【公表】グリーンスチールの市場形成にむけて:マスバランス方式活用の課題と条件

自然エネルギー財団のプレスリリース

公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、「グリーンスチールの市場形成にむけて:マスバランス方式活用の課題と条件」を公表しました。
 
グリーンスチールの市場形成にむけて:マスバランス方式活用の課題と条件
 
鉄鋼産業の脱炭素化には、技術革新や、新たな生産インフラの整備、基盤となる脱炭素の電力・水素供給と同時に、生産される低炭素製品の需要を確保、拡大していくことが重要です。
 
しかし、まだ実際には低炭素鋼が生産できていない現在、社内の削減対策の成果を集めた証書を付すことで低炭素製品とみなす、「マスバランス方式を活用した商品」が過渡期の対策としてクローズアップされています。
 
鉄鋼会社や政府はこの「マスバランス商品」を鉄鋼製品のグリーン市場を形成・リードするものと位置づけていますが、実際には、多くの課題があるのも事実です。
 
本レポートでは、この「マスバランス商品」の課題に焦点をあて、弊害を低減するための条件について検討しました。世界的に見れば、鉄鋼業におけるネットゼロ化への技術は着実に進展しています。リアルな低炭素鋼への移行を促進するためにも、「マスバランス商品」が一刻も早くその役割を終えることができるよう、議論を進める資料としていただくことを期待します。
 

目次

はじめ
概要
1. グリーンスチールを謳う商品の登場
 「グリーンスチール」を謳う商品とその背景
 「グリーンスチール」を謳う商品の特徴と分類
2. 日本の「マスバランス商品」の特徴と課題
 日本の「マスバランス商品」の特徴
 チェーンオブカストディ(CoC)
 日本の「マスバランス商品」の利点と課題
 削減プロジェクトの適正さ:どのプロジェクトを選択し、どのように削減量を算定するか
3. 制度・イニシアティブでの取り扱い
 日本でのガイダンス、ルール作りへの動き
 国際的なイニシアティブ等での取扱い
4. 「マスバランス商品」が必要とする前提条件
 条件1 会社全体と生産拠点(製鉄所)ごとの具体的な脱炭素計画の提示
 条件2 削減プロジェクトの厳格化、明確化、透明化
 条件3 EPDとの整合性の確保
 条件4 リサイクル効果の帰属
 条件5 リアルな製品との混同を避ける表示
5. リアルな、より低炭素な製品評価への移行を急げ
附録:製鉄プロセスにおけるチェーンオブカストディ(CoC)
 

自然エネルギー財団とは

自然エネルギー財団は、東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故を受けて、孫正義(ソフトバンクグループ代表)を設立者・会長として2011年8月に設立されました。安心・安全で豊かな社会の実現には自然エネルギーの普及が不可欠であるという信念から、自然エネルギーを基盤とした社会を構築することを目的として活動しています。
https://www.renewable-ei.org/

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