世界が認めた匠の技!18社が断念した深絞り加工で道を切り拓く――金属加工の可能性に挑み続ける町工場「ナカザ」が、足立ブランド認定企業冊子に掲載!

優れた製品・技術を持つ事業者を広く認定し区内外へPRする「足立ブランド」。認定企業でもある『株式会社ナカザ』も掲載される「足立ブランド認定企業紹介冊子」が2025年2月にリニューアルされました。

足立ブランドのプレスリリース

「深絞りならナカザ」――18社が断念した金属加工に成功し、世界で高い評価を得ている『株式会社ナカザ』(東京都足立区宮城 代表:中座義行)は、深絞り加工技術を中心とした金属加工技術で、医療機器から人工衛星部品まで幅広い分野で革新的な製品開発を実現しています。同社は1966年の創業以来、日本のもの作りの可能性を広げ続けています。

<右から左へと順に、深絞り加工を行っていった様子>

世界が認めた日本の職人技

「これは無理だ」――大手計測器メーカーが持ち込んだ計測器ケースの図面を前に、多くの加工会社がそう断言しました。原油の輸送管(パイプライン)のための計測器ケースという、高い信頼性と耐久性が求められる重要な部品で、縦と横は165mm、深さ122mmの箱型。角はわずかに丸みを持ち、底面の平坦度はプラスマイナス0.2mm以内に抑えるというもの。一見シンプルに見えるこの製品には、世界でもトップレベルの金属加工技術が必要とされていました。

<ヨーロッパの展示会でその技術を絶賛された、原油の輸送管(パイプライン)のための計測器ケース>

18社もの専門企業が製作を断念したこの製品に、株式会社ナカザは「深絞り」で果敢に挑戦。

2年に及ぶ試行錯誤の末、2011年、ついに製品化に成功しました。

この製品がヨーロッパの展示会に出展されると、「世界でも類を見ない優れた技術」「日本人にしかできない仕事だ」と絶賛され、同社の技術力は世界的な評価を獲得することとなりました。金属加工における「絞り」とは、一枚の薄い金属板を金型で挟み、圧力をかけ角や円などの筒状に加工する技術です。溶接などと異なり金属の繋ぎ目がなく、強度の高いなめらかな仕上がりが特徴です。特に同社が得意とする「特殊形状深絞り」は、円筒形ではなく、楕円や角筒、さらには3D形状など、より複雑な形状を一体成形で実現する高度な技術です。

この技術には、金型の設計から加工条件の設定まで、様々な専門知識と経験が必要とされます。例えば、金属板に圧力をかける際の速度や力加減、潤滑油の選定など、細かなパラメータの調整が製品の品質を大きく左右します。同社は40年以上にわたり、この技術を極め続けてきました。

匠の技が生み出す革新的製品

① 同社の技術力は、様々な分野で革新的な製品を生み出しています。世界最小・最軽量の双眼鏡は、その代表例です。薄くて軽い素材を深絞り技術によって精密に加工し、従来品の半分以下のサイズと重量を実現。皇室からも注文を受けたこの製品は、深絞り技術の精緻さを証明する成果となりました。

② 医療分野では、外径2mm、内径1.8mmという極小サイズの体温計部品の製造に成功。使用された金属板の厚さはわずか0.2mmで、高度な技術と知識なしには実現不可能な製品です。この製品の製造には、特殊な金型設計と、微細な加工を可能にする独自の技術が活用されています。

③ 自動車産業においては、40年前に日本で初めてハイブリッドカーの燃料電池ケースを開発。楕円形という特殊形状の深絞り加工を実現し、業界の発展に貢献しました。この技術は現在も進化を続け、より軽量で高性能な燃料電池ケースの開発に繋がっています。

①世界最小、最軽量の双眼鏡
②医療用体温計の先端品
③ハイブリッドカー用燃料電池ケース

選ばれ続ける4つの強み

同社が業界から高い評価を受け、選ばれ続ける理由として、以下の4つの強みが挙げられます。

1. 金属製作からプレス加工まで一貫して社内製作を行うことによる品質管理

同社では、金型の設計・製作から深絞り加工、表面処理まで、全ての工程を社内で一貫して行っています。

金型製作においては、3D CADを活用した精密な設計と、熟練職人の技能を組み合わせることで、高精度な金型を実現。これにより、各工程での品質管理が徹底され、高精度な製品の安定供給を実現しています。

