日本の自動車業界を対象に「バスク州自動車産業ウェビナー」を開催。バスク州が持つ高い産業競争力と技術力をアピール

11月27日(水)、Basque Trade and Investment(バスク州政府貿易投資事務所)はバスク自動車クラスターと部品メーカー8社を登壇者に招き、州の産業動向と先進技術を紹介しました。

Basque Trade & Investmentのプレスリリース

業界関係者の方を対象に、ウェビナーのアーカイブ動画を配布しています。本ページ下部の「本件に関するお問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

バスク州政府貿易投資事務所日本オフィスでは、バスク州の自動車産業が持つ欧州屈指の競争力を日本の皆様により広く知っていただき、日本企業とバスク企業の協業を促進することを目的として、本ウェビナーを開催いたしました。

当日は、バスク自動車クラスター(ACICAE)による最新の産業動向の紹介に加え、次世代モビリティ向け先端技術を有するバスク企業8社が技術紹介を行いました。最新の産業動向では、バスク州の産業競争力を示すデータを中心に、官民連携による競争力向上の取り組みが紹介されました。また、バスク企業のピッチセッションでは、「次世代モビリティ向け流体」、「Eモーター・インバーター・バッテリーマネジメントシステム」、「車両の軽量化ソリューション」の3つのテーマごとに、各社が先進技術の発表を行いました。

開会挨拶では、後援団体である日本貿易振興機構(ジェトロ)の木場様より、不安定な世界情勢下における戦略製品分野での欧州との協力強化を背景に、日本の自動車関連企業によるバスク州への投資およびバスク企業との連携促進への期待を述べていただきました。また、閉会挨拶では、日西経済委員会の佐々木様より、バスク自動車産業の高い技術力への言及とともに、両地域間での協業や新たなビジネスチャンス創出への期待が語られました。

ピッチを行ったバスク企業8社

■ウェビナーの概要

□日時:2024年11月27日(水)16:30〜18:00 ※現地時間 8:30〜10:00

□方式:YouTubeライブ配信

□言語:日本語/英語(同時通訳あり)

□参加費:無料

□主催:Basque Trade and Investment (バスク州政府貿易投資事務所)

□共催:バスク自動車クラスター(ACICAE)

□後援:日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本商工会議所、東京商工会議所、日西経済委員会

■プログラム

□開会挨拶(木場亮様/日本貿易振興機構・海外地域戦略主幹(欧州))

□バスク州の概要(加藤萌映/バスク州政府貿易投資事務所・駐日代表)

□バスク州の自動車産業戦略(Raquel Piñan氏/バスク自動車クラスター(ACICAE)・国際事業部長)

□バスク部品メーカー8社のピッチセッション

テーマ1:次世代モビリティ向け流体(Cikautxo Group)

テーマ2:Eモーター、インバーター、バッテリーマネジメントシステム(Fagor Ederlan、
NX Technologies、PMG、RPK)

テーマ3:車両の軽量化ソリューション(CIE Automotive、Industrial Gol、Teknia Group)

□Q&A

□閉会挨拶(佐々木和人様/日西経済委員会・事務総長)

各パートのポイントまとめ

バスク州の自動車産業戦略/バスク自動車クラスター(ACICAE)・Piñan氏

最新データで見る産業の特長

・州内に304社の部品メーカーが存在

世界の年間総売上高250億€(州GDPの25.7%の額に相当)

・欧州第2位の自動車生産国であるスペインにおける使用部品の50%以上をバスク企業が製造

・バスク企業が製造する部品の90%が輸出製品

世界32カ国に730の製造拠点を展開

・世界で14万人雇用(州内で約3.8万人)

売上高の3.5%を研究開発に充当

□広範な技術分野

・バスク州の部品メーカーは、対応分野の広さと技術力で、世界中の主要OEM・サプライヤーから高い信頼を得ています。

車両構造部品:シャシー、サブフレームなどの軽量かつ耐久性に優れた部品

駆動・動力系部品:サスペンション、ブレーキ、電動パワートレイン、燃料供給システム

バッテリーシステム:EV時代を牽引する全固体電池や特注バッテリー

電装・電子機器:コネクテッドカーや自動運転車を支える制御装置、通信システム

内外装部品:快適性とデザイン性を両立した内装・外装ソリューション

□次世代モビリティへの対応

・バスク企業は先進システムの導入やDXとともに新製品の研究開発にも取り組んでおり、約70%の企業が電動車両に対応した製品を供給しています。

電装・電子アーキテクチャ:電子制御の統合(フルドメイン対応)、OTAソリューション、ディープラーニング

駆動系部品:ステアリング&ブレーキのワイヤー制御、軽量素材、アクティブサスペンション、エネルギー回収技術

スマート内装:新素材、カスタムデザイン、パーソナライズ機能

動力系部品:高効率電動モーター、最適な熱管理技術、代替素材

エネルギーシステム:全固体電池、軽量素材、予測モデル

■ピッチセッション

テーマ1:次世代モビリティ向け流体

□『次世代モビリティ向けホース、ダクト、および部品の適応設計』

Iñaki Palomo氏(Fluid Conduction products Engineering Manager)

