ゲスタンプ・オートテック・ジャパン株式会社のプレスリリース
■スペインに本社を置く多国籍企業のGestampは、横浜で開催される展示会「人とくるまのテクノロジー展 2026」において、ホットスタンプの工程にかかる時間を最大6~10秒短縮する革新的な特許取得済みの新技術「Ges-HighForm™」と「Ges-FastForming™」を世界で初めて発表します。
■Gestampは、イノベーションへの取り組みを強化し車両軽量化ニーズに応える最新イノベーションとして、同展示会で「GES-BLADE」と「ハイブリッド合金ツイストビーム」という全く新しいシャーシ製品を国内で初めて公開します。
高性能な金属自動車部品の設計・開発・製造に特化した多国籍企業、Gestamp(本社:スペイン・マドリッド、読み方:ゲスタンプ)は、5月27~29日に横浜で開催される自動車産業の展示会「人とくるまのテクノロジー展 2026」にブース出展します。Gestampブースでは、生産効率を過去最高レベルまで引き上げ、完成部品の性能を向上させることを目的に設計された新しいホットスタンプ技術「Ges-HighForm™」と「Ges-FastForming™」のグローバルローンチを世界で初めて発表すると共に、車両の軽量化や構造性能の向上、生産プロセスの最適化を目指す、自動車分野での最新の技術イノベーションや技術開発を紹介します。
「Ges-HighForm™」と「Ges-FastForming™」は、特許を取得した新技術であり、ホットスタンプ工程に革新的な進化をもたらします。高精度かつ高速な成形を可能にし、製造工程にかかる時間を6~10秒へ大幅に短縮します。
「Ges-High-Form™」は、構造部品の二段階工程のスタンプがベースの技術で、成形・トリミング間の冷却時間を変化させることで熱処理条件の柔軟性を高め、より複雑な形状への対応も可能になります。さらに、Gestampの標準ホットスタンプラインに導入可能で、全体の工程にかかる時間の短縮にも貢献します。
「Ges-FastForming™」は、Gestampの大型部品の製品群「Ges-GigaStamping®」専用に設計されています。可変冷却式の二段階工程で、タンデムプレス設備と高度な温度制御により、効率的な製造が可能になります。さらに、ツイン炉とダブルドア式リングプレスを採用することでレーザー切断を不要にし、工程を最大10秒に短縮しつつも高精度なスタンプを実現します。
Gestampの「レーザーゼロ」戦略により、「Ges-HighForm™」および「Ges-FastForming™」は、鋼材を金型内で直接切断できるようになり、従来必要だった後処理工程を省略でき、加工時間の短縮とコスト最適化を同時に実現しています。さらに、冷却速度を柔軟に調整できるようになり、新たな種類の鋼材の使用も可能になりました。これらの技術的進化は、軽量で安全かつ効率的なソリューションを開発し、新たなモビリティの課題に応えるというGestampの目標に沿ったものであり、安全要件を維持しながら軽量化を達成しています。
また、Gestampブースでは、日本の大手自動車メーカーとの共同開発により、この新しいホットスタンプ技術で製造した初めての部品であるスライドシルを展示します。このスライドシルは、車両の構造剛性を高め、衝突時に車両と乗員を保護する重要な構造部品です。
こうした革新技術は、Gestampの企業理念「safety above all(何よりも安全であること)」を体現するものです。この理念に基づき、Gestampは最適な素材と技術を駆使して構造部品の開発・発展に貢献しています。初期構想から素材選定に至るまで、あらゆる要素が運転者と同乗者の安全・快適性を考慮して設計されています。
Gestampは、これらの技術に加え、日本では未公開の革新的な技術を通じて、業界の技術革新をけん引するグローバル企業としての存在感をさらに高めています。また、国内のエンジニアリングおよび製造体制を基盤とした事業展開により、日本の自動車メーカーにとっての長期的かつ信頼できるパートナーとしての地位を一層強化していきます。
Gestampのアジア部門CEO、アントニオ・ロペスは次のように述べています。「自動車メーカーはここ数十年で最も厳しい産業変革の一つに直面しています。特に電動化と車両プラットフォームの変革が進む現在の市場において、生産の効率性や柔軟性、スピードの向上が競争力を維持するための重要な要素となっています。」
高精度エンジニアリングを用いたシャーシ:「GES-BLADE」と「ハイブリッド合金ツイストビーム」
Gestampブースでは、軽量化の需要に応えるための試みとして最新イノベーションにより開発された「GES-BLADE」と「ハイブリッド合金ツイストビーム」のシャーシを国内で初めて公開します。
「GES-BLADE」は、Advanced Tie Blade Knuckle部品を用いてブレード、ブッシュ、ナックル部分を強度鋼製の単一スタンプ部品に統合した画期的なシャーシです。先進的なスタンプ工程により、最終形状の約70%を1回の工程で成形することが可能になり、高度な機能統合を実現しています。さらに複数部品の統合により、同サイズの従来型ナックルと同等の構造強度と衝突安全性能を維持しつつ、最大20~25%の軽量化にも成功しています。
「ハイブリッド合金ツイストビーム」は、オープン断面トーションビームと全長にわたって接着された内部クローザーを組み合わせた革新的なリアアクスルです。基材の厚みの大幅な低減が可能となり、最大4kgの軽量化を実現しています。
