組込み型フラッシュメモリ開発のフローディア、稲畑産業などから10.5億円を調達

フローディアのプレスリリース

組込み型フラッシュメモリ開発のフローディア、稲畑産業などから10.5億円を調達

 
組込み型フラッシュメモリのIPコア開発する株式会社フローディア(本社:東京都小平市、代表取締役社長:奥山幸祐、以下「フローディア」)は、シリーズD投資ラウンドにおいて約10.5億円の資金調達を行いました。
 
今回の資金調達では、ファーストクロージングとして稲畑産業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:稲畑 勝太郎、以下 「稲畑産業」)と香港の投資会社であるCypress Capitalが、合計8.5億円の増資を引き受けました。2023年3月に実施した日本政策金融公庫からのベンチャーデット(新株予約権付融資)による2億円の調達を含め、今回のラウンドにおける総調達額は約10.5億円になりました。
 
フローディアは今回調達した資金を使って、主力事業である組込みフラッシュメモリIPコアの半導体メーカーなどへの販売に向けた営業活動の強化と、フラッシュメモリの素子を応用した超低消費電力のAIアクセラレーターチップの開発加速を図ります。今回のラウンドに参加した稲畑産業は、情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の部門で広く海外で事業を展開しており、そのネットワークを活用してフローディアの海外営業を支援する予定です。
 
フローディアは、不揮発性メモリ(電源を切ってもデータを維持するメモリ)の一種であるフラッシュメモリの製造に必要な工程や回路設計を、知的財産(IP)として半導体メーカーにライセンス提供する事業を展開しています。フローディアのフラッシュメモリIPコアは、主にマイコン、パワー半導体、センサー等に使われており、従来のフラッシュメモリIPコアに比べて消費電力が大幅に低いうえ、低コストでチップに集積できるといった特徴があります。フローディアが最初に開発したフラッシュメモリIPである「G1」は東芝デバイス&ストレージ株式会社のマイコンに採用されるなどの実績があり、また台湾の半導体ファウンドリであるTSMCにおいて、10,000回のプログラムおよび消去動作後に125℃で10年間データを保持できる品質基準に合格しました。さらに高い200℃においても同様の試験を行い、10年間データを保持できる世界最高水準の品質レベルであることも確認しています。
 
フローディアはフラッシュメモリIPコアに続く事業の柱とすべく、フラッシュメモリの素子を情報伝達の媒体にするComputing in Memory(CIM)チップを開発しています。現在のAI演算処理は、主にデータセンター等クラウド側にある大規模サーバー群にて行われていますが、データセキュリティ、リアルタイム性といった問題点に加え、データセンターにおける消費電力の増大が懸念されており、端末(エッジ)側でのAI演算処理が求められています。フローディアのフラッシュメモリは、それらの課題をアナログメモリ技術で克服し、エッジ環境における高度なAIの推論演算を圧倒的な低消費電力で実現します。
 
フローディアはこれまでに、INCJや大手ファンドリUMC傘下のUMC Capital(台湾)、最先端半導体の設計会社であるFaraday Technology(台湾)、日本の大手化学メーカーである帝人株式会社等から約39億円の資金調達を行ってきました。今回のラウンドでの調達額を加えると、これまでの累計資金調達額は約49.5億円になります。
 
本プレスリリースに関する問い合わせ先: https://floadia.com/jp/#contact
 
【 株式会社フローディアについて 】
日立製作所やルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)で、組込み型不揮発性メモリを20年以上にわたり開発していた経験豊富なエンジニア達が独立して2011年に設立しました。マイコン、パワー半導体、センサー等に使われる、組込み型の不揮発性(電源を切っても記憶内容を維持する)メモリ製造に必要な工程や回路設計を、知的財産(IP)として半導体メーカーにライセンス提供する事業を展開しています。当社の不揮発性メモリ技術は、競合他社のメモリ技術に比べて、データの書込み・消去時の消費電力が100万分の1と極めて低い上、耐熱性に優れ、チップへの集積に必要な追加コストを1/3程度にまで低減できるといった特徴があります。こうした特徴からすでに国内半導体メーカーの車載用マイコンに搭載されている他、台湾のファウンドリにも採用され、このファウンドリが製造するスマートフォン用部品の組込メモリとして利用されています。

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