自然エネルギー財団のプレスリリース
※関連シンポジウム情報あり(9/27ハイブリッド)
公益財団法人 自然エネルギー財団は、日本の脱炭素化の推進に向けて、太陽光発電の導入加速に関する調査研究・提言活動を実施しています。このたび最新の技術と施策に関する動向を2本のレポートにまとめて発行しました。
日本国内には土地だけではなく、太陽光発電を導入できるポテンシャルが豊富に残っています。そのポテンシャルを生かすため、建物の屋根や壁面を利用した導入拡大の動きが活発になってきました。フィルム状のペロブスカイト太陽電池をはじめ、太陽光パネルの軽量化が進んでいます。これまで太陽光パネルの設置がむずかしかった耐荷重の小さい屋根や、窓・壁面でも太陽光発電が可能になりました。一方では東京都や川崎市など先進的な自治体のあいだで、建物の屋根に太陽光発電の導入を義務化する動きが始まっています。技術と施策の両輪が動き出し、日本全体で太陽光発電の導入を加速できる状況になってきました。2本のレポートを通じて、今後の導入拡大の可能性を示すとともに、よりいっそう進展させるための課題と解決策をまとめました。
■レポート1「ペロブスカイト太陽電池に高まる期待:軽量化が進展、窓・壁面一体型も」
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240904_perovskite.php
■レポート2「屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ」
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240904_rooftop.php
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■レポート1「ペロブスカイト太陽電池に高まる期待:軽量化が進展、窓・壁面一体型も」
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日本では太陽光発電を導入する適地が減りつつある、との議論もありますが、建物の屋根や壁面には大きなポテンシャルが残されています。最近はフィルム状のペロブスカイト太陽電池の開発が進み、さまざまな場所へ太陽光発電を設置することが可能になってきました。フィルム状に製造したペロブスカイトは軽くて薄く、折り曲げることもできるため、従来のシリコン系の太陽光パネルでは導入が難しかった耐荷重の低い屋根や建物の壁面にも設置できます。
フィルム状のペロブスカイトだけではなく、シリコンパネルでありながら軽量かつフレキシブルなモデル、窓や壁面など建材と一体になっているモデルの製品化も相次いでいます。ペロブスカイト太陽電池を窓と一体化させるモデルも開発が進んでいます。
本レポートでは、ペロブスカイトを含む新しい技術による太陽光パネルの軽量化と用途の拡大に焦点を当てて、技術開発の動向、性能やコストの比較、新たな用途や先進事例をまとめました。太陽光発電の新技術はコストと耐久性の点で共通の課題を抱えています。新技術のさらなる普及に向けて課題を整理し、解決策とロードマップを提示しました。
<目次>
はじめに
第1章 ペロブスカイト太陽電池の技術的特徴
1. ペロブスカイトが期待されている背景
2. 屋根・壁面への導入ポテンシャル
第2章 ペロブスカイトとシリコンパネルの比較
1. 性能の比較
2. 将来的な発電コストの比較
第3章 軽量化・多用途化する太陽光発電
1. 軽量で折り曲げ可能なシリコンパネル
2. 壁や窓と一体になった太陽電池
3. ガラス基板型のペロブスカイト
第4章 新たな技術の導入
1. 国内の導入事例
2. 導入が期待される場所
第5章 新技術に共通する課題と対策
1. 共通する課題
2. 建築物への設置義務化と経済的支援
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■レポート2「屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ」
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日本では太陽光発電の導入が進み、新たに導入する場所が不足している、という指摘があります。しかし実際には、現在までの導入量をはるかに上回るポテンシャルが存在します。特にポテンシャルが大きいのは、建物の屋根です。自然エネルギー財団の予測では、2035年までに現状の5倍の導入が可能です。
屋根置き太陽光発電の導入によって、さまざまなメリットを享受できます。資源価格が不安定な化石燃料と比較して発電コストが安定しており、将来は一層のコスト低減が見込まれています。建物の屋根を利用するため、新たに用地を開発する必要もありません。災害時には非常用電源として活用できて、レジリエンスの向上につながります。
ただし数多くの課題が残っていて、ポテンシャルを十分に活かせていません。本レポートでは、屋根置き太陽光発電の導入量の予測や国の目標をもとに、現在までの状況と比較しながら、解決すべき課題を洗い出しました。すでに先行して屋根置き太陽光発電の普及に取り組んでいる自治体や事業者の実施例を参考に、国や自治体、建設事業者や金融機関などがとるべき6つの施策を具体的に提案します。
