ジェイテクト社員、日本鉄鋼協会の「研究奨励賞」を受賞

株式会社 ジェイテクトのプレスリリース

株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:佐藤和弘、以下「ジェイテクト」)では、研究開発本部材料研究部の金谷康平が、日本の鉄鋼分野の学会である一般社団法人日本鉄鋼協会から「研究奨励賞」を授与されました。これは、軸受のミクロ組織の一部が軸受寿命(軸受の回転による損傷寿命)の向上に寄与するメカニズムを解明したことが評価されたものです。

【日本鉄鋼協会および研究奨励賞について】
日本鉄鋼協会は、日本の鉄鋼産業全体の研究・技術開発・人材育成を支える学会。会員数は国内外の大学や研究機関、鉄鋼メーカー、関連企業など約8000に上ります。「研究奨励賞」は、鉄鋼およびその関連領域において優れた研究実績を挙げている若手研究者や技術者を称える賞です。今回の表彰ではジェイテクト社員を含め、鉄鋼メーカーや大学、研究機関から計