パナソニックグループのプレスリリース
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(本社所在地:神奈川県横浜市、以下、パナソニック オートモーティブシステムズ)は、2023年7月23日(日)から25日(火)に、静岡県浜松市で開催されたマシンビジョンの国際学会MVA2023(18th International Conference on Machine Vision Applications)で2件の論文を発表しました。2023年7月23日(日)に「Hardware-Aware Zero-Shot Neural Architecture Search(ハードウェア最適なニューラルネットワークの自動設計)」を口頭発表し、同日に「Pre-Annotation and Camera-LiDAR Late Fusion for the Easy Annotation of Point Clouds(点群データへのアノテーションを容易にする、事前アノテーションおよびカメラとLiDARのフュージョン)」をポスター発表しました。
MVA(マシンビジョンとその応用に関する国際会議)は2年に一度開催され、画像にかかわるアルゴリズムやセンシング、アプリケーションなどに関する講演といった、AIを用いた自動運転やFA、遠隔医療などに活用されるマシンビジョンの応用に関して広範な議論が行われる学術会議です。
「Hardware-Aware Zero-Shot Neural Architecture Search」では、自動車に搭載されたコンピューター上などの計算資源が制約された中、低遅延かつ高精度で動作するニューラルネットワークアーキテクチャを短時間で自動設計できる手法を開発し、報告しました。この手法が実用化されることにより、認知や判断のAIの処理をハードウェアに合わせて高速化することが期待されます。こちらの口頭論文は、実用に近い技術発表のうち、最も優れた論文に贈られる”Best Practical Paper Award”を受賞しました。
また、「Pre-Annotation and Camera-LiDAR Late Fusion for the Easy Annotation of Point Clouds」では、ADAS(先進運転支援システム)の開発で必要となる、距離情報(点群データ)の正解データ作成を容易にする方式を開発し、報告しました。この手法が実用化されることにより、より多くのデータで検証したADAS機能を提供できることが期待できます。論文詳細はこちら。また、パナソニック ホールディングスの「Panasonic × AI」のサイトでも、この情報を公開しています(https://tech-ai.panasonic.com/jp/researcher_interview/020/)。
パナソニック オートモーティブシステムズでは、今後、コンピューターで処理するソフトウェアが自動車を進化させる大きな要素になると考えています。自動車に搭載された限られた車載コンピューターを有効に活用し、最大限の機能を発揮できるよう、これからも技術開発に邁進します。