MAHLE、道路輸送の電動化を加速

マーレジャパン株式会社のプレスリリース

  • IAA で世界初公開:ディーゼル車からの移行を支援する大型電動トラック向け新型レンジエクステンダーシステム

  • 電動駆動の持続可能性と内燃機関の柔軟性・航続距離の両立

  • 車両ライフサイクル全体を通じた総所有コスト(TCO)低減と、輸送業界における気候配慮型投資の促進

  • EU新車 CO₂ 排出削減目標達成に大きく貢献するレンジエクステンダー搭載電気自動車

  • 商用車向け電動化製品における欧州市場でのリーダーシップと、中国 OEM との協業による市場存在感の拡大

  • MAHLE CEO Arnd Franzが、高性能な電動化技術と量産対応製品を軸とした成長加速への意欲を表明

  • 「電動化・高効率・経済性」:IAA における、輸送分野の持続可能性向上と経済性強化に資する高効率製品の展示

  • バッテリー電動トラック、ハイブリッド、再生可能燃料を活用した道路輸送の脱化石化への貢献

MAHLE(マーレ)は、道路輸送の電動化を加速しています。ドイツ・シュトゥットガルトに本社を置く同社は、大型電動トラック向けの新型レンジエクステンダーシステムを導入することで、現在道路輸送分野で主流となっているディーゼルトラックからバッテリー電動トラックへの移行をより迅速に進める道筋を示しています。レンジエクステンダー搭載電動トラックは、電動駆動システムが持つ持続可能性に、内燃機関による柔軟性と航続距離を組み合わせた構成となっています。これにより、コスト負担の大きい道路輸送分野において、車両ライフサイクル全体の総所有コスト低減を支援し、気候配慮型投資の促進につながります。また、レンジエクステンダー搭載 BEV は、EUの新車 CO₂ 排出削減目標の達成にも寄与します。MAHLE は商用車向け電動化製品において欧州市場で確固たる地位を築いており、バッテリー電動トラックで欧州市場への参入を強める中国の商用車メーカーとの協業を通じて、存在感をさらに拡大しています。「高性能な電動化技術と量産対応製品により、さらなる成長を目指します」と、MAHLE グループマネージメントボード会長兼CEO のArnd Franzは、シュトゥットガルトで開催された同社の技術イベントで述べています。MAHLE は、今年の IAA Transportation(9月15日~20日、ハノーファー開催)に「電動化・高効率・経済性」をテーマとして出展します。新型レンジエクステンダーシステムの世界初公開に加え、輸送分野の持続可能性向上と経済性改善に貢献する高効率製品ラインナップを紹介します。また、バッテリー電動トラックやハイブリッド向け製品に加え、道路輸送の脱化石化に寄与する再生可能燃料の活用技術も展示します。

フォワーダーやフリート事業者は、コスト圧力が着実に高まるなか、経済的な持続可能性や競争力を損なうことなく事業をより環境配慮型へ転換していくという課題に直面しています。この分野では商用車向け充電インフラが依然として多くの地域で不十分であること、バッテリー電動トラックの航続距離が限られていることが、e モビリティ拡大の主な障壁となっています。柔軟性と信頼性はこの業界で成功するための重要な要素です。「時間とエネルギーは、特に道路輸送ビジネスにおいて限られた貴重な資源です。経済的に運行できる事業者だけが生き残れます。MAHLE の電動化製品は大型トラックの効率と柔軟性を高めると同時に、運用コスト削減にも貢献できます。今年の IAA Transportation では、こうしたソリューションをお客様、国際的車両メーカー、フリート事業者の皆様にご紹介します」とArnd Franzは述べています。

レンジエクステンダーシステム:航続距離と運行柔軟性を拡張する新技術

MAHLE は、IAA Transportationにおいて大型電動トラック向けの新型レンジエクステンダーシステムを世界初公開します。このシステムは柔軟な航続距離の確保と効率性を、性能を損なうことなく実現する技術です。MAHLE の革新技術を搭載することで、バッテリー電動トラックは日々の運行で必要となる走行距離を確実にカバーできるようになります。「レンジエクステンダーは、必要なタイミングでのみ作動するスマートな“緊急電源ユニット”であり、利用可能な航続距離を大幅に拡大します」と、MAHLE コーポレートリサーチ&先端技術担当バイスプレジデントのMarco Warthは述べています。