特に表面処理工程では、塗装、めっき、アルマイト、アロジンなど、多様な処理に対応可能。製品の用途や要求される性能に応じて、最適な表面処理を提案・実施しています。

2. 40年以上にわたり蓄積された、難易度の高い絞り技術のノウハウ

創業以来、数々の困難な課題に取り組んできた経験から得られた技術やノウハウは、同社最大の財産となっています。特に、チタンなどの難加工材や特殊形状の深絞り加工において、その技術力は際立っています。例えば、チタン材の深絞り加工では、独自に開発した潤滑油の配合と、金型の表面処理技術を組み合わせることで、従来は不可能とされていた深い絞り加工を実現しました。この技術は、医療機器や航空宇宙部品など、高い信頼性が要求される分野で活用されています。

3. 試作など小ロット生産から量産まで柔軟に対応できる

生産体制多品種少量生産から大量生産まで、顧客のニーズに応じて柔軟な生産体制を構築。最新のNC工作機械と熟練工の技能を組み合わせることで、試作開発から量産化までのスムーズな移行を可能にしています。特に試作段階では、3Dプリンターを活用した試作金型の製作など、最新技術も積極的に導入。開発期間の短縮とコスト削減を実現しています。

4. 工程の最適化による圧倒的なコストパフォーマンスの実現

従来8工程必要だった作業を3工程に削減するなど、製造工程の最適化により、高品質を維持しながらコストを大幅に削減することに成功しています。これは、長年の経験から得られた知見と、最新の生産技術を組み合わせることで実現した革新的な取り組みです。

元営業マンから金属加工のプロフェッショナルへ

今では世界的な加工メーカーへと成長した『ナカザ』ですが、創業当時は「プレスについての知識は何もなく、もちろん技術もなかった」と語る中座氏。茨城県出身の同氏が21歳で上京し、証券会社の営業マンとして働いていた時、学歴差別に失望したことが起業のきっかけでした。顧客であるプレス会社の社長との縁で個人事業として、1966年にプレス加工をスタート。

門外漢だったからこそ、技術的な常識にとらわれない視点は、むしろ同社の強みとなりました。他社が「不可能」と判断した案件にも、既成概念にとらわれることなく果敢に挑戦。その結果、従来の技術常識を超える製品開発に数多く成功してきました。

プレス業界に参入した当初は、近隣の工場を訪ね歩き、技術を学んだという中座代表。「営業マン時代に培った人とのつながりを大切にする姿勢が、技術習得の大きな助けになった」と振り返ります。

<株式会社ナカザ代表の中座義行氏>

「創業から40年、景気の悪化や倒産の危機に見舞われることもありましたが、経営が苦しい時にもリストラだけは選択せず、全社員と一丸となって取り組んできました」と中座代表は語ります。この経営姿勢が認められ、2002年には東京労働局長より進歩賞を受賞、2011年には東京都の「東京マイスター」にも認定されました。

「素晴らしい社員に恵まれたことは、一生の誇りです」と語る中座代表。謙虚に研究を重ねる姿勢と、社員との信頼関係を大切にする経営理念は、今後も変わることはありません。次世代を担う若手技術者の育成にも力を入れ、匠の技術を確実に継承していく考えです。

■ 足立ブランド認定企業紹介冊子・送付希望の方へ

足立ブランド認定企業である株式会社ナカザも掲載された「足立ブランド認定企業紹介冊子」を10名様に送付させていただきます。送付ご希望の方は下記の応募フォームをご利用ください。

※ 部数に限りがございますので、ご希望者多数の場合はPDF送付になる旨をご了承ください。

足立ブランド認定企業紹介冊子 / 応募フォーム

https://forms.gle/C6wTHxEBce7vzqAx5


【企業情報】

株式会社ナカザ

https://www.nakaza.com/index.html

会社名:株式会社ナカザ

住 所:東京都足立区宮城2-23-5

電話番号:03-3911-0166

代表者:中座義行

営業品目:

金属深絞り加工/精密自動金型設計製作/金属プレス加工/板バネ加工/ 各種表面処

理(塗装・めっき・アルマイト・アロジン)/試作板金加工/量産板金加工/ 各種

溶接/タップ・スポット加工/組み立て加工一般/日用雑貨取り扱い

生産品目:

自動車部品/電子機器部品/精密機器部品/人工衛星部品/建築金具/重電機器部品/

組立て加工一般


「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。

『株式会社ナカザ』は、この「足立ブランド」認定企業です。


取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。

足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係

電話番号:03-3880-5869

ファクス:03-3880-5605


足立ブランド公式Webサイト

https://adachi-brand.jp/

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