究極のハイパーカーValkyrieが公道からサーキットへ ル・マンでの栄光への新たな挑戦が始まる

Aston Martin Japan合同会社のプレスリリース

  • アストンマーティンのValkyrieがハイパーカーのサラブレッドとしてサーキットに登場 

  • アストンマーティン Heart of Racingチームがウィング・バッジとともにル・マン24時間に復帰。1959年以来となる総合優勝を目指す

  • Valkyrieは、2025年、世界最高峰のスポーツカーシリーズ、世界耐久選手権(WEC)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方で闘う唯一のハイパーカーとなる

  • 公道仕様でありながら、唯一無二のハイパーカーとしてWEC/IMSA選手権に参戦する

  • Heart of Racingが2つのレースプログラムに参戦し、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズと協力して車を開発する 

  • Valkyrieはレギュレーションに最適化された最先端6.5リッター・リーンバーンV12エンジン搭載、公道で培われサーキット用に調整されたエアロダイナミクス 

  • 包括的なグローバルテストプログラムを経て15,000km以上を完走

  • アレックス・リベラスとハリー・ティンクネルのWECラインナップに、FIA GT世界選手権3連覇のマルコ・ソーレンセンと英国の新星トム・ギャンブルが加わる

  • アストンマーティンのIMSAチャンピオンであるロス・ガンとロマン・デ・アンジェリスがHeart of RacingチームによるValkyrieでの GTP挑戦の先陣を切る

2025年2月5日(水)、ゲイドン:

アストンマーティンがハイパーカーValkyrieを公開し、輝かしいレース史の新たな心躍る章が幕を開けます。英国のウルトラ・ラグジュアリー・パフォーマンスカー・ブランドがル・マン24時間レース総合優勝を目指し、公道から生まれたピュアなレーシングカーで耐久レースの最高峰に還ってきます。

 

公道仕様のハイパーカーを基礎とする唯一のレーシングカーであるValkyrieは、FIAのハイパーカー・レギュレーションに従った最初のレーシングカーで、FIA世界耐久選手権(WEC)と米国を主戦場とするIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の両方に参戦します。2025年のWEC開幕戦となる2月28日のカタール1812kmに、ワークスチームのアストンマーティンHeart of Racingチームが2台のValkyrieを投入し、世界的レースのデビューを飾ります。

 

アストンマーティン・ラゴンダの最高経営責任者(CEO)エイドリアン・ホールマークはこのように語ります。「これはアストンマーティンにとって誇るべき瞬間です。ル・マン24時間レースに復帰して総合優勝を目指して戦うことは、私たちの核となる価値観であり、当社のモータースポーツのヘリテージにおける重要なマイルストーンです。公道から生まれた唯一のハイパーカーとして、WECとIMSAというスポーツカーレースの最高峰に挑戦するValkyrieは、私たちの不変のスポーツ精神を体現するもので、100年以上にわたってブランドを定義しています。」

 

ル・マンのドライバーラインアップは全員英国人

ル・マン24時間レースのアストンマーティンで最も新しいクラス優勝者である英国人ハリー・ティンクネルは、同じ英国出身で耐久レース界の新星トム・ギャンブルとともに、WECでフルシーズン、007号車のValkyrieのハンドルを握ります。一方、姉妹車の009号車は、FIA GT世界選手権3冠のマルコ・ソーレンセン(デンマーク)とWEC LMGT3クラス優勝者のアレックス・リベラス(スペイン)がドライバーとなります。

 

IMSAでは、2024年のIMSA GTD Pro選手権に参戦したロス・ガン(英国)と、2022年のGTDクラス優勝者のロマン・デ・アンジェリス(カナダ)が、GTPクラスでアストンマーティン チームの単独エントリーとして23号車のドライバーを担当します。ガンとデ・アンジェリスの2人はWECにも参戦し、ル・マンには3人のドライバーが組んで参戦します。ガンがティンクネルとギャンブルとともにValkyrie007のハンドルを握り、6月14日~15日のレースを英国人ドライバーのみで戦うことになります。

 

ValkyrieファクトリーチームのレースはWECとIMSAの両シリーズともHeart of Racingが指揮します。このチームは、以前はアストンマーティンVantage GT3で両シリーズに参戦していました。「スポーツカーレースに携わってきた者にとって、アストンマーティンという最高の車、しかも世界で最も美しい車のひとつとして認知されており、唯一、ロードカーの血統を継ぐ車を走らせることは本当に名誉なことです。」とチーム代表のイアン・ジェームズは語ります。「このプログラムを任されることは、私のキャリアの中で最高の経験です。」