新システムの主要コンポーネントである高効率の高電圧ジェネレーターは、コンパクトな内燃機関によって駆動され、連続出力 110 kW、最大出力 130 kW を発揮します。この高電圧ジェネレーターは、満載での長距離走行や厳しい運行条件においても、電動駆動システムへ安定した電力を供給します。また、このアーキテクチャは多様な用途や地域市場の性能要件に合わせて容易に適応でき、幅広い商用車運行ニーズに対応する柔軟性を備えています。

新たに開発された高度なオイル冷却システムにより、ジェネレーターは 1 kg あたり 7 kW を超える高い出力密度を実現し、軽量化とインターフェースの簡素化を図りながら高出力を可能にしています。

MAHLE は、レンジエクステンダーシステムを、ジェネレーター、内燃機関、熱・流体マネージメントシステム、燃料タンク、AdBlue タンク、排ガス処理装置をひとつのコンパクトな「ボックス」にまとめた 自律型ユニットとして開発しました。このユニットは、バッテリー電動トラックの通常のバッテリー搭載スペースに収まるよう設計されており、既存のバッテリー電動車両プラットフォームへ円滑に統合できます。このシステムはバッテリー電動トラックの現在のバッテリー容量の約 3分の1を削減し、より小型のバッテリーを搭載できるようになります。これにより後軸荷重は約 400kg、車両総重量は約 600kg軽減されます。結果としてレンジエクステンダー搭載 BEV トラックは総航続距離 800km 超を実現し、約 400kmをバッテリーが残りの 400kmをレンジエクステンダーがカバーします。

実際の運行条件下でレンジエクステンダーを作動させた場合、トラックの CO₂ 排出量は従来の駆動システムを搭載したトラックと比べて 約 80%削減されます。さらにMAHLE のコンポーネントによりバイオ燃料対応となっている内燃機関を、先進的な HVO100 バイオディーゼルなどの 再生可能燃料で運転した場合、トラックの CO₂ 排出量は 実質ゼロとなります。

また、48 kW の高温側冷却能力と 15 kW の低温側冷却能力を備えた 包括的な熱マネジメントシステムにより、過酷な運行条件下でもレンジエクステンダーシステムの安定した作動が確保されます。

MAHLE は内燃機関向けに燃費と運用コストを低減するためのコンポーネント開発をさらに進めています。たとえば新しい パワーセルユニットは、従来よりも高い性能、長い耐用年数、そして優れた効率を備えています。また、オイルフィルター、オイル冷却システム、バイパスバルブを統合し、さらにオプション機能も追加可能な新しいオイルマネジメントシステムは効率性と経済性の両面で改善されています。ハウジングに使用する素材によっては材料コストを最大 20%削減、製品の CO₂ フットプリントを最大 50%低減し、重量を 最大 25%軽量化することが可能です。さらにこの製品は耐用年数が長く、総合的な運用コストのさらなる削減につながります。PCU とオイルマネジメントモジュールは他の種類の駆動システムにも適用可能であり、今年の IAA Transportation で初めて公開されます。

「レンジエクステンダーは、バッテリー電動トラックの市場導入をインフラ整備の遅れに左右されないものとするための重要な技術です」と、Marco Warth は述べています。「充電ステーションが混雑している場合や、天候・渋滞によって迂回ルートが必要となり、充電インフラが利用できない場合、他の車両は走行を継続できなくなる可能性があります。一方、レンジエクステンダー搭載 e トラックは走行を継続でき、ピーク時でも運行可能性が確保されます」

大型商用車向け MCT 電動モーター:レアアース不使用、軽量、高効率

IAA Transportation におけるもう一つの世界初公開として、当社は大型商用車向け電動駆動アクスル用に開発した MAHLEコンタクトレス・トランスミッター電動モーターを披露します。このモーターは永久磁石を使用しておらず、レアアースを一切必要としない設計となっています。ベンチマークとなる永久磁石同期モーターと比較すると、MCT 電動モーターは 車両あたり最大 3 kg のレアアース磁石を削減できます。レアアース磁石を使用しないことで、電動駆動システムの 環境負荷をさらに低減できる点も大きな利点です。

MAHLE の新しい電動モーターは永久磁石式の従来型モーターと比べ、実走行条件で約10%軽く、高効率を実現しています。永久磁石式モーターと比べた際の大きな利点は、幅広い運転領域において高い効率を維持できることであり、多様な走行状況に対応できる点が特長です。MCT 電動モーターは、最大出力 370 kW、最大トルク 900 Nm 超(3,900 rpm )を発揮します。また、EU が新車の燃費効率を算定するために用いるシミュレーションツール「VECTO」サイクルにおいて、モーター効率は 約 95%に達します。

