全国初!今治市が官民連携でのアクセルトレーニングをスタート

〜脱炭素社会と交通安全の両立を目指して〜

今治市役所のプレスリリース

 今治市で、全国に先駆けた官民連携による脱炭素社会実現に向けた画期的な取組「アクセルトレーニング」がスタートしました。ゼロカーボンシティ宣言を掲げた今治市は、株式会社A.R.M.S.、四国ガス株式会社、東京海上日動火災保険株式会社とタッグを組み、全国初となる「アクセルトレーニング」を導入し、脱炭素と交通安全の両立を目指すとともに、地域全体に脱炭素社会実現に向けた新しい風を生み出します。

アクセルトレーニングとは!?

■誰でもできる20㎞/hまで5秒間。アクセルの踏み方で脱炭素!

 アクセルトレーニングとは、「自動車の発進時に時速20㎞に到達するまで5秒かける」というアクセル操作を習慣化することで、安全運転と脱炭素の2つの効果を発揮しようとする取組です。

 自動車を運転する際、急発進や急加速は燃料を余分に消費させ、CO2排出量の増加につながります。しかし、アクセルトレーニングによって、緩やかで安定した運転を習慣にすることで、燃料消費を抑えることができ、その結果、排出されるCO2が減少し、脱炭素社会の実現に寄与することができます。

 また、自動車の加速を滑らかにすることによって、前方車両との車間距離が適切に保たれ、追突事故や急ブレーキによる衝突事故のリスクが減少し、交通安全にも効果を発揮します。

 このトレーニングの最大の特長は、誰でも簡単に実践できる点にあり、年齢や運転経験に関係なく、誰でも気軽に取組を始めることができます。そのため、幅広い層のドライバーに受け入れられやすく、広く普及させることが可能です。また、企業においては社用車の燃費改善や従業員の安全意識向上につながるため、経費削減だけでなく大事な従業員の命を守る効果も期待できます。

 さらに、株式会社A.R.M.S.が開発したアプリ「アクセルトレーナー」を活用すれば、アクセルトレーニングの点数化が可能に。トレーニング効果を数値化することで、ドライバーの運転技術向上度の見える化やモチベーション維持にも役立ちます。

自治体での実践導入は全国初!官民共同での取組も全国初!!

■始まりは、今治市職員の自主研究グループによる実証実験

 今治市では、令和5年11月にゼロカーボンシティ宣言を行い、2050年までのCO2排出量実質ゼロを目標に、市民や市内の民間事業者と連携して取組を進めています。

 ゼロカーボンシティの実現に向けた実践の先駆けとして、アクセルトレーニングを最初に取り入れようと考えたのは、市職員の自主研究グループでした。2024年1月から3月にかけての実証実験には、職員有志8人が参加し、株式会社A.R.M.S.と東京海上日動火災保険株式会社の協力のもと行われました。その結果、8人中5人に燃料消費とCO2排出量ともに最大6%の削減効果が確認されると同時に、参加者全員の安全運転に対する意識が向上し、行動変容につながるという成果も得られました。

 この実証実験の結果を受け、全職員にアクセルトレーニングが浸透した場合の効果を試算したところ、燃料消費削減効果として約200万円/年、CO2排出削減量として約27t/年が見込まれることがわかり、市が所有する公用車19台にアクセルトレーナーの導入を決定しました。自治体におけるアクセルトレーニングの実践導入は今治市が全国初となります。

○今治市ゼロカーボンシティ宣言(今治市HP)

 https://www.city.imabari.ehime.jp/kankyou/zerocarbon/

(アクセルトレーニングによる意識変容・行動変容の実証報告書より抜粋)

○自主研究グループ代表 今治市役所環境政策課係長 住吉 淳

 自主研究グループで取り組んだ内容が、確かな効果(エビデンス)をもって事業化でき、さらには四国ガス株式会社と官民連携で取り組めるようになったことに「アクセルトレーニングは皆さんがハードル低くやれる脱炭素の取組である」という手応えを感じました。

 脱炭素社会は、官民が連携しないと実現しないと思います。今回の取組結果をもとに、さらに市内の企業等を巻き込む形で、「交通事故抑制」「地域社会の脱炭素化」を実現したいと考えています。

