威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)のプレスリリース
<最新刊目次>
- ポンプ・コンプレッサー・コルク及びバルブ製造業の2023年Q1概況と今後の展望
- 2023年Q1台湾専用機械設備製造業における 主要メーカーの動向と現状
- 成運汽車が台湾初の電動バス産業園区着工、年産2万台へ
- 工研院が易解体太陽光パネル開発、 廃棄後の再利用容易に
<今週の注目記事>
成運汽車が台湾初の電動バス産業園区着工、年産2万台へ
台湾政府は2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)実現を目標に掲げ、その一環として30年までの路線バス全面電動化を目指している。台湾の電動バス(電気バス、EVバス)需要は1万5000台に上る見通しで、▽電動バス大手の成運汽車製造(マスター・トランスポーテーション・バス・マニュファクチュアリング)、▽電動バスメーカーの華徳動能科技(RAC EV)、▽鴻海精密工業などが需要の取り込みを強化している。このうち、成運汽車は23年5月7日、中部科学園区(中科)二林園区(彰化県)で、台湾初の電動バス産業園区に着工した。第1期の投資額は18億~25億台湾元。2024年末に完成予定で、年産能力は2万台を見込む。第2期では生産額が5000億元に上る見通しだ。
26年に世界シェア10%目標、プラント輸出・海外での組み立てへ
交通部が20年から推進している電動バスのパイロットプロジェクト(実証事業)では2種類の台湾生産電動バスが完成している。成運汽車の予測によると、納車台数は23年に累計350台、24年に1000台に達する見通しだ。また、電動バス産業園区の完成後は▽プラント輸出、▽部品販売、▽海外での組み立てを計画しており、26年までに世界電動バス市場シェア10%を目指す。
第2期はモーター・電池生産ライン設置へ
電動バス産業園区の敷地面積は20ヘクタール。第1期では18億~25億元を投じて電動バス工場を建設する。24年末に完成予定だ。第2期では台湾メーカーと提携してモーターの生産ラインを設置するほか、電池サプライヤーの東芝と共同で年産能力1ギガワット時(GWh)のチタン酸リチウム(LTO)電池セル・電池モジュール・電池パック生産ラインの設置も計画している。第1~2期の総投資額は75億元に達する見通しだ。
成運汽車は、電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)が出資しているほか、▽東芝、▽東元電機(TECO)、▽大同(TATUNG)、▽台塑集団(台湾プラスチックグループ)、▽義隆電子(ELANマイクロエレクトロニクス)、▽飛宏科技、▽格斯科技(GUSテクノロジー)──など計47社とも提携している。
成運汽車は現在、東芝の電池とドイツZFのインホイールモーターを採用している。23年9月から出荷する電動バスにはTECOの台湾生産モーターを搭載する予定だ。年内の出荷台数は20~25台、来年は50台まで増加する見通しだ。電池については台プラグループ傘下の台塑新智能科技(フォルモサ・スマート・エナジー・テック)や格斯科技(GUSテクノロジー)と商談を進めているものの、現時点の台湾メーカーのLTO電池では電動バスの性能に対応できないため、引き続き東芝の電池を採用する。
日本・インド・米国に輸出へ
海外市場は▽日本、▽インド、▽シンガポール、▽米国、▽パラグアイなどがターゲットだ。成運汽車の総経理によると、日本の両備グループに350台のバス買い替え需要があり、早ければ24年第2四半期(4~6月)に長さ7メートルの電動バスを日本向けに出荷する予定だ。日本向け出荷台数は年間500台に上るとみている。
インドでは南部タミル・ナードゥ州の州都、チェンナイと西部マハラシュトラ州の州都、ムンバイがターゲットだ。チェンナイでは来年500台のバス買い替え需要があり、ムンバイは40年までに路線バス2万台を電動化する方針だ。成運汽車は両州政府と交渉を進めており、年間300台の輸出を計画している。
また、今年米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を通じ、自動車メーカー2社やイースト・ウエスト・バンクとも商談を予定している。
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