MAHLE、電動化で顧客基盤を強化し、成長に向けた体制を確立

MAHLE は、電動化分野およびその中で極めて重要となる熱マネジメント分野において、確固たるリーディングポジションを築いています。この優位性はあらゆる事業領域と用途分野に及び、なかでも商用車事業で際立っています。MAHLEグループは、自転車、二輪・三輪スクーターから乗用車、トラックに至るまで、幅広い車両の電動化に対応するコンポーネントおよびシステムを提供しています。MAHLE は毎年、自動車産業、スマートモビリティ分野、その他の産業向けに 約 800 万台の電動駆動システムおよび電動補機類を販売しています。さらに、2026 年から 2029 年にかけて主要な乗用車およびトラックメーカーによる 35 を超える電動化車両プラットフォームが、MAHLE の技術と製品を基盤として市場投入される予定です。

MAHLE は、欧州においてバッテリー電動トラックおよび燃料電池トラック向けに幅広く製品を供給しており、確固たる市場基盤を築いています。電動エアコン用コンプレッサーの分野で欧州トップの市場シェアを持ち、電動ポンプおよび電動ファンの分野でも市場上位 3 社の一角を占めています。中国では、主要トラックメーカー各社と協業し、電動化車両分野での存在感をさらに拡大しています。MAHLEグループは商用車分野において、特に熱マネジメントモジュール、電動ファン、充電接続ボックス、バッテリー冷却プレート、そしてトラクションモーターを中心に成長を推進する方針です。

中型・大型商用車は、MAHLE の自動車産業向け事業の約 20%を占めています。MAHLEグループは、主要市場に広がる開発・生産ネットワークに加え、幅広く分散した顧客ポートフォリオを強みとしています。商用車およびオフロード分野で 120 社を超える顧客と協業しており、特に欧州と南北アメリカで強い存在感を示しています。2026 年上半期の商用車事業の受注は、乗用車事業と同様に前年同期を大きく上回りました。「今後 5 年間で、商用車向け製品によって市場全体を上回る成長率を達成できると見込んでいます」と、Arnd Franzは述べています。MAHLE は、アジア市場に最大の成長ポテンシャルがあると見ています。

Arnd Franz は、欧州経済の低調な見通し、予測が難しい関税動向、北米での需要低迷、そして特にバッテリー電動車に関して欧州で高まる中国製品の流入による競争圧力など、事業環境における構造的な課題と不確実性にも言及しています。

再生可能燃料の大規模拡大が不可欠

内燃機関は、世界の商用車において依然として主要な駆動方式であり、その比率は現在の約 83%から 2035 年には約 73%へとわずかに低下する見通しです。一方、電動駆動システムは成長を続けるものの、商用車市場では依然として補完的な役割にとどまると予測されています。

Arnd Franzは、国際エネルギー機関が公表した数値を引用しながら、仮に e モビリティの立ち上げが計画通りに進んだとしても、従来型車両の CO₂ 排出量は 2010 年の水準にとどまり続けると指摘したうえで、次のように述べています。「電動化に加えて、HVO100 やバイオ LNG のような持続可能な燃料の供給を大規模に拡大する必要があることは明らかです」

このような状況において、MAHLE は高効率な内燃機関向けコンポーネントの信頼できるサプライヤーであり続けています。これらのコンポーネントは、再生可能燃料と組み合わせることで、道路輸送における二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献します。中型・大型商用車市場において、MAHLE はほぼすべての製品グループで内燃機関向けコンポーネントのトップ5に入っています。ピストンアセンブリー、冷却モジュール、Visco ファン、空調システムでは、MAHLE グループはトップ3の地位を維持し、製品によっては市場をリードしています。

すでに大量のバイオ燃料が利用可能で、これらは既存車両を含め、道路輸送における二酸化炭素排出量の即時かつ効果的な削減に寄与します。ブラジルに設置された MAHLE グローバル・バイオモビリティセンターは、バイオ燃料、バイオ素材、その関連用途の開発を目的とし、2 年前から稼働しています。現在、この研究開発施設では、バイオ燃料エンジンやマルチフューエルエンジンの効率最適化、新たな持続可能素材とその応用など、幅広いプロジェクトに取り組んでいます。

MAHLE は、道路輸送分野の脱化石燃料化に向け、水素および水素由来燃料を重要な要素と捉えており、現在進行中の主要な水素エンジン開発プロジェクトに参画しています。

