VicOneとBlock Harborの共催イベント「Automotive CTF 2024」の優勝チームが第8回Auto-ISACサイバーセキュリティ・サミットで表彰

VicOne株式会社のプレスリリース

 トレンドマイクロ株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長 (CEO) エバ・チェン)の子会社で、自動車向けサイバーセキュリティ分野のリーディングカンパニーであるVicOne株式会社と、自動車サイバーセキュリティエンジニアリング技術で知られるBlock Harbor(ブロックハーバー)は、ベルギーのRobbe Derks氏とアメリカのGreg Hogan氏のペアが「Automotive CTF(オートモーティブ キャプチャー・ザ・フラッグ)2024」の栄えある優勝チームに輝いたことを発表しました。授賞式は10月23日、アメリカ デトロイトで開催された「Auto-ISAC Cybersecurity Summit(オートISACサイバーセキュリティ・サミット)」で行われました。

 「Automotive CTF 2024」は、サイバーセキュリティ専門家に対し、自動車分野に関する知識を学ぶ機会を提供しました。

ノートパソコンさえあれば誰でも参加可能な予選には、世界中から約1,200名が集まり、500を超えるチームが結成されました。参加者たちはアイデアを共有しながら、実際の攻撃シナリオに基づいた問題を通じて実践的な経験を積み、コネクテッドカーのセキュリティ強化に取り組む自動車サイバーセキュリティコミュニティとの交流を深めました。

 予選では、参加者が360時間の熱戦を繰り広げ、最終的に6チームがデトロイトでの決勝に進出しました。決勝では、クラスターなどの実際の自動車ハードウェアを使用したより高度な課題が用意され、課題の多くは、RAMN platform (resistant automotive miniature network)(https://github.com/ToyotaInfoTech/RAMN)を使用して開発されました。

 結果、Robbe Derks氏とGreg Hogan氏によるチーム「greaterthan」が20のチャレンジのうち15問を解き、8,000ポイントを獲得し見事優勝を収め、3万5千ドルの最高賞金を獲得しました。

■優勝者のコメント

「新しいシステムについて学ぶのはとても楽しいです。自動車は年々複雑化しており、セキュリティ面で少し遅れを取っているように感じます。だからこそ、このような取り組みが重要なのです。」(Derks氏)

「様々な課題に取り組むことが楽しかったです。出題された問題は、私が普段から趣味で取り組んでいる自動車関連の問題と非常に似ており、来年もこの大会に参加したいです」(Hogan氏)

■Automotive CTFを通じた業界を越えた人材育成

 VicOneとBlock Harborは、自動車業界の大きな課題の一つである「自動車サイバーセキュリティ業界における人材不足」に取り組むため、Automotive CTFを開催しました。サイバーセキュリティ専門家の非営利団体であるISc2が発表した2023年の「サイバーセキュリティ労働力調査」によると、サイバーセキュリティの専門知識を持つ労働力の需要は増加し続けており、世界のサイバーセキュリティ労働力は550万人と推定しています。これは2022年から9%の増加で、これまでで最も高い記録となっていますが、業界のニーズを満たすためには、まだほぼ倍の労働力が必要であると調査で示されています。

 Automotive CTF 2024のファイナリストチームはサイバーセキュリティ業界からのメンバーで構成されていましたが、自動車業界での経験がない参加者も多数いました。このイベントは、業界を超えた交流を促進し、自動車サイバーセキュリティ分野で増え続ける新たな機会への関心を高める架け橋となりました。

 予選には学生や趣味でセキュリティに取り組む層を含む幅広い参加者が集まり、組み込みシステムや自動車環境に特化した課題を通じて新たな視点と専門知識を深めました。Block Harborには、DiscordサーバーやSNSを通じて自動車サイバーセキュリティという新たなキャリアの可能性への気づきの声が届き、従来のITセキュリティ分野のベテランCTFプレイヤーからも、新鮮でユニークな体験だったと評価を得ました。

 Automotive CTFは、自動車サイバーセキュリティというダイナミックに進化する領域に注目を集め、セキュリティの専門家からこの分野に興味を持ち始めた人まで幅広い層の人々にこの分野への理解を深め、実践的なスキルを習得する機会を提供しています。

 また、Automotive CTF 2024は単なるイベントではなく、参加者の継続的な成長とスキル向上にも貢献します。毎年の大会終了後、出題課題はBlock Harborの「VSE Proving Grounds」(Vehicle Security Engineering Cloud, http://vsec.blockharbor.io/) に格納され、いつでもアクセスできるようになります。このプラットフォームは年間を通して無料で利用でき、参加者が自身の自動車サイバーセキュリティスキルを確認し、スキル向上を目指せる環境を提供しています。Block Harborは、カーネギーメロン大学の有名なCTFハッキングチーム「Plaid Parliament of Pwning(PPP)」が行っている過去問題を基にしたトレーニング環境を提供する取り組みを参考に、競技の枠を超えて学びの意欲と機会を創出し、次世代の自動車サイバーセキュリティ人材が学び、成長し、革新を起こすことに情熱を注いでいます。

