「アクティブトレッド技術」が「R&D Breakthrough of the Year」を受賞

住友ゴム工業のプレスリリース

発行:2025年3月6日
 
「アクティブトレッド技術」が Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」で R&D Breakthrough of the Year」を受賞
 
 住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、3月4日から6日にドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2025」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」において、「アクティブトレッド技術」が「R&D Breakthrough of the Year」を受賞しました。
 
 3月4日に開催された授賞式には、材料開発本部 材料企画部長 馬渕 貴裕、Sumitomo Rubber Europe GmbH マネージングディレクター Dr. Bernd Löwenhauptとジェネラルマネージャーの児島 良治が出席し、「この度、大学、研究機関、パートナーサプライヤーの支援と協力のもと、アクティブトレッド技術の開発に成功しました。当社は、R&D活動の加速を継続し、アクティブトレッド技術をさらに強化し、それらを当社の性能持続技術と組み合わせることに注力しています。これにより、タイヤの製造数を減らし、資源を節約し、持続可能な材料の採用を促進することで、持続可能な社会に貢献することを目指しています。住友の経営理念のもと、これからも人々に喜びと幸福をもたらす未来をお届けするタイヤの開発に取り組んでまいります。」と述べました。
 

授賞式の様子
(右から、馬渕部長、Dr. Löwenhaupt、児島ジェネラルマネージャー)
 

 
■アクティブトレッド技術 概要
「アクティブトレッド」は、ゴムの中に路面状態の変化に反応する2つの「スイッチ」を組み込むことでポリマーの動きをコントロールすることに成功しました。1つ目の「水スイッチ」では、ゴム内のポリマー間の結合の一部を「共有結合」から水で脱着できる「イオン結合」に置き換えました。水に触れて「水スイッチ」が働くことで、ゴム表面が柔らかくなり、ウェット路面でグリップ性能が向上します。さらに、2つ目の「温度スイッチ」では、低温では混ざり、高温になると分離するコンセプトの素材を開発しました。この「温度スイッチ」が働くことで、低温で柔らかくなり、氷上路面でも柔らかくグリップするという従来からある素材とは、逆の性質を示します。
 
水で柔らかくなる水スイッチ
 

 
<水スイッチ>ウェット路面でもグリップを維持できる技術
 
 
 

 
低温で柔らかくなる温度スイッチ
 

 
 「Tire Technology Expo」は、2001年より欧州で開催されているタイヤ製造等に関する技術発表・展示会で、タイヤメーカーをはじめ素材メーカー、公的研究機関などがその研究成果を発表し、10の分野※1で優秀な技術を表彰するものです。
 当社の「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」での受賞は、2010年の「第4世代ランフラットタイヤ技術」、2017年の「新材料開発技術ADVANCED 4D NANO DESIGN」、2019年の「SENSING CORE」、2022年の「性能持続技術」、2023年の「バイオポリマー合成の研究」、「酵素評価方法の発明」、2024年の「タイヤ製造における水素エネルギーと太陽光発電の活用」に続き、今回で2年連続、通算8回となります。※2
 
 当社は2023年3月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)」※3を発表しました。「TOWANOWA」はバリューチェーン上の5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成されており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指します。
 

 
 「TOWANOWA」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、アクティブトレッド技術の開発で得られたデータを活用することで、より高機能で高品質なタイヤの開発を推進します。「TOWANOWA」を通じ、住友ゴムはESG経営の推進を更に加速させ、2050年のカーボンニュートラルの実現と持続可能な社会の発展に貢献していきます。
 
※1 Environmental Achievement of the Year – Tire Design, Environmental Achievement of the Year – Manufacturing, Environmental Achievement of the Year – Industry Contribution, Materials Innovation of the Year, R&D Breakthrough of the Year, Tire Manufacturing Innovation of the Year, Tire Industry Supplier of the Year, Tire Concept of the Year, Tire of the Year, Tire Manufacturer of the Year
※2 2010年、2017年、2019年、2022年の受賞は「Tire Technology of the Year」。2023年は「Materials Innovation of the Year」と「R&D Breakthrough of the Year」、2024年は「Environmental Achievement of the year」を受賞。
※3 タイヤ事業におけるサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)を策定(2023年3月8日リリース)
https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2023/sri/2023_018.html
 
<ご参考>
■「Tire Technology Expo 2025」ホームページ https://www.tiretechnology-expo.com/en/
 
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