<目次>
第1章 屋根置き太陽光発電の導入量とポテンシャル
1.2035年までに159GW導入可能
2.山積する課題、導入メリットの訴求が不十分
第2章 屋根置き太陽光発電の導入を加速する6つの施策
1.新築住宅への導入を0円モデルで支援
2.国が新築住宅の設置義務化を主導
3.太陽光発電に対する不動産評価制度
4.建物の種類や状態に応じた経済的支援
5.自然エネルギーの専門家を組織・育成
6.「3R」で大量廃棄を乗り切る
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関連シンポジウム(参加受付中)
太陽光発電の導入拡大へ、実行策と解決すべき課題
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日本の脱炭素に不可欠な太陽光発電の導入拡大をテーマに、各分野の専門家が具体的な実行策や課題などについて、講演とパネルディスカッションで提示します(各講演タイトル:新築住宅の設置義務化/ソーラーシェアリング/コーポレートPPA/ペロブスカイト太陽電池/脱炭素先行地域:鳥取県境港市)。地域社会と共生を図りながら、太陽光発電を地域や産業の競争力強化に生かす道筋を探ります。ぜひご参加ください(無料・要事前申込)。
[日時]2024年9月27日(金)13:30 -16:00
[主催]公益財団法人 自然エネルギー財団
[開催形式] 会場来場(イイノカンファレンスセンター)および、オンライン(Zoomウェビナー)
→プログラム・参加登録はこちら https://www.renewable-ei.org/activities/events/20240927.php
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関連提言
太陽光発電の導入加速に向けた提言(2024年7月25日公表)
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太陽光発電の普及に取り組む有識者の意見を参考に、国、自治体、産業界という実施主体に分けて、導入加速に向けた対策をまとめました。実施すべき対策の緊急度と重要度をもとに、短期(2025年)、中期(2030年)、長期(2040年、国のみ)に分けて整理したものです。
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240725.php
公益財団法人 自然エネルギー財団は、日本の脱炭素化の推進に向けて、太陽光発電の導入加速に関する調査研究・提言活動を実施しています。このたび最新の技術と施策に関する動向を2本のレポートにまとめて発行しました。
日本国内には土地だけではなく、太陽光発電を導入できるポテンシャルが豊富に残っています。そのポテンシャルを生かすため、建物の屋根や壁面を利用した導入拡大の動きが活発になってきました。フィルム状のペロブスカイト太陽電池をはじめ、太陽光パネルの軽量化が進んでいます。これまで太陽光パネルの設置がむずかしかった耐荷重の小さい屋根や、窓・壁面でも太陽光発電が可能になりました。一方では東京都や川崎市など先進的な自治体のあいだで、建物の屋根に太陽光発電の導入を義務化する動きが始まっています。技術と施策の両輪が動き出し、日本全体で太陽光発電の導入を加速できる状況になってきました。2本のレポートを通じて、今後の導入拡大の可能性を示すとともに、よりいっそう進展させるための課題と解決策をまとめました。
■レポート1「ペロブスカイト太陽電池に高まる期待:軽量化が進展、窓・壁面一体型も」
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240904_perovskite.php
■レポート2「屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ」
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240904_rooftop.php
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■レポート1「ペロブスカイト太陽電池に高まる期待:軽量化が進展、窓・壁面一体型も」
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日本では太陽光発電を導入する適地が減りつつある、との議論もありますが、建物の屋根や壁面には大きなポテンシャルが残されています。最近はフィルム状のペロブスカイト太陽電池の開発が進み、さまざまな場所へ太陽光発電を設置することが可能になってきました。フィルム状に製造したペロブスカイトは軽くて薄く、折り曲げることもできるため、従来のシリコン系の太陽光パネルでは導入が難しかった耐荷重の低い屋根や建物の壁面にも設置できます。
