世界初、リチウムイオン二次電池を長期利用するための健全性診断技術を開発

豊田中研のプレスリリース

 株式会社 豊田中央研究所は、リチウムイオン二次電池(以下、LiB)の内部で析出するリチウム(以下、Li)金属を、高周波電流の応答から検出できる技術を開発しました。
 本技術は、統計的データ処理や機械学習を用いて間接的に検出する技術とは異なり、リアルタイムかつ非破壊でLi金属の析出を直接的に検出できるため、リユースなどLiBを長期間利用する際に求められる、電池の状態の健全性をセンシングする技術として期待されます。
 この研究成果は、Springer-Natureの論文誌「Nature Communications(オンライン)」に2023年11月10日に掲載されました(DOI:10.1038/s41467-023-43138)。
 
【 研究のポイント 】
◆ LiBに特定の高周波帯域の電流を流すことで、LiB内の電子の動きを、電池内部の構造体(端子など)やLiイオンの動きによる影響を受けにくく、強調して捉えられることを発見
負極表面にLi金属が存在する場合に、電子が流れやすくなる方向に生じる電池内部の抵抗変化を利用することで、Li金属析出の有無を診断
リアルタイムかつ非破壊でLi金属析出が検出できるため、LiBを長期間使用する際に求められる“健全性のセンシング技術”への応用が期待される
 
 
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