これらの技術革新は、作業時間とプロセスの削減を可能にします。Gestampは、コンパクトで効率的な車両プラットフォームに最適なシャーシ構造の再設計により、イノベーションを推進する自動車メーカーとのパートナーシップをより強固にしていきます。また、日本国内市場の中心である内燃機関車(ICE)、プラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)、航続距離延長型の電気自動車の製造ニーズにも応える製品です。
「G-Weld™」による溶接技術のイノベーション
Gestampブースでは軽量構造の実現、部品性能の改善、組立時間の短縮、製造効率と競争力の向上を叶える、革新的な新しい溶接技術も紹介します。大型部品の製品群「Ges-Gigastamping®」などの構造部品向けに開発した「G-Weld™」は、G字型の溶接形状が特徴の高速レーザー重ね合わせブランク接合・溶接技術です。独自の形状により、接合部の強度、精度、信頼性が向上します。
「G-Weld™」は、高強度鋼や複雑な形状の溶接に適しており、従来の接合方法に比べて最大5倍の溶接速度を実現しています。また、アブレーションが不要になり、接合部の品質が向上し、効率的な大規模生産を可能にします。
ブースでは、この技術を用いて製造された単一構造のダブルドア式リングを公開し、プレス硬化とG-Weld™の組み合わせによるBIW(車体構造)部品の生産最適化を紹介します。
Edscha社の先進車両アクセス技術
Gestampブースでは、Gestampのグループ会社であるEdscha Gestamp(読み方:エドシャゲスタンプ)が、日本市場向けに第2世代パワースライドドアを展示します。これは、インテリジェントセンサーと連続動作により、重いドアも楽に動かすことができ、必要な位置で安全にスライドを停止できるスマートドアシステムです。
持続可能な産業変革への取り組み
Gestampブースでは、持続可能性と脱炭素化も重要ポイントとして紹介しています。Gestampでは、2026年から2030年までのESGロードマップの一環として、日本を含むすべてのグローバル拠点において、循環型経済と排出量削減の取り組みの推進を続けています。
三重県松阪市のGestampの工場「ゲスタンプ・ホットスタンピング・ジャパン」でも、この戦略に沿った様々な取り組みを実施しています。その一環として、電気炉と敷地内太陽光発電パネルを備えた新たなホットスタンプラインを導入し、工場が消費する電力の約10~15%を太陽光発電で賄っています。
また、Gestampは、スタンプ工程で発生する金属の廃材・スクラップのリサイクルを通じて循環型経済モデルを推進し、CO2排出量を削減することで、より持続可能な世界を目指しています。
日本におけるGestamp
Gestampは2009年に日本での事業を開始し、国内メーカーとの共同開発に着手しました。2013年には、最初のゲストエンジニアが国内OEMの設計部門に派遣され、共同開発に従事しました。
2017年には東京・八重洲にR&Dセンターを構え、Gestampの専門家チームが日本の自動車メーカー向け車両の共同開発に参加しました。R&Dセンターは、顧客への先進技術の提供スピードを加速し、共同創造・共同開発の良好な関係を育むための重要拠点へと成長を遂げています。現在、本社および顧客先に常駐する20名以上のスタッフとエンジニアを擁しています。仮想衝突試験や高度なホットスタンププロセスシミュレーションなどの機能を完備し、最高水準のBIW(車体構造)部品およびシャーシ部品を提供するため、最先端の開発に日々取り組んでいます。
また、2018年には三重県松阪市で最先端のホットスタンプラインを備えた工場を開設しており、日本国内での事業基盤を強化しながら事業拡大を進めました。生産能力の増強により、軽量かつ安全な車体構造部品の製造の基幹技術である次世代ホットスタンプラインを通じて、軽量化と安全性向上という新たな顧客ニーズに応えることが可能になりました。工場では大型プレスと環境に配慮した電気炉を組み合わせた生産ラインを導入しており、安全性を損なうことなく、車両重量とエネルギー消費量の低減に貢献する、より大型で機能統合された部品の生産が実現しています。
現在Gestampの研究開発チームは、新世代車両のアーキテクチャ対応の技術ソリューションを既に開発中で、安全性と軽量設計を最優先事項として新部品の開発・製造に取り組んでいます。これを達成するため、国内外の主要OEMと共同開発を行い、コスト効率が高く、持続可能性に優れ、性能を向上させた車両を実現するための最適なソリューションを提供し、各社の次世代モビリティへの移行を支援しています。
Gestampについて
Gestampは、主要自動車メーカー向けの高性能な金属部品の設計・開発・製造に特化する多国籍企業です。より軽量で安全な車両を製造するための革新的な製品を開発し、エネルギー消費量と環境影響の低減に貢献しています。製品ラインアップはBIW(車体構造)からシャーシ、機能部品となっており、幅広い製品を揃えています。
24か国に拠点を持ち、115箇所の生産工場(建設中の5カ所含む)と13箇所のR&Dセンター、4万2,000人超の従業員を全世界に擁しています。2025年の売上高は113億4900万ユーロでした。Gestampはスペイン証券取引所に上場しています(ティッカーシンボル:GEST)。