フィルム状のペロブスカイトだけではなく、シリコンパネルでありながら軽量かつフレキシブルなモデル、窓や壁面など建材と一体になっているモデルの製品化も相次いでいます。ペロブスカイト太陽電池を窓と一体化させるモデルも開発が進んでいます。
本レポートでは、ペロブスカイトを含む新しい技術による太陽光パネルの軽量化と用途の拡大に焦点を当てて、技術開発の動向、性能やコストの比較、新たな用途や先進事例をまとめました。太陽光発電の新技術はコストと耐久性の点で共通の課題を抱えています。新技術のさらなる普及に向けて課題を整理し、解決策とロードマップを提示しました。
<目次>
はじめに
第1章 ペロブスカイト太陽電池の技術的特徴
1. ペロブスカイトが期待されている背景
2. 屋根・壁面への導入ポテンシャル
第2章 ペロブスカイトとシリコンパネルの比較
1. 性能の比較
2. 将来的な発電コストの比較
第3章 軽量化・多用途化する太陽光発電
1. 軽量で折り曲げ可能なシリコンパネル
2. 壁や窓と一体になった太陽電池
3. ガラス基板型のペロブスカイト
第4章 新たな技術の導入
1. 国内の導入事例
2. 導入が期待される場所
第5章 新技術に共通する課題と対策
1. 共通する課題
2. 建築物への設置義務化と経済的支援
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■レポート2「屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ」
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日本では太陽光発電の導入が進み、新たに導入する場所が不足している、という指摘があります。しかし実際には、現在までの導入量をはるかに上回るポテンシャルが存在します。特にポテンシャルが大きいのは、建物の屋根です。自然エネルギー財団の予測では、2035年までに現状の5倍の導入が可能です。
屋根置き太陽光発電の導入によって、さまざまなメリットを享受できます。資源価格が不安定な化石燃料と比較して発電コストが安定しており、将来は一層のコスト低減が見込まれています。建物の屋根を利用するため、新たに用地を開発する必要もありません。災害時には非常用電源として活用できて、レジリエンスの向上につながります。
ただし数多くの課題が残っていて、ポテンシャルを十分に活かせていません。本レポートでは、屋根置き太陽光発電の導入量の予測や国の目標をもとに、現在までの状況と比較しながら、解決すべき課題を洗い出しました。すでに先行して屋根置き太陽光発電の普及に取り組んでいる自治体や事業者の実施例を参考に、国や自治体、建設事業者や金融機関などがとるべき6つの施策を具体的に提案します。
<目次>
第1章 屋根置き太陽光発電の導入量とポテンシャル
1.2035年までに159GW導入可能
2.山積する課題、導入メリットの訴求が不十分
第2章 屋根置き太陽光発電の導入を加速する6つの施策
1.新築住宅への導入を0円モデルで支援
2.国が新築住宅の設置義務化を主導
3.太陽光発電に対する不動産評価制度
4.建物の種類や状態に応じた経済的支援
5.自然エネルギーの専門家を組織・育成
6.「3R」で大量廃棄を乗り切る
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関連シンポジウム(参加受付中)
太陽光発電の導入拡大へ、実行策と解決すべき課題
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日本の脱炭素に不可欠な太陽光発電の導入拡大をテーマに、各分野の専門家が具体的な実行策や課題などについて、講演とパネルディスカッションで提示します(各講演タイトル:新築住宅の設置義務化/ソーラーシェアリング/コーポレートPPA/ペロブスカイト太陽電池/脱炭素先行地域:鳥取県境港市)。地域社会と共生を図りながら、太陽光発電を地域や産業の競争力強化に生かす道筋を探ります。ぜひご参加ください(無料・要事前申込)。
[日時]2024年9月27日(金)13:30 -16:00
[主催]公益財団法人 自然エネルギー財団
[開催形式] 会場来場(イイノカンファレンスセンター)および、オンライン(Zoomウェビナー)
→プログラム・参加登録はこちら https://www.renewable-ei.org/activities/events/20240927.php
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関連提言
太陽光発電の導入加速に向けた提言(2024年7月25日公表)
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太陽光発電の普及に取り組む有識者の意見を参考に、国、自治体、産業界という実施主体に分けて、導入加速に向けた対策をまとめました。実施すべき対策の緊急度と重要度をもとに、短期(2025年)、中期(2030年)、長期(2040年、国のみ)に分けて整理したものです。
→全編をみる https://www.renewable-ei.org/activities/reports/20240725.php