パワー半導体材料となるSiCなど硬脆材料ウエハーを高精度加工
株式会社 ジェイテクトのプレスリリース
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:近藤禎人、以下「ジェイテクト」)のグループ会社である株式会社ジェイテクトマシンシステム(本社:大阪府八尾市、取締役社長:宮藤賢士、以下「ジェイテクトマシンシステム」)は、パワー半導体材料となるSiCなど硬脆材料ウエハーを2頭で同時加工する研削盤「DDT832」を新たに開発いたしました。
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Visionを掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォームを活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターの開設を進めています。
このたびジェイテクトマシンシステムが新たに開発した「DDT832」は、開発コンセプトを「POWERFUL & COMPACT」とし、2頭同時加工による時間短縮のみならず、主軸サイズアップによる高出力化や独自設計のコラム形状でスリム化を実現。半導体製造のお客様に、生産性向上や8インチ硬脆材料ウエハーの高精度加工、機械設置面積削減といったソリューションをご提供します。
【DDT832の主な特長】
ウエハー研削には粗加工と仕上げ加工の2工程があり、それぞれの加工を行うためには、1頭加工機においては2台設置もしくは工程ごとのといし交換を必要としていました。本開発品は2頭のため、1台で両工程の同時加工を可能とし、1頭加工機と比べて加工時間が最大で半減するなど大幅な時間短縮による生産性向上を実現します。
また、主軸には業界最大クラスの高出力モーターを内蔵し、により低速回転から高速回転までといし切り込みの高トルク性能を維持できるようにしました。し、主軸のサイズアップと合わせて主軸剛性を従来から飛躍的に向上。難削であるSiCなど硬脆材料ウエハーに対しても、高精度かつ安定的な加工を可能とします。
さらには、ジェイテクトマシンシステム独自の設計によるコラム形状で、2頭のコラム幅を短縮。その他の内部構造の設計工夫もあり、従来の1頭加工機と比べて横幅・奥行き・高さのすべてでサイズダウンを達成し、最小クラスの2頭加工機として設置面積の削減に貢献します。
【今後の展望】
半導体市場拡大とともに、SiCなどの硬脆材料ウエハーの加工ニーズは今後もますます高まると予想されます。これからもジェイテクトマシンシステムは、国内のみならず半導体を製造する世界中のお客様へのソリューションとして、DDT832をはじめ、高生産性や高精度加工を実現し、コンパクトで省エネにも貢献する研削盤をご提案してまいります。