Cikautxo Group社

https://www.cikautxo.es/

自動車産業向けに高分子製品(ゴム・プラスチック)を開発・製造。流体伝導、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)とシール機能に特化し、欧州・アジア・北米に国際拠点を展開。

※日本国内に窓口あり

テーマ2: Eモーター、インバーター、BMS(バッテリーマネジメントシステム)

□『電動パワートレイン部品向けアルミダイカスト』

Aser Echebarria氏(HPDC Sales Manager)

Fagor Ederlan社

https://www.fagorederlan.com/en/

鉄鋳造、アルミ高圧・低圧ダイカスト、機械加工、アセンブリ技術を有する。自動車向けのシャシー、パワートレイン、構造部品・システムを供給。欧州・アジア・北米に展開。

『高出力密度と高効率を備えた自動車対応インバーター』

Mikel Peral氏(CEO)

NX Technologies社
https://www.nxtechnologies.com/

高出力密度を持つインバーターや先進的なモジュール式バッテリーマネジメントシステムなど、電動化向けの先進的な電子製品を提供。

□『トラクション用電動モーター向けPMGソフト磁性複合材料』

Diego Castro氏(R&D Director)

PMG社

https://www.pmgsinter.com/

粉末金属部品を扱うサプライヤーとして、欧州・アジア・アメリカの拠点から自動車産業向けにサービスを提供。

□『HEV・EV構造:板金部品やバスバーの部分組立におけるカスタム設計』

Iker Ibisate氏(Head of E-mobility Engineering)

RPK社

https://rpk-global.com/

スプリングやプレス、曲げ加工の用途に対応。自動車産業を含む様々な業界に製品供給の実績がある。欧州・アジア・北米にグローバルに展開。

テーマ3:車両の軽量化ソリューション

□『アルミとスチールの鍛造部品:軽量化向けシャシー部品とバッテリー・ボディ用部品』

Salvador Perez氏(Program Manager CIE Galfor)

CIE Automotive社

https://www.cieautomotive.com

パワートレイン、シャシー&ステアリング、内装・外装トリムなど幅広い製品をラインナップ。Top 100 Automotive Suppliersにランクイン。欧州・アジア・北米・南米に拠点を展開。

『BEVバッテリーの真鍮・アルミニウム部品の冷間鍛造』

Tony Goffard氏(Commercial Manager)

Industrial Gol社

https://www.gol.es/en/

複雑な冷間鍛造部品およびファスナーのサプライヤー。欧州およびアジアに国際的な拠点を展開し、自動車産業向けにサービスを提供。

『熱管理システム向けの軽量材料部品』

井ノ口裕晃氏(Global category Leader Driving Confort & Exteriors)

Teknia Group社

https://www.tekniagroup.com/en/

欧州・北米・南米の拠点からプラスチック射出成形、ダイカスト、チューブの曲げ加工・成形、バー旋削加工、プレス加工など幅広い製品を供給。※日本国内に窓口あり

■Q&A

□Q:バスク州の自動車産業が、スペインの他の地域や欧州各国と比べて際立っているといえる特長はなんですか?

・A:ACICAE・Piñan氏:海外事業比率の高さが特長といえます。バスク企業は、90%以上の事業をアジアやアメリカなどの海外で行っています。そのため、バスク企業と連携すれば、スペインや欧州に加え、ブラジルやメキシコ、米国にも事業を展開できる可能性が開けます

□Q:ワイヤレス給電の課題、普及タイミングについての考えがあれば聞かせてください。

・ACICAE・Piñan氏:バスク州では官民連携で調査・開発と標準化を進めています。バス停や充電ステーションなどのニッチ分野でのインフラ投資が先行する見込みのため、短期での一般普及の実現はないと考えられます。

バスク州政府貿易投資事務所では、登壇企業への紹介が可能です。本ページ下部の「本件に関するお問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

■バスク州全体の概要

データ:人口約220万人|面積7,234 km2

代表的な産業:自動車、エネルギー、ICT、機械・工具、環境技術、バイオメディカル。

工業力:工業が州GDPの25%を占める(日本は約20%)。産業クラスター制度、企業支援事業・投資促進政策、技術革新エコシステムの構築など、充実した産業促進政策を有します。

革新性:強固な産業エコシステムを背景に、欧州でも屈指の革新性を有します。欧州委員会の「European Innovation Scoreboard」では「強力な革新地域」の評価を得ています。

自立性:中央政府から州内の税の徴収・管理権限が委譲されていることから、高度な自治権と税務行政能力を有し、長期的な産業技術革新政策を策定・執行しています。

バスク州政府貿易投資事務所・日本オフィス

所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17−1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
代表:加藤萌映
事業内容:貿易投資促進のコンサルティング、トレードミッションの企画・実施、顧客・事業パートナーの開拓支援、市場調査・レポーティング
https://basquetrade.spri.eus/en/

本件に関するお問い合わせ

バスク州政府貿易投資事務所・浦山|yurayama@basquetrade.eus|080-8904-7003

※できるだけメールでお問い合わせください。

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