ヴァレオグループのプレスリリース
ヴァレオは、AI(人工頭脳)に関する専門知識を活用したパントマイムの実演を日本で初めて実施します。これは、自動運転車が警察官や工事現場の作業員などの交通整理の動作を理解し、指示に従うようにするソリューションです。これは道路工事などの複雑な環境で自動運転車が運行する際に特に重要です。パントマイムは、サイクリストなど道路を利用する交通弱者の動きを予測して、安全で効率的なナビゲーションを行うことができます。パントマイムは、都市環境で動作する自動運転車にとって不可欠なツールになります。
ADASの加速に貢献するイノベーションとして、ヴァレオは第3世代の長距離用LiDAR SCALA 3の検知デモンストレーションを行います。ヴァレオSCALA 3は、車両周辺の3D画像を生成し、毎秒1200万ピクセル以上という高解像度と、反射率の低い物体の場合でも200メートル、反射率の高い物体であれば300メートルという検出範囲を誇ります。照明のない黒いアスファルト道路にある物体を、150メートル離れた場所から識別することができます。ヴァレオSCALA 3搭載車は、高速道路で最大時速130kmで自動走行する場合も、緊急事態を自律的に管理できます。SCALA 3は2024年より量産を開始する予定です。
ヴァレオは、新しい車両アーキテクチャの中枢であるADASドメインコントローラーを開発しています。これは、コネクティビティ、データリレーなどと連携する真のハブであり、電子制御とインテリジェントな電源管理を集中化します。大量のデータをリアルタイムで処理・分析して、迅速かつ正確な意思決定を行い、刻々と変化する道路状況に対応し、車両が正確な軌道決定を行うことができます。ヴァレオのドメインコントローラーはあらゆる種類のSoCと互換性があります。
自動運転車が安全に走行するには、センサーが常にクリアな視野を保つことが不可欠です。ヴァレオはジャパンプレミアとして、カメラ・クリアリング・ソリューションであるセントリカムを披露します。これはレンズカバーを高速で回転させ、雨粒や雪、虫、泥、塩などを払い飛ばし、クリーンなカメラ視界を維持する特許取得済の独自ソリューションです。洗浄ノズルタイプに比べ洗浄液の消費量をカメラ一台あたり58%削減でき、ウォッシャータンクを小型・軽量化することができます。
電動化の加速に関連して、ヴァレオとルノーが共同開発している(EESM)をジャパンプレミアとして展示します。これはレアアース・マグネットを一切使用しない新世代の自動車用電動モーターです。ヴァレオは高密度の銅を使用する独自ノウハウにより少ない電気エネルギーでより多くの電力を生成するステーターを開発します。ルノーはレアアースを使用しないEESMローター技術によりエネルギー性能を高めます。このレアアースフリーの業界初の 200kW 電動モータは2027年から量産予定です。ヴァレオはすべての顧客に包括的なシステムを提供します。
ヴァレオは独自の48V電気駆動システムを搭載したフル電動モーターサイクルのデモカー・eMotorBikeを展示します。これは、ヴァレオの48Vシステムのパフォーマンスを体感いただくためのデモ用電動バイクです。eMotorBikeは48Vのプロトタイプ空冷式モーター、ベルト式トランスミッションと電子制御ユニットが包含されたシステムを搭載し最大出力9.5kWを生じ、ICE 125ccと同等の性能を有します。
22kW車載充電器と4kW DCDCコンバーターのコンボは、400Vや800Vバッテリー、単相や3相系統電源など、幅広い車両構成や国の電源要件に対応します。バッテリー充電機能に加えて、車両が接続されたグリッドや電気負荷にエネルギーを供給できる双方向機能を備え、スマートグリッドへのゲートウェイになります。
電動化には車室内とバッテリーのサーマルマネージメントのソリューションも大切です。ヴァレオは、従来のキャビンの暖房に加え、冬期の急速バッテリー予熱にも使用できる高電圧クーラントヒーターを展示します。この第2世代はヒーターエレメントを2個の小型の物に変更してより薄い箱型形状とし、パッケージング性を高めました。また、冷媒ダイレクト方式のバッテリークーリングプレートは、冷媒を直接プレートに流すためバッテリー専用のクーラント回路が不要となり、部品点数の少ないコンパクトで軽量な製品設計が可能です。
カーボンニュートラルは自動車業界全体で大きな課題となっています。2022年に竣工したヴァレオジャパン苅田工場(福岡県)では、リサイクル樹脂活用 HVACユニットを製造しています。本製品は樹脂部品の重量比で約80%にリサイクル材を採用しながら、従来材料と同等のエアコンユニット性能を確保しています。
今回初展示のアクティブ ライティング シャッターは、エアロダイナミクスを向上させる従来のアクティブ・グリルシャッターのルーバ―端部に LED ライトを装備したものです。LEDライトでさまざまな動きのある点灯を行い、車外へのコミュニケーションを可能とし、EV の充電状態を伝えたり、歩行者にメッセージを伝えるなどの用途を想定しています。このソリューションは、電動化の加速に貢献しつつ、ライティング・エブリウェアというメガトレンドにも対応しています。
インテリアエクスペリエンスの再創出に関して、ヴァレオはドライバーモニタリングシステムを展示します。赤外線カメラとAIアルゴリズムでドライバーの眠気や注意散漫の兆候をチェックします。これは命を救う技術であり、自動運転モードから手動運転モードへ安全に移行できるようにします。また、顔の表情を認識することで、ドライバーの気分に合わせた音楽や車室内のライティングを提案することもできます。
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2023 ヴァレオ展示ブース: 98番
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2023 ヴァレオ展示ブース: 98番
ヴァレオ・市光工業 記者会見を5月24日(水) プレスアワーにヴァレオブースにて開催