Automotive World 2026 AGL出展レポート : オープンコラボレーションが実現するSDV開発の新フェーズ

The Linux Foundation Japanのプレスリリース

2026年1月21日から23日にかけて東京ビッグサイトで開催されたオートモーティブ ワールド (Automotive World | RX Japan合同会社主催) は、世界中の自動車業界関係者が集う国内有数の展示会です。オートモーティブ ワールドの共催企画として「Automotive Grade Linux (AGL) Presents 次世代IVI体験」特別エリアが設けられ、株式会社アイシン、本田技研工業株式会社、ルネサス エレクトロニクス株式会社をはじめとするAGLメンバー企業が出展しました。会場では、最新のオープンソース技術が実機デモで公開されました。「次世代SDV」に向けた最新の取り組みを体験できる展示コーナーとして、会期中を通じて多くの来場者で賑わいました。

SDV開発を加速するSoDeV

AGLは2025年12月、ハードウェアの制約から切り離されたソフトウェア ファーストの開発を可能にする新しいオープンソースSDVリファレンス実装 SoDeV を発表しました。ECUの統合、仮想化を用いたハードウェア抽象化、次世代車両向けのクラウド連携をサポートします。

SoDeVは、 AGL Software Defined Vehicle (SDV) Expert Groupによる新たな取り組みです。 Linux Foundation/Automotive Grade Linux傘下の複数のオープンソースプロジェクトをもとに、SDVリファレンスプラットフォームをオープンソースソフトウェアとして提供します。 SoDeVは、2026年に仮想環境とAGLリファレンスハードウェアなどの車載SoC上での実現を目指しています。

今回の展示では、開発中のSoDeVや次世代SoCをベースにした最新技術を体験できる実機デモと、AGLベースで製品化されたシステムの実機デモを通じて、自動車業界に向けてAGLの開発成果をアピールしました。ソフトウェアをいかに迅速に移植・実装できるかを実機デモで実証し、自動車メーカーやサプライヤーに対してソフトウェアファーストの開発アプローチを訴求しました。さらに、Raspberry Pi、Rockchip、RISC-Vなど多様なSoC/ボードを用いたデモも展示し、AGLが幅広いSoCに適用可能であることをアピールしました。

共同展示に参画したAGLメンバーからのエンドースコメント

◾️ パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社

代表取締役 副社長執行役員 チーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)水山 正重氏

今回のAutomotive Worldでは、SDV実現の鍵となるハードウェア非依存かつソフトウェアファーストなアーキテクチャが、SoDeVによって具体的に実装可能であることが、各社の実機デモを通じて明確に示されました。SoDeVは、SDV開発における共通基盤としての実用性と将来性を、来場者に強く印象づけたと考えています。
パナソニック オートモーティブシステムズではこれまで、デバイス仮想化技術「VirtIO」の業界標準化をグローバルに推進するとともに、AGL SDVエキスパートグループの活動をリードし、VirtIOや仮想化技術のAGLへの適用を継続的に推進してきました。こうした取り組みの蓄積が、SoDeVの構想を実装へと結び付け、今回その成果を具体的な形で示すことができた点を、大変意義深く感じています。
当社は今後も、AGLコミュニティおよび関連OSSプロジェクトとの連携を一層強化し、オープンソースを中心としたソフトウェア技術の進化を通じて、SDV時代における自動車産業全体の発展に貢献していきます。

◾️ ルネサス エレクトロニクス株式会社

ハイパフォーマンスコンピューティングSoC事業部 SoCソフトウエアイネーブルメント部 

シニアダイレクタ 宗像 尚郎氏

今回の展示では、ハイパーバイザや各種OSSを含むソフトウェアスタックを2〜3週間という短期間でルネサスの車載用SoC「R-Car」に実装できることを具体的に示す場となりました。一般的に、デバイス周りのソフトウェアがOSSに対して不完全な環境では、ソフトウェア統合には多大な工数と不具合リスクを伴います。これに対しルネサスは、R-Car SoC用に高品質な完成度の高い基本ソフトウェア(BSP)を提供することにより、デバイスの仮想化を支えます。ルネサスは今後も、AGLコミュニティとの連携を通じて、オープンで透明性の高いソフトウェア基盤をさらに進化させ、SDV時代にふさわしい開発環境を提供していきます。

展示ハイライト:最新のSDVソリューションを公開したAGLブース

AGLメンバーで共同開発したAGL SoDeV Reference Platform

XenとVirtIOと他のOSS技術を用いてAGL IVIナビシステムとAGL Instrumentクラスタを実現したデモを展示しました。

(左から) ルネサス エレクトロニクスのV4Hデモ、本田技研工業のX5Hデモ
H3でAGL SoDeVを実現したデモ

AGLが幅広く適用可能であることを示すRaspberry Pi、Rockchip、RISC-V を用いたデモは、こちらの資料をご覧ください。

出展の総括と次の一歩

オートモーティブ ワールドのAGL特別エリアは、日頃のコラボレーションの成果を十分に来場者へ伝える展示となりました。イベント全体の来場者数は、3日間で78,673名 (*1) と速報され、自動車業界における変わらぬ関心と、次世代技術への高い期待感が感じられました。

イベント最終日には、「SDV時代における課題とその解決」をテーマとしたAGLのメンバーによるパネルディスカッションが行われ、500名余りの会場が満席となり、場内は熱気に包まれました。

AGLというコードファーストのプロジェクトに対する期待が一層高まっていることは、同業界が、ハードウェアの制約から切り離されたソフトウェアファーストの開発へと舵を切りつつあり、SDVの実現に向けたオープンなプラットフォームの重要性がかつてないほどに増していることを示しています。

今回の出展でご関心をお寄せいただいた方は、AGLコミュニティへの参加を通じて、共にSDVの未来を形作りましょう。今後開催されるイベントやAGL All Member Meeting (AGLメンバー限定のイベント | 次回は2026年5月東京開催) においても、さらなる技術革新と知見の共有ができることを心より願っております。

日本でのコミュニティ活動については、SNSで随時発信していきます。ぜひフォローをお願いします。

(*1) 出典 : 第18回 オートモーティブ ワールド/第40回 ネプコン ジャパン/ファクトリーイノベーション Week 2026/第5回 スマート物流 EXPO 来場者数 https://www.automotiveworld.jp/tokyo/ja-jp/about/previous/visitorcount.html

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