ジャガーTCSレーシングのミッチ・エバンスが最速タイムを記録し終了
FORMULA E OPERATIONS LIMITEDのプレスリリース
● マドリードのハラマ・サーキットで開催されたシーズン11プレシーズンテストでは、ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が1分27秒4で、テスト全体の最速タイムを最終セッションで記録。ポルシェエンジン搭載のKiro Race Coや昨年チャンピオンのパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー ポルシェ)も好調
●FIA世界選手権史上初の女性ドライバー限定テストセッションを開催。アビ・プリング(日産)が最速タイムを記録
●最新マシン「GEN3 Evo」が待望のデビュー。パフォーマンス、持続可能性、効率性が大幅に向上し、フォーミュラE世界選手権の新時代が幕開け
●Gen3 Evoは0-60 mph加速1.82秒の高性能を誇り、FIA公認のシングルシーターカーとして最速。現行のF1マシンよりも30%速く、フォーミュラEの革新と技術開発への継続的な取り組みが結実
ABB FIAフォーミュラE世界選手権の公式プレシーズンテストが2024年11月5日(火)から8日(金)にかけてマドリードのハラマ・サーキットで開催され、全11チーム22人のドライバーが走行しました。12月7日(土)にサンパウロで迎える開幕戦前に全チームが集結する唯一の機会となりました。
最新のレーシングカー「GEN3 Evo」は、現行のF1マシンよりも30%速く、0-60mph加速に優れ、四輪駆動機能を搭載。さらに、優れたグリップ性能を誇るハンコックの電気自動車専用タイヤ「iON」の他、ドライバーとエンジニアが対応可能な600kWの急速充電機能を備えています。
4日間にわたって6回行われた3時間のテストセッションで、累計4,731ラップ、18,512kmの走行を達成。中でも、ニュージーランド出身のミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が、11月8日午前中の最終セッションで1分27秒461を記録し、プレシーズンテスト全体の最速タイムとなりました。タイムシートでは1秒以上の差がつく展開となりました。
前シーズンチャンピオンのパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー ポルシェ)は、最新のポルシェ99X エレクトリックで3番手となりました、シーズン10仕様のパワートレインを搭載した、ポルシェエンジン搭載のKiro Race Coのダニエル・ティクトゥムとデビッド・ベックマンのペアがそれぞれ2位と5位に位置しました。
今シーズンからフォーミュラEに参戦し、グリッド上で唯一フルデビューを果たしたバルバドス出身のゼイン・マロニー(ローラ・ヤマハABT)は上位グループに位置し、好調な滑り出しを見せました。
6回のテストセッションでは、首位が毎回異なる結果となりました。
●セッション1:パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー ポルシェ)
●セッション2:ジェイク・ヒューズ(マセラティMSGレーシング)
●セッション3:マキシミリアン・ギュンター(DS PENSKE)
●セッション4:デビッド・ベックマン(Kiro Race Co)
●セッション5:ニック・デ・フリース(マヒンドラ・レーシング)
●セッション6:ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)
FIA選手権史上初の女性ドライバー限定テストセッションが開催
最終日には、FIA選手権史上で初めて、女性ドライバーのみのテストセッションが開催されました。これはジェンダーによる障壁を取り除き、活躍の機会を提供するというフォーミュラEの長期戦略の一環として新たに設けられ、選抜された女性ドライバー18人が新型Gen3 Evoレーシングカーで参戦しました。
本セッションでは、現在F1アカデミーで首位に立つ英国人ドライバー アビ・プリング(日産)が、最速タイムを記録し、女性のためのレーシングシリーズ「Wシリーズ」で3度チャンピオンに輝いたジェイミー・チャドウィック(ジャガーTCSレーシング)や、フォーミュラE初の女性ポイント獲得ドライバーであるシモーナ・デ・シルベストロ(Kiro Race Co)らを上回りました。プリングに続いて、2位にジェイミー・チャドウィック、3位にマクラーレン開発ドライバーでF1アカデミーのレーサーであるビアンカ・ブスタマンテ(NEOMマクラーレン)がつけました。
シーズン11は、2024年12月7日(土)にサンパウロで開幕します。ABB FIAフォーミュラE世界選手権のFacebook、Instagram、X、TikTok、YouTubeをフォローください。
女性ドライバーのラインナップ:
