのグループ会社の総称です。

 

●ご参考

2017年10月16日付プレスリリース CPC社への出資について

https://www.m-chemical.co.jp/news/2017/1203122_6977.html

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