 

サーキット用に開発された究極の公道走行可能なハイパーカー

アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとHeart of Racingが開発した新型車は、世界耐久レースのハイパーカーのトップディビジョンにおける唯一無二の存在です。既存の量産型の究極のパフォーマンスカー、究極のハイパーカーであるアストンマーティン・Valkyrieをルーツに持つのはこの車両だけです。

 

アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーターはこう述べています。「アストンマーティンValkyrieは単なるハイパーカーではありません。自動車技術史の革命であり、パフォーマンス、デザイン、イノベーションの頂点に立つ車です。F1®のテクノロジーと公道車の熟練の技の奇跡的な融合であるValkyrieは真のレーシングカーです。最高峰の世界耐久レース参戦により、その高い技術がさらに確かなものになるでしょう。」

 

「ハイパーカーのレギュレーションに従うことにより、このレースカーは公道車と多くの点でDNAを共有しています。その心臓部は同じV12パワーユニットです。」

 

Valkyrie はレース用に最適化したカーボンファイバー製のシャシーを用い、標準仕様で最高回転数11,000rpm、最高出力は1,000bhpを超える驚異的なコスワース製自然吸気6.5リッターV12エンジンのリーンバーン版を搭載しています。パワーユニットは、トップレベルで長距離を戦う過酷な条件にも耐え得る、ハイパーカー・クラスのパフォーマンスウィンドウに合わせて強化、調整しています。Valkyrieの血統を引き継ぐV12エンジンの選択は、明らかにパフォーマンス上のメリットをもたらすと同時に、純粋なレーシングソリューションとしてアストンマーティンの美学にもマッチします。

 

信頼性と耐久性の面では、ハイパーカーのレギュレーションでパワーリミットが500kW(680bhp)であることなどを考慮すると、V12に優位性があります。当初からロードカーとして過酷な負荷に耐える頑丈さを備えているためです。レース用としては、燃費が特に開発時の重要ポイントでした。

 

「高燃費の、少ない搭載燃料で必要なエネルギー量を得ることが重要です。」とカーターは語ります。「それほどパワーを必要としないため、エンジンは本来の性能よりも低速で運転します。レギュレーションが定めるパワーリミットよりも低いことで、チャンスが生まれます。トルクカーブを調整し、エンジン速度を落として摩擦損失を低減し、燃費を向上させることができます。」

 

空力については、ハイパーカーValkyrieは、FIA公認レースに出場できる認可を得ることを目指して開発されました。これを可能にしたのは、ロードカーをルーツとする強固な基盤です。そして、これはアストンマーティンのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンとエイドリアン・ニューウェイの2人のデザイナーの功績です。ニューウェイは、2025年3月にF1®チームのマネージング・テクニカル・パートナーとしてアストンマーティンに加わります。「信じられないことです。史上最も偉大なレーシングカーデザイナーの一人であるエイドリアンが車をデザインするのです。しかも、レースに出場することを考えずにです。」とカーターは述べています。

 

公道車からレースカーへの転換について、FIAのテクニカルレギュレーションでは、主に安全面と性能面におけるレースの特定のパラメーターが指定されています。レースの課題に対応するためには、ピットストップでの迅速なドライバー交代やタイヤ交換、エンジンをかけたままの給油、さらには車同士の接触を含め、フロントとリアのボディワークの素早い交換、素早く給油するためのシングルポイントカップリング、シャシー組み込み高速空気圧ジャッキシステム、安全性、クイックアクセス、視認性を最適化したドライバーコックピットなどの開発が必要です。

 

レース用サスペンションは、フロントとリアのダブルウィッシュボーン、プッシュロッド式トーションバー・スプリング、調整可能なサイドダンパーとセントラルダンパーの構成です。Valkyrieは、ハイパーカー・レギュレーションで義務付けられている18インチのミシュラン・パイロットスポーツタイヤを装着します。

 

「開発とは関係なく、絶対的な性能はレギュレーションによって制限されます。」とカーターは説明します。「最低重量、ドライブシャフトのトルク制御による出力制限、空力性能の範囲が定められています。レースに参加する全車両のモデルが実物大の風洞で計測されます。つまり、性能に係わる基本的な要因の範囲内で、Valkyrieの特性を最適化しなければならないのです。」