● ジャガーTCSレーシング:ジェイミー・チャドウィック、リル・ワドゥー
● タグ・ホイヤー ポルシェ:ガブリエラ・ジルコヴァ、マルタ・ガルシア
● DS PENSKE:ジェス・エドガー、ベイツケ・フィッサー
● 日産:アビ・プリング
● アンドレッティ:クロエ・チェンバース、ネレア・マルティ
● エンビジョン・レーシング:アリーシャ・パルモウスキー、アリス・パウエル
● NEOMマクラーレン:ビアンカ・ブスタマンテ、エラ・ロイド
● マセラティMSGレーシング:タチアナ・カルデロン、キャリー・シュライナー
● ローラ・ヤマハABT:小山美姫
● マヒンドラ・レーシング:レナ・ビューラー
● Kiro Race Co:シモーナ・デ・シルベストロ
フォーミュラEとABB FIAフォーミュラE世界選手権について
ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、世界初の電気自動車によるFIA世界選手権で、カーボンニュートラルが認証された唯一のスポーツです。世界有数の都市の中心部でドラマチックなレースを展開し、世界をリードする自動車メーカーに電気自動車のイノベーションを加速させるためのモータースポーツプラットフォームを提供しています。フォーミュラEのチーム、メーカー、パートナー、放送局、開催都市は、このスポーツに対する情熱と、持続可能な人類の進歩を加速させ、人々と地球により良い未来をもたらす可能性を信じるという信念によって結ばれています。
公式ウェブサイト:https://www.fiaformulae.com/ja/calendar/2023-24/r5-tokyo
ABBについて
ABBは、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて、電気化とオートメーションの領域で世界をリードするエンジニアリング企業です。エンジニアリングのノウハウとソフトウェアを結び付け、モノの製造・輸送・動力・オペレーションを最適化します。140年以上にわたる卓越した歴史を基に、ABBの105,000人以上の従業員が、産業変革を加速するイノベーションの推進に尽力しています。
公式ウェブサイト:https://new.abb.com/jp
<参考情報>
最新マシン「GEN3 Evo」の主な特長:
● 加速性能が最高レベルのFIA公認シングルシーターレースカー:0-60mph加速が1.82秒(0-100kph加速が1.86秒)となり、現行のF1カーよりも30%速い加速性能を誇る
● より速く、より強く、より俊敏に:GEN3より推定2%の性能向上を実現してパフォーマンスアップグレード。モナコサーキットの予選ラップを約2秒短縮し、あらゆるコースでワールドクラスのレースを提供
● 無駄を省き、より強力に:より強靭で、より頑丈、より空力性能に優れた新型ボディキット。より接近するホイール・トゥ・ホイール(wheel to wheel)のレースを実現
● 四輪駆動機能が利用可能:フォーミュラEのレーシングカーとしては初めて、予選、レーススタート、アタックモード時に四輪駆動機能が利用可能に。加速と制御を最大限に高め、レースの重要な局面でのスリリングな展開を生み、ドライバー間の競争意識を激化。パフォーマンスと戦略の両方を駆使し、ドライバーとファンにさらにエキサイティングなレースを提供
● より優れたグリップ:35%のリサイクル素材と持続可能な素材を使用(GEN3と比較して9%アップ)。5~10%グリップ力を向上させた、ハンコックの全天候型タイヤ「iON」搭載
ドライバーおよび主催者コメント:
● 前シーズンのフォーミュラEチャンピオンで、TAG Heuer Porscheのドライバーであるパスカル・ウェーレイン(No. 1)のコメント
「全体として、非常にポジティブなテストでした。タイヤ、ボディワーク、バランス、そして四輪駆動など、調整すべき変更点がたくさんあり、多くの収穫がありました。特にシーズンの最初は、これらの変更が大きな違いを生み出します。レースシミュレーションを徹底的に行い、戦略やレース展開についてのアイデアを得ることができて良かったです。タイヤの劣化が激しいので、長い走行は少し難しいですが、1周の走行ではとても楽しく走れました。レーシングカーとセットアップにはとても満足しています。サンパウロでの開幕戦が待ち遠しいです」
● ローラ・ヤマハABTのゼイン・マロニー(No. 22)のコメント
「チームにとって素晴らしいテストになりました。4日間で多くの改良を行い、前進することができたと思います。新たな仕様なので、実力の程を測ることはまだ難しいですが、サンパウロを皮切りに、レースを重ねることが楽しみです。目標は、シーズンを通してラウンドごとに改善していくことです。順調に準備を整えられているので、あとはチームとして努力を続けるだけです。私の場合は、ルーカス・ディ・グラッシから学ぶと同時に、自分も意見を出すことが重要だと思います。今シーズンが本当に楽しみです」