燃料電池による発電用途としての水素利用も、商用車分野の将来にとって有望な技術です。同時にこの分野は規模と既存の産業構造を背景に、水素経済の発展を支える重要な推進力になると見られています。MAHLE は現在、欧州およびアジアで多数の大規模開発プロジェクトを進めています。Arnd Franzは次のように述べています。「水素経済の未来へと踏み出すためには、水素を動力源とする商用車なしには不可能であり、そのために大規模でリスクを伴う国家補助金が不可欠です」

技術の発展には政策の安定性が不可欠

Arnd Franz は、気候目標に関連する課題は技術だけでは解決できないと強調し、信頼性のある政策的枠組みが必要でとの見解を示しています。

欧州については、大型商用車向け CO₂ フリート規制の客観的な見直しを求めました。理想的にはこれを 2026 年末までに予定されている代替燃料インフラ規則の見直しと組み合わせるべきだとしています。目標は野心的であるべきですが、市場の現実、インフラ状況、技術的実現可能性とより密接に整合している必要があると指摘しました。「技術の多様性が重要」とArnd Franz は述べています。「CO₂ 排出量を削減するためには、バッテリー電動車、水素、そして内燃機関向けの再生可能燃料を組み合わせて活用しなければなりません。レンジエクステンダーシステムも、電動化を促進する実用的な手段として認識され、規制の中で考慮されるべきです」

Arnd Franzは、さまざまなエネルギー源の市場導入を進めるためには、信頼できる基盤が不可欠であると強調しました。充電インフラ、水素充填ステーション、そして経済的に成立する蓄エネルギーソリューションは、商用車を生産的に活用するための不可欠な条件であると述べています。

さらに同氏は、移行を円滑に進めるには、規制・インフラ・資金・産業政策が効果的に連携することが不可欠であると指摘しています。欧州はより一体的なアプローチへと舵を切るべきだとも述べています。

「気候中立な道路輸送への移行は技術的に実現可能であり経済的にも達成可能である」とArnd Franz は述べています。しかし同氏は、これを可能にするためには、産業界、政府、そして顧客が連携し、調和の取れた形で行動することが不可欠だと付け加えています。

「MAHLE は技術の多様性と包括的なシステムコンピテンスを提供することで、この移行を積極的に推し進めています。トラックはこれからも MAHLE とともに走り続けます」

画像の著作権:MAHLE GmbH

MAHLEグループ マネージメントボード会長兼CEO
Arnd Franz
MAHLE コーポレートリサーチ&先端技術担当バイスプレジデントMarco Warth
電動駆動システムの持続可能性と内燃機関の柔軟性・航続距離を融合したMAHLEグループ の新しい大型電動トラック向けレンジエクステンダーシステム
レンジエクステンダーシステムの主要コンポーネントである高電圧ジェネレーターは、満載で過酷なルートでもトラックの駆動システムへ安定したエネルギー供給を確保
MAHLE の新しい MCT 電動モーターは大型トラックの電動駆動アクスル向けに開発され、レアアースを使用しない永久磁石レス構造により、軽量かつ高効率を実現
MAHLE は高効率なコンポーネントを活用し大型トラックの電動化に向けたトータルシステムアプローチをさらに推進
ピストンを最適化したMAHLE の新しい パワーセルユニットは高性能・長寿命・高効率を実現し、持続可能燃料を用いることで、ほぼ CO₂排出ゼロでの運転が可能
MAHLE の新しいオイルマネジメントシステムは材料コストの削減、軽量化、カーボンフットプリントの低減など、効率性と経済性の両面で改善を実現。

About MAHLE 

MAHLEは、今日のグローバルな自動車業界において、乗用車と商用車両分野の開発パートナーおよびサプライヤーです。 1920年に設立されたマーレグループは、電動化と熱管理の戦略的分野に焦点を当て、将来の「Climate Neutral」なモビリティの実現に取り組んでいます。また、燃料電池や水素などの再生可能な燃料で稼働するクリーンな燃焼エンジンなど、炭素排出量をさらに高効率に削減するための技術にも焦点を当てています。

 

現在、世界中の2台に1台がマーレのコンポーネントを搭載しています。マーレは世界中約64,000名の従業員を127の生産拠点や11のテクノロジーセンターに配置し、28か国に拠点を置いています。また、2025年には約113億ユーロの売上を計上しました。

 

日本においてマーレは、幅広い専門知識を活用しながら今日まで50年以上事業を継続して参りました。またアジア太平洋地域の本社機能を担うことで、日系大手自動車メーカーの国内外すべてのビジネスをサポートしています。現在、日本のマーレグループは国内17拠点に約2,200名の従業員を擁しています。

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