■Block Harbor最高経営責任者(CEO) ブランドン・バリーのコメント

「Automotive CTF 2024にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。当社は、VSECプラットフォームを通じてより難易度が高く革新的な課題を提供できるよう尽力してきました。来年はより多くの方に、より高度な競技を楽しんでいただけるよう鋭意取り組んでいきます。Auto-ISACをはじめとする関係各所の皆様のご支援に心より感謝申し上げます。」

■Block Harborラボディレクター兼CTFのチェアマン ブライアン・ブランケのコメント

「Automotive CTF 2024を開催できたことを大変光栄に思います。このイベントは、自動車サイバーセキュリティ分野におけるトップ人材の認知度を高め、その功績を称える素晴らしい機会となりました。私にとって最も大きな喜びは、自動車業界とCTF参加者コミュニティの関係が大きく変わり始めたことです。私は、それぞれの分野で活躍する才能ある人々が力を合わせれば、より安全で安心な自動車社会を実現できると確信しています。」

■VicOne最高経営責任者(CEO) マックス・チェンのコメント

「Automotive CTF 2024の開催できたことを心より嬉しく思っています。昨今、自動車のセキュリティ強化が世界的に喫緊の課題となる中、本大会が自動車サイバーセキュリティ分野における人材育成と技術向上に貢献できることを確信しています。シミュレーション環境下での脆弱性特定だけでなく、ゼロデイ脆弱性の発見にもつながり得るプラットフォームとして機能できたことは、Auto-ISACの多大なるご支援の賜物と深く感謝を申し上げます。」

Automotive CTF 2024の詳細については、VicOneのブログ(https://vicone.com/jp/blog/crossing-the-finish-line-automotive-ctf-2024-champions-crowned-in-detroit)をご覧ください。

Block Harborについて

Block Harborは、2014年、サイバー攻撃「Jeep Hack」の発生により、自動車業界が車両へのサイバー攻撃のリスクに注目し始めたことを受けて設立されました。自動車メーカー、サプライヤー、監査員といった車両サイバーセキュリティに迅速に取り組むパートナーと共にスタートし、常に新たな課題を解決し、お客様と協力しながら新たなソリューションを築いてきました。Block Harborのプラットフォーム「Vehicle Security Engineering Cloud(VSEC)」は、車両セキュリティオペレーションズチームおよび車両サイバーセキュリティラボのチームと提供されるサービスと合わせて、モビリティエコシステムに特化したソリューションを業界にリードして提供しています。 詳しくはwww.blockharbor.io/をご覧ください。

Auto-ISACについて

Auto-ISAC(Automotive Information Sharing and Analysis Center)(https://automotiveisac.com/)は、車両に関する新たなサイバーセキュリティリスクに関する情報を共有・分析し、世界の自動車業界全体のサイバーセキュリティ能力の向上に取り組んでいます。第8回目の年次サミットでは、メーカー、サプライヤー、業界のリーダー、議員、実務者など、業界全体の関係者のインサイトが紹介されました。

VicOneについて

VicOneは、これからの自動車を守るというビジョンを持ち、自動車産業向けに幅広いサイバーセキュリティソフトウェアやサービスを提供しています。自動車メーカーの厳しい要求に応えるために開発されたVicOneの各ソリューションは、現代の車両が必要とする高度なサイバーセキュリティの各種要件に適合し、大規模な運用にも応えるように設計されています。VicOneは、トレンドマイクロの子会社であり、トレンドマイクロが30年以上にわたって培ってきたサイバーセキュリティ技術をベースにしています。自動車サイバーセキュリティのグローバルリーダーとして、サイバーセキュリティにおける独自の深い知見を活かした先見性を提供し、お客様が安全でスマートな車両を開発できるよう支援しています。

〈会社概要〉

日本法人名        VicOne株式会社(英語名:VicOne Corporation)

グローバル代表CEO    マックス・チェン

日本法人役員       会長 マヘンドラ・ネギ、 マックス・チェン等

設立日(台湾)      2022年6月 

設立日(日本)      2023年6月(登記月)

従業員数(グローバル)  約120名 

本社所在地        東京都新宿区新宿4-1-6 JR新宿ミライナタワー

事業内容         自動車向けサイバーセキュリティソリューションの開発

U R L           https://www.vicone.com/jp

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