~環境配慮と造形性を両立する樹脂フィラメント・ペレットの提供~
旭化成株式会社のプレスリリース
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、Aquafil S.p.A.(本社:イタリア トレント、CEO:Giulio Bonazzi、以下「Aquafil」)が提供するケミカルリサイクルポリアミド6(以下、ケミカルリサイクルPA6)の「ECONYL®」を使用するための覚書(MOU)を締結したことをお知らせします。
本締結に伴う取り組みとして、当社のセルロースナノファイバー※1(以下CNF)を用いた3Dプリンター用樹脂材料(フィラメント※2およびペレットを想定)にAquafilの「ECONYL®」を適用した製品を開発予定であり、環境に配慮した素材を自動車、航空宇宙をはじめとする幅広い分野に提供していきます。
Aquafilが製造する「ECONYL®」は、使用済みの漁網やカーペットを原料とした廃ポリアミドを、モノマーに解重合※3し、再度重合されたケミカルリサイクルPA6です。また、当社が独自開発した耐熱性の高いCNFと「ECONYL®」をベースポリマーにコンパウンドした3Dプリンター向け樹脂材料は、AquafilおよびAquafilへ資本参画を行っている伊藤忠商事株式会社との協業により実現したものであり、優れた造形性と強度を有し、今後精密な造形精度と強度が求められる分野への適応が期待されます。それらの素材を組み合わせることで、環境への配慮を行いつつ、造形性や強度を両立する材料を目指します。
本開発品は以下の3つの展示会に出展いたします。
・2024年10月15~19日 Fakuma(ドイツ・Messe Friedrichshafen)
https://www.fakuma-messe.de/en/
・2024年10月29~31日 サステナブルマテリアル展(日本・幕張メッセ)
https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/exhibit/susma.html
・2024年11月19~22日 Formnext(ドイツ・フランクフルト国際見本市会場)
当社が開発を進めている天然資源由来原料のCNFとケミカルリサイクルPA6「ECONYL®」を組み合わせたモノづくりを通して、昨今の市場ニーズに合致したサステナブルな価値を、2025年から欧州、米国、および日本より先行して提供していくことを予定しております。
※1 セルロースナノファイバー(CNF):木材などの植物から得られる極細の天然繊維で、再生可能な植物由来の素材。高い強度を持ち、軽量かつ耐久性があることが特徴。旭化成は原料として長年の知見を有するコットンリンターを使用している。
※2 フィラメント:リールに巻き付けられた糸状の材料。
※3 解重合:ポリマーを構成する長い分子鎖を再び小さなモノマーに分解するプロセス。