 

このアプローチはレーシングカーの仕様における重要な設計上の決定にも影響します。例えば、セミオートマチックのパドルシフトによるギアチェンジで操作するXtrac 7速シーケンシャル・トランスミッションなどです。

 

カーターはさらに述べています。「アストンマーティンのレースカーはすべて、究極的には、非常に高性能な車を対象に、その特性と能力をレギュレーションの条件に合わせて調整し、その中でパフォーマンスの可能性を最大限に引き出します。私たちは、世界的知名度のあるアストンマーティンのデザインスタジオと、開発の主導的役割を担うアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズと協力し、このすべての作業を行いました。」

 

デュアルレースプログラムに備えた準備

2024年7月のValkyrie・ハイパーカーの最初のテスト走行に続いて、Heart of Racingは幅広い評価プログラムに着手し、15,000kmを超える距離を走りました。テストは英国のドニントンパークとシルバーストーンで開始し、その後ヴァレルンガとヘレスに移動し、さらにバーレーン、カタール、ロード・アトランタ、セブリング、デイトナと続き、デュアルレースプログラムに適切な様々なコースを走行しました。

 

「常にさらに上を目指すことが可能ですが、プログラムの進捗状況とその信頼性には満足しています。」とイアン・ジェームズは語ります。「デザインからAMPT、製造部門からレースチームまで、すべてがひとつになっていることに非常に満足しています。」

 

WECシーズンには2台のValkyrieがエントリーしています。ル・マンにおける英国のモータースポーツの数々の栄光を象徴する美しいグリーンのカラーリングが施され、Heart of Racingの英国の拠点であるブラックリーを旅立ちます。ドライバーのラインナップについて、ジェームズはこう述べています。「ハリー・ティンクネルはValkyrieの開発に深く関わっていたため、早い段階でテストプログラムに加わってほしいと考えました。それに、彼は他のGTPでの経験もあります。」ティンクネルは、2020年にアストンマーティンでル・マン24時間レースのクラス優勝を果たしましたが、それを最後に英国人ドライバーのクラス優勝はありません。WECの2024年シーズンを通してプロトン・ポルシェでのレース経験もあり、グループの中で最もハイパーカーの経験が豊富なドライバーです。「彼はすぐにチームに馴染みました。彼の実績は言うまでもありません。」とジェームズは付け加えています。

 

トム・ギャンブルは、アストンマーティン・オートスポーツBRDCアワードを受賞し、LMP2とGTの両方の経験を持つドライバーです。2022年にはハート・オブ・レーシングチームで、デイトナ、セブリング、ロード・アトランタで開催されたIMSAの耐久レースに参戦しました。ジェームズは次のように語っています。「彼は天性の才能を持つ素晴らしいドライバーです。スポーツカーレースの最高峰でスポットライトを浴びるチャンスを得るのは当然です。」

 

マルコ・ソーレンセンはアストンマーティンで最も活躍している現役レーシングドライバーです。WEC GTクラスで3回のチャンピオンを誇り、2022年にはル・マンでクラス優勝に輝きました。「彼はアストンマーティンでレースをしたドライバーの中でも、非常に経験豊富で数々の成功を収めたドライバーです。トップクラスのレースに参戦するチャンスが巡ってくるまでは長くかかりましたが。」とジェームズは述べています。「彼と一緒に仕事をして、彼の能力やプレッシャーにもクールに対応する様子を見てきました。彼はこのプログラムに適任です。」

 

「アレックス・リベラスはここ数年、IMSAのGTD Proで実力を発揮し、IMSAとWECで確実に勝利を積み重ねてきました。昨年は我々と共にWECの全レースで素晴らしい活躍を見せました。彼は間違いなくHeart of Racingの重要な一員であり、シートを得るにふさわしいドライバーです。」

 

IMSAのレースにはValkyrie1台が参戦します。Heart of Racingを象徴するブルーの特別仕様車で、3月12日から15日にかけて開催されるセブリング12時間レースに参戦するため、チームの米国の拠点であるアリゾナ州フェニックスを出発します。IMSA GTD Proクラスで複数回の優勝経験を持つガン(英国)と、2022年のIMSA GTDチャンピオンのデ・アンジェリス(カナダ)は、AMRドライバー・アカデミーの優秀な卒業生です。

 

