世界のEV化で進む持続可能なサプライチェーンへの取り組み、トヨタ、ホンダ、日産は大幅遅れ

SteelWatch Stichtingのプレスリリース

Credit: “Incomplete bodies — General Motors Assembly Plant Tour” by Joetography LLC is licensed under CC BY-SA 2.0.

(2026年3月12日、東京)本日リード・ザ・チャージ(Lead the Charge)の2026年版リーダーボード(評価ランキング)(日本語版)が発表され、対象企業18社の大半が公正で持続可能な電気自動車(EV)へと前進する一方、日本の自動車メーカーの進捗は大きく後れをとっていることが明らかとなった(英語版は2026年3月4日公開)。リーダーボードは、化石燃料を使用しない公正で持続可能なEVサプライチェーンの構築に向けた取り組みを基準に各社を評価している。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車(18位中16位)は、持続可能なサプライチェーンの取り組みで依然として遅れをとっており、ホンダ(15位)、日産自動車(13位)とともに下位にとどまった。

第4版となる本年度において、日本の自動車メーカーは、鋼材・アルミニウムの脱炭素化や責任ある調達といった分野において、ほぼ改善が見られない。鋼材・アルミニウムの脱炭素化において、トヨタ自動車とホンダはわずか0~1ポイントを獲得した。日産自動車はいくつかの分野で改善が見られたものの、日本鉄鋼連盟が定義する見かけ上の「低排出」を可能にする、いわゆる「マスバランス」鋼材(現「GXスチール」)のオフテイク契約により、評価が著しく低下した。

「GXスチール」の定義によると、当該製品の実際の製造工程で排出削減を行わなくとも、組織内で得た他の工程での排出削減実績を帳簿上で割り当てることが可能になり、製品の実際の排出量について誤解を招くおそれがある。

スティールウォッチ、アジア・リードのロジャー・スミスは以下のように述べている。

「車両の重量の約60%を占める鉄鋼は、主に石炭を使った高炉で生産されている。自動車メーカーが倫理的かつ環境に配慮した原材料の調達を行うのは前向きな動きだ。一方、実質的な低排出鋼材の商業生産が目前に迫る中、自動車メーカーという需要側からの具体的な取り組みが、鉄鋼メーカーに低排出な生産を促す鍵となる。今後は、帳簿上の削減であるいわゆる『マスバランス』を避け、倫理観および環境配慮を自社生産全体に拡大する自動車メーカーこそが、競争力を持つことになるだろう」

本年度の分析によると、フォード、メルセデス・ベンツ、テスラ、ボルボ、フォルクスワーゲンといった業界を代表する中核グループが、対象企業全体のスコアを押し上げるとともに、下位他社との差をさらに拡大させている。これら5社は、車両に使用される原材料の脱炭素化や、サプライチェーンにおける環境への悪影響および人権侵害の軽減に向け、より実効性の高い取り組みを実施し始めており、リーダーボード初版以降、残る13社の2倍のペースで進展を遂げた。

自動車メーカーは鉄鋼メーカーにとって重要な顧客であり、鉄鋼業界脱炭素を加速させる鍵を握る。

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リード・ザ・チャージ(Lead the Charge)について

リード・ザ・チャージは、公正で持続可能、かつ化石燃料に依存しない自動車のサプライチェーンの実現を目指す、地域、国、世界の多様なアドボカシーパートナーのネットワークである。メンバーは、気候変動、環境正義、人権、先住民族の権利、重工業、ESGなど幅広い分野の専門知識を持ち、様々な地域や課題に取り組んでいる。

スティールウォッチ(SteelWatch)について

スティールウォッチは、鉄鋼セクターにおける気候変動対策を促進することを目的とし、2023年7月に設立された国際NGO。「ゼロエミッション経済を支え、そして環境や地域が栄え、労働者が生き生きと暮らすことを可能にする鉄鋼産業」をビジョンに掲げている。

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