ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO(スピーディオ) U500Xd1-5AX」新発売

ブラザー工業株式会社のプレスリリース

ブラザー工業株式会社 (社長:佐々木一郎)は、「ユニバーサルコンパクトマシニングセンタSPEEDIO(スピーディオ) U500Xd1」に同時5軸制御機能を搭載した「SPEEDIO U500Xd1-5AX」を8月7日に発売する。

■製品名
ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ(Uシリーズ)「SPEEDIO U500Xd1-5AX」
■発売日
2023年8月7日
■標準価格 *1
U500Xd1-5AX: 1,355万円(税抜)、1,491万円(税込)
*1: 本体価格。

U500Xd1-5AX

製品情報ページ: https://www.brother.co.jp/product/machine/u500xd1/index.aspx

ブラザーは、1985年から小型CNC工作機械「タッピングセンター」シリーズを販売しており、自動車、IT機器などの部品加工においてお客様から高い支持を得てきた。
 
2013年には、「SPEEDIO(スピーディオ) 」にブランド名を変更し、高生産性を追求したSシリーズの販売を開始。また、同年には、マシニング加工と旋削加工が可能な小型複合加工機のMシリーズ、2014年には、高速2面パレットチェンジャー搭載モデルのRシリーズと、主軸30番クラスでは最大級の加工エリアを持つWシリーズ*2 の販売を開始。その後も高剛性モデルのFシリーズ、EV市場や変種変量生産用途で力を発揮するUシリーズ、主軸の配置を横向きにすることで広い加工空間を実現したHシリーズを短期間で投入し、お客様のさまざまな加工ニーズに応えてきた。

このたび新たに発売する「U500Xd1-5AX」は、大型の傾斜ロータリーテーブルを搭載することで、多面加工を可能にした「U500Xd1」の機能追加モデル。「U500Xd1」は、テーブル移動による前後、左右、工具が垂直に移動する上下の3軸に加え、テーブルが回転と傾斜する2軸が加わる5軸加工を可能にしたモデルだが、「U500Xd1-5AX」では、それらの加工を同時に行うことができる同時5軸制御機能を搭載した。これにより、同時5軸加工が実現し、滑らかな曲線形状が要求される部品など、お客様の加工対象物の幅が広がる。

ブラザーは、引き続きお客様のさまざまな加工ニーズに対応するため、製品力とラインアップの強化を進めている。

*2: 発売時はS1000X1。2020年にWシリーズとしてモデルチェンジ。

■U500Xd1-5AXの特長

「同時5軸制御機能の追加」 立体的で複雑な形状ワーク (加工対象物) の加工を実現
 
同時5軸制御とは、テーブルが前後左右移動のX軸/Y軸、工具が垂直に移動するZ軸とテーブルが回転するA軸/C軸の5軸が同時に稼働し、切削できる機能で、これにより、同時に5軸での加工が可能となる。

同時5軸加工により、立体的で複雑な形状の部品加工ができるため、ポンプや発電機、自動車のターボチャージャーなどで使用されるインペラや、人工骨などの、滑らかな曲線形状が要求される部品の加工も可能となる。

人工骨(膝関節)の同時5軸加工

■ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ Uシリーズ (U500Xd1/U500Xd1-5AX) 共通の特長

「アルミ部品の大型化の対応」 大型傾斜ロータリーテーブル搭載

 U500Xd1は、大型の傾斜ロータリーテーブルを搭載した。

 EVに使用されるアルミ部品は大型のものが多く、広い加工エリアが求められている。しかし、一般的な主軸30番*3 のマシニングセンタでは、多面加工するための治具や回転テーブルなど追加が必要で、これらを追加した分、加工できるワークサイズは小さいものになる。
U500Xd1は、コンパクトな本体サイズのまま、治具エリアを最大限に広くなるよう設計した傾斜ロータリーテーブルを標準搭載しているため、従来の3軸加工モデルのテーブルの上に回転テーブルを付加し、5軸加工を可能にした従来モデルや、小型複合加工機*4 より大きなワークを加工できるようになった。

*3: 主軸の太さのこと。SPEEDIOは30番クラス。数が増えることに主軸が太くなり、削るパワーがアップする。40番に比べ、30番はパワーが弱いが、加工速度は速く、アルミのような軽切削に向く。40番になると削るパワーが上がるが、軸が太くなり、本体の大きさも大きくなり、価格が上がる傾向。
 *4: 小型複合加工機M300X3は治具エリアが最大φ350、テーブルサイズφ170。

傾斜ロータリーテーブル

「加工ニーズの複雑化の対応」 28本ツールマガジン対応

 モーター、ギア、インバーターが一体化したEV向けの部品など、加工ニーズは複雑化しており、それにともないドリル穴でも直径が異なるなど、加工の種類も増え、使用される工具本数も多くなる。
U500Xd1は、工具搭載本数14本、21本に加え、市場からの工具増加の要望を受け、28本を搭載できる仕様も用意することで、複雑化、大型化した部品加工にも柔軟に対応することが可能。 

28本ツールマガジン

「生産の変動などによる変種変量生産の対応」 ワンクランプ加工で変種変量生産の効率化

 U500Xd1では、一度のセット (ワンクランプ) で、さまざまな面を割り出しての加工が容易になる。

従来の加工方法では、ワークを固定するため、加工する角度ごとに治具を制作する必要があり、生産の立ち上げ工程やコストの増加、生産現場では、治具の載せ替え、ワークの取り付け、ハンドリングの工数が増える。また、品質面でも、付替えでの取り付け誤差が生じる可能性がある。

一方、U500Xd1では一度のセットで、さまざまな角度での割り出し加工ができるので、治具の製作も必要最小限で済み、さらに、ハンドリングの工程も減ることで、生産工程の集約化と、加工精度の向上を実現。
U500Xd1は、短い期間での工程変更や、変種変量生産など、お客様の生産性向上に大きく貢献する。

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