■官民連携で目指す、地域全体の脱炭素化と交通安全

 さらに、令和6年1月に今治市と包括連携協定を締結し、SDGsの実現に向けた取組で連携してきた四国ガス株式会社が、アクセルトレーニングに関心を寄せていただき、官民共同でアクセルトレーニングに取り組むことに合意。6台の社用車にアクセルトレーナーを搭載することになりました。さらに、株式会社A.R.M.S.と東京海上日動火災保険株式会社がサポートし、トレーニングの効果を定期的に見える化しながら、地域全体での脱炭素化と交通安全の促進を目指します。

(左から㈱A.R.M.S.康本氏、四国ガス㈱片山氏、徳永市長、東京海上日動火災保険㈱今津氏)

■タッグを組む4団体代表のコメント

○今治市長 徳永 繁樹

 今治市は、ゼロカーボンシティを宣言し、市民の皆さんとともに脱炭素社会の実現に向けて、チャレンジしています。アクセルトレーニングのような小さな取組を積み重ねながら、今治だけでなく、県内、四国内、さらには日本中に横展開ができれば良いと考えています。

 私自身も公用車に乗ってアクセルトレーニングを体感しました。事故防止にも繋がり、環境意識も高まる、悪いことが一つもない取組です。こうした取組が、今治市から全国に向けて広がっていくことを期待しています。

○四国ガス株式会社 取締役執行役員管理本部長 片山 祥太郎 氏

 今治市と包括連携協定を締結し、ゼロカーボンシティ実現に向けた取組を推進してきましたが、今回、アクセルトレーニングに取り組むことは、官民連携による“地域で取り組む脱炭素”という観点でも非常に興味深く感じています。実証実験の期間中、定期的に今治市と燃費改善や意識変容などの状況について情報共有を図りながら、実証結果を何らかの形で見える化できればと考えています。

 脱炭素社会を実現するためには、小さな取組が地域全体の取組につながることが重要です。官民で取り組む本事業がソーシャルインパクトのきっかけになれば幸いです。

○株式会社A.R.M.S. 代表取締役 康本 和正 氏

 アクセルトレーニングを全国の自治体で初めて導入したのが今治市、そして官民共同で取り組む事例も、今治市が全国初となります。これほどスピーディーに展開される自治体は見たことがありません。

 アクセルトレーニングは、企業版ふるさと納税の受け皿としても有効です。大企業は地方の脱炭素化にも貢献したいと強く考えており、企業版ふるさと納税を活用して、アクセルトレーニングの予算を調達できれば、寄附企業と自治体の双方が脱炭素化に貢献でき、WIN-WINの関係を構築できます。

 また、アクセルトレーニングの効果が浸透すると、従業員自身の意識変容・行動変容が起こり、通勤やプライベートの運転でも効果を発揮します。アクセルトレーニングに取り組む事業所が増えれば増えるほど、地域の脱炭素化が進み、交通事故の減少にもつながります。

○東京海上日動火災保険株式会社 愛媛支店長 今津 啓司 氏

 令和2年2月に今治市と包括連携協定を締結して以来、地域課題の解決に向けて、SDGsの推進や女性の健康管理セミナーなど、たくさんの取組で連携してきました。

 脱炭素の分野では、今治市が採択された環境省の「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」において、地域の脱炭素経営支援体制の座組と支援プログラムづくりに参画しています。

 今回、弊社が紹介したアクセルトレーニングを事業化いただいたことで、脱炭素化という社会課題解決にもつながり、保険事業以外の分野でも今治市のお手伝いができていることをうれしく感じています。

○8月28日に行われた記者会見の模様はこちらから(今治市HP)

 https://www.city.imabari.ehime.jp/bosai/mayor/?a=1226

関連サイト情報

○今治市公式ホームページ

 https://www.city.imabari.ehime.jp/

○環境省ホームページ(デコ活「脱炭素実現最初の一歩アクセルトレーニング」)

 https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/activity/158.html

○株式会社A.R.M.S.(アクセルトレーニング)

 https://www.acceltrainer.jp/

○令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業 採択記者会見(今治市HP)

 https://www.city.imabari.ehime.jp/bosai/mayor/?a=1213

○今治市戦略的情報発信プロジェクト

 https://prtimes.jp/story/detail/xJQ2GZFz4EB

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