● ジャガーTCSレーシングのミッチ・エバンス(No. 9)のコメント
「全体として、重要なプレシーズンテストの期間となりました。ジャガーI-TYPE 7はまだ初期段階であり、パフォーマンスの観点で学ぶべきことはたくさんありますが、多くの情報を収集することができました。そしてこの1週間で、正しい方向に進んでいると思います。 重要なのは、良い進歩を遂げたことであり、ブラジルの開幕戦に向けて、この進化を続けていきたいです」
● フォーミュラEの共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーであるアルベルト・ロンゴのコメント
「ハラマ・サーキットでのプレシーズンテストでは、コース上でのGEN3 Evoのポテンシャルを確認でき、非常にワクワクしました。ラップタイムがすべてではありませんが、12月のサンパウロでの開幕戦で、フォーミュラEファンに楽しんでいただけるスリリングな展開の一端を垣間見ることができました。GEN3 Evoは、フォーミュラEだけでなく、モータースポーツ界全体にとって大きな技術革新を意味します。さまざまな理由で挑戦的な1週間となりましたが、関係者全員で協力し、マドリードでのテストを無事に終えられたことを非常に誇りに思います。もちろん、今なお大変な状況にあるバレンシアの一日も早い再建を祈っています。そして、この被災地への支援策を探し続けます」
女性ドライバーおよび主催者コメント
● 日産のアビ・プリングのコメント
「本当にワクワクするセッションでした。シミュレーターで学んだことを実際のレースで活かし、日産のフォーミュラEレーシングカーを運転するスリルを体験できて素晴らしい気分です。ラップタイムも好調で、とてもうれしいです。タイヤのピーク時には、もっとタイムを縮めることができたと思いますが、全体としては満足のいくパフォーマンスでした。チームの皆さんはとても素晴らしく、すべてを丁寧に説明してくれて、どのような質問にも答えてくれました。新シーズンに向けて日産チームに貢献できたことをうれしく思います。また将来、このレーシングカーに乗れる機会を楽しみにしています」
● ジャガーTCSレーシングのジェイミー・チャドウィックのコメント
「とても楽しい一日でした。どのドライバーにとってもあっという間に感じられた走行だったと思いますし、最後にレッドフラッグが出て少し混乱しましたが、本当にクールで心から楽しむことができました。また参加したいですし、とても良い経験になりました。最も印象的だったのは、スタート時です。何度かやってみましたが、0-100km/hの瞬時の加速は信じられない体験で、私のハイライトでした」
● NEOM マクラーレンのビアンカ・ブスタマンテのコメント
「今日初めて、フォーミュラEのGEN3 Evo を運転しました。チーム全員で協力して作業することは、とても楽しかったです。この数か月間、この瞬間を目指して準備に取り組んできました。そして、ついにこのレーシングカーを運転できてうれしく思います。350kWで数周回りましたが、これまでに私が経験したことのないほどのパワーで、自分のスキルを向上させる素晴らしい経験になりました。マクラーレン・ドライバー・ディベロップメント・プログラムとNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームを通じて今回のような経験ができたことで、成長を遂げ、よりバランスのとれたドライバーになれると感じています。これは私が常に目指してきたことです。テストを3位で終えられたことは非常にポジティブなことであり、チームとこのような経験をできたことにとても感謝しています」
● フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズのコメント
「今日、世界トップクラスの女性ドライバー18名が、フォーミュラEの新型GEN3 Evoレーシングカーでコースに出たことは誇らしい瞬間でした。わずか3時間で、GEN3 Evoを乗りこなし、急速な進歩も見られました。各ドライバーがまったく新しい車の複雑性に慣れるにつれ、ラップタイムが急速に短縮されていきました。今後、さらに多くの走行機会が得られ、現行のドライバーたちと同じマシンでテストを行なえば、自信につながります。マシンと自身の限界に挑むことで、真の潜在能力をより正確に把握できるベンチマークが設定されるでしょう。 また女性ドライバーたちの走行により、数週間後に控えるサンパウロでの開幕レースの準備を進めるチームに、重要なデータや改善点を提供しました。今日のテストは、女性ドライバーにさらなる機会を提供するという我々の目標にとって重要なマイルストーンであり、モータースポーツのトップレベルにおける公平性の向上に向けた第一歩です。テストに参加したドライバー、サポートメンバー、そしてオーディエンスにとっては、モータースポーツにおける真の平等と公平性を目指す長い道のりの始まりに過ぎません。今後の展開にご注目ください。まだまだ多くのことが起こります」