「ロスとはこの4年間、一緒に過ごしました。ロスは、確実に世界屈指のGTドライバーへと成長しました。」とジェームズは続けます。「昨年、惜しくもタイトルを逃したものの、ロスはGTD Proのタイトルレースで実力を証明しました。彼はチームプレーヤーであり、生まれ持った才能があり、普通のドライバーにはないレースカーに対するセンスがあります。ロマンについては、2018年に初めて彼と組みましたが、どんどん強くなっています。彼はAMRドライバー・アカデミーとGTD選手権で優勝しており、これは他に類を見ない成果です。彼は完璧なドライバーになりました。また、ロスはフェニックスのシミュレータープログラムに欠かせない一員です。」

 

チャレンジを受け入れる

Valkyrieのデュアルレースプログラムが目指すものは、経験豊富なライバルたちと実際にレースをするという高い志を裏切らないことです。「もちろん、私たちは勝利を目指して行っています。」とカーターは言います。「しかし、私たちはレースのチャレンジ精神やライバルに敬意を払っています。レベルが高いからこそ、ライバルたちと競いたいのです。ライバルが強いからこそ、勝利に価値があるのです。私たちはすでに確固たる実績を築いたライバルたちの中に加わるのだと認識しています。」

 

「スポーツカーレースの最高峰に挑戦する絶好のタイミングです。ACO、IMSA、FIAが連携して、共同で人気の高い選手権を作り上げてきました。私たちはこのプロセスを全面的にサポートしています。彼らはフォーマットを確立し、シリーズのプロモーションを行い、スポーツカーレースの黄金時代を築くという素晴らしい仕事を成し遂げました。公平で競争力のある環境で、世界的な舞台で戦うチャンスです。」

 

WECシーズンは全8戦です。開幕戦のカタールに続き、欧州のレースはイモラとスパ・フランコルシャン、6月にはル・マン24時間レース、そしてブラジルのインテルラゴス、テキサス州オースティンのCOTA、日本の富士スピードウェイ、最終戦は11月8日のバーレーンです。

 

IMSAのスケジュールは全11戦、セブリング12時間レース、ロード・アトランタで開催されるプチ・ル・マン、その他ロングビーチ、ラグナ・セカ、ワトキンズ・グレン、インディアナポリス・モータースピードウェイなどで、米国の主要なレースが開催されます。

 

こちらのプレスリリースに関する素材は、下記よりダウンロード可能です。

https://we.tl/t-KBolXE6FMK

https://youtu.be/YI14mpiF6Lg

 

 

 

アストンマーティン・ラゴンダについて

アストンマーティンは、世界でもっとも熱望されるウルトラ・ラグジュアリー・ブリティッシュ・ブランドとなることを目指し、人々を魅了してやまないハイパフォーマンス・カーを作っています。

 

ライオネル・マーティンとロバート・バンフォードによって1913年に設立されたアストンマーティンは、スタイル、ラグジュアリー、パフォーマンス、エクスクルーシブネスを象徴するグローバル・ブランドとして知られています。アストンマーティンは、最先端のテクノロジー、卓越したクラフトマンシップ、美しいスタイルを融合させ、Vantage、DB12、Vanquish、DBX707に加え、同社初のハイパーカーであるValkyrieなど、高い評価を得ている一連のラグジュアリー・モデルを生み出しています。また、Racing. Green.サステナビリティ戦略に沿って、アストンマーティンは2025年から2030年にかけて、PHEVとBEVを含むブレンドドライブトレインアプローチによる内燃エンジンの代替システムの開発にも取り組んでおり、電気自動車のスポーツカーとSUVのラインナップを持つという明確なプランを描いています。

 

英国のゲイドンを拠点とするアストンマーティン・ラゴンダは、ラグジュアリー・カーを設計、製造、輸出し、世界で50以上もの国で販売しています。スポーツカー・ラインナップはゲイドンで製造されており、ラグジュアリーSUVのDBXは、ウェールズのセント・アサンで製造されています。同社は、2030年までに製造施設をネットゼロにする目標を掲げています。

 

ラゴンダは1899年に設立され、1947年にアストンマーティンとともに故デビッド・ブラウン卿に買収され、現在は「Aston Martin Lagonda Global Holdings plc」としてロンドン証券取引所に上場しています。

 

2020年には、ローレンス・ストロールが同社のエグゼクティブ・チェアマンに就任し、未来の重要な分野に対して新たな投資を行うと同時に、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1®チームとともにモータースポーツの頂点へと復帰し、英国を象徴するブランドとして新たな時代へと乗り出しています。 

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