事故自動通報装置のより有効な活用を目指し、使用過程車への導入、映像データ活用を前提に策定。
一般社団法人ドライブレコーダー協議会のプレスリリース
一般社団法人ドライブレコーダー協議会(東京都小金井市 会長:永井正夫)は、「事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン」を制定し、公開しました。本ガイドラインに沿って制作されたドライブレコーダーが広く車両に搭載されることにより、交通事故発生時、ドライブレコーダーを通じて、消防機関への適切な通報や病院への情報連携が行われ、ドクターヘリ、ドクターカーの迅速な出動につながることが期待されます。
一般社団法人ドライブレコーダー協議会(東京都小金井市 会長:永井正夫)は、「事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン」(以下、本ガイドライン)を制定し、公開しました。
現在、国内で製造される車両は、モバイル通信機能を有する装置を搭載したコネクティッドカーが増加し、その機能を活用した事故自動通報装置(ACN)の普及が進んでいます。同装置は、交通事故発生時に、コールセンターを通じて消防機関等へ自動かつ迅速に通報を行うことができます。さらに最近は、先進事故自動通報装置(AACN)を用いたD-Call Net(※1)の搭載が始まり、事故自動通報データを病院に連携することで、ドクターヘリ、ドクターカー等の迅速な出動等や、より高度な救急医療の実現が期待されています。ただし現状では、D-Call Netが搭載されている車両は約600万台と推測され(2023年末現在、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)調べ)、これは国内の乗用車6,232万台(2023年末現在、一般財団法人自動車検査登録情報協会調べ)の約1割にすぎません。
ドライブレコーダー協議会では、このD-Call Netのより迅速な普及を目的として、使用過程車や乗用車以外の車両にも導入可能な、ドライブレコーダーを活用した「後付け」D-Call Netの検討に協力を行ってきました。本ガイドラインはその成果の一つであり、「後付け」でのD-Call Net実現に必要なドライブレコーダーの技術仕様をまとめたものです。現在、乗用車で使われているドライブレコーダーの多くはモバイル通信機能を搭載していませんが、本ガイドラインに沿った通信型ドライブレコーダーとすることで、HEM-Netが検討中の「後付け」D-Call Netでの活用が可能となり、ドライブレコーダー活用領域の大幅な拡大、特に命に関わる交通事故時の救命において効果を発揮することが期待されます。
また、ドライブレコーダーが記録した事故時の映像データは、主に事故後の調査等に利用されてきましたが、事故発生時に消防機関や病院等へ提供できるようになれば、救急救命の現場でより有意義に活用することが考えられます。このため本ガイドラインでは、映像活用も前提にした技術仕様としました。
なお、本ガイドラインは、「車載器型」事故自動通報装置における緊急通報の在り方を定めた「三省庁ガイドライン」(※2)の要件をできる限り満たすように作成するとともに、事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのうち、D-Call Net通報機能を有するドライブレコーダーのガイドラインとしても対応することを目指しました。また、本ガイドラインは、従来からドライブレコーダー協議会で制定、公開してきた「ドライブレコーダー推奨ガイドライン」の一部となります。詳細解説等一部の内容は、原則、ドライブレコーダー協議会会員のみ閲覧可能です。
以上
事故自動通報用通信型ドライブレコーダーのガイドライン
(ドライブレコーダー推奨ガイドライン 6.3)
(※1) D-Call Netは、消防機関やドクターヘリ、ドクターカー基地病院への適正な通報を実現することを目的として、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)が使途を限定するために登録した商標であり、使用にはHEM-Netへの申請が必要です。
(※2) 三省庁ガイドライン
「接続機関における自動車からの緊急通報の取扱いに関するガイドライン」(平成30年5月、警察庁・消防庁・国土交通省)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/chiikika/20180511_car110guideline.pdf
一般社団法人ドライブレコーダー協議会
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