~最高40,000r/minに対応する超高速回転を実現し、eAxleの小型・軽量化に貢献~
株式会社 ジェイテクトのプレスリリース
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤 禎人、以下「ジェイテクト」)は、電気自動車に搭載されるeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発し、2026年6月より量産を開始いたします。
本開発品は樹脂保持器の形状と材料を最適化することで、自動車駆動モーター用の深溝ボールベアリングでは世界最高(*1)となる40,000r/min (*2)に対応する超高速回転を実現しました。これにより、eAxleの小型・軽量化に貢献し、航続距離延長や車載空間拡大といった電気自動車への付加価値創出に寄与します。
なお、本製品の開発においては、2024年11月25日発表のモデルベース開発による設計基幹システムと磁気軸受を用いた高性能評価試験手法を適用しています。
(*1) 2026年5月現在。ジェイテクト調べ
(*2) r/min・・・revolutions per minute。1分間当たりの回転数を表す単位
ジェイテクトグループは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というミッションに基づき、2030年までに目指す姿としてJTEKT Group 2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げています。
このソリューションプロバイダーへの変革のために、既存製品の高付加価値化と新領域へのチャレンジの両軸での企業活動に取り組んでおります。
本製品において、電気自動車の性能向上を実現することでモビリティ社会の未来をお客様と共に創ってまいります。
1.開発背景
電気自動車の普及拡大に向けて航続距離の延長や車内空間の拡大といったニーズが高まっています。これらの要求を満たすためには、車両に搭載される各部品の小型化・軽量化が不可欠です。
特にモーターを小型化すると出力低下が懸念されるため、モーターの回転数を高めることで出力を補う高速回転化が重要となります。
しかし、従来のベアリングを高速回転で使用すると、遠心力の影響で樹脂保持器と外輪の干渉による摩耗や、焼き付きが生じるという課題がありました。
2.開発品の特長と嬉しさ
ジェイテクトはこうした課題に対し、樹脂保持器の設計と材料を最適化することで、最高40,000r/minに対応するeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発しました。
これにより、eAxleの小型化・軽量化が可能となり、電費の改善、航続距離の延長に寄与します。
また、車載空間の拡大やバッテリー搭載性の向上といった車両設計上の利点も期待できます。
①遠心力の影響を低減する軽量化設計:
・保持器形状の最適化により、回転時に発生する遠心力を抑制
・遠心力による保持器の変形量を従来品比約70%低減
②高温時の剛性を維持する樹脂材料を採用:
・高温環境下でも必要な剛性を確保する樹脂を採用したことで、摩耗や変形を防止
・40,000 r/minの高速回転条件下でも保持器と外輪の干渉や焼き付きなし
③開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させるジェイテクト独自のモデルベース開発手法の活用:
・2024年11月25日発表(https://www.jtekt.co.jp/news/2024/004206.html)のモデルベース開発を基盤とする設計基幹システムと、ジェイテクトグループの磁気軸受を用いた高性能評価試験手法を適用
・デジタル設計とeAxleの要求仕様に相当する超高速回転評価の融合により、シミュレーションと実機試験の整合性を高め、信頼性の高い製品化を実現
3.今後の展望
本開発品は、深溝ボールベアリングが用いられている幅広い用途に適用可能であり、今後の電気自動車普及への貢献のみならず、幅広い産業に貢献してまいります。
4. 開発品を通じて達成可能なSDGsの目標とターゲット
【7.3】2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
【9.4】2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
<関連URL>
・2024年11月25日 軸受設計の効率化と信頼性向上に向けてモデルベース開発を劇的に進化~設計基幹システムと磁気軸受を用いた評価試験機で、効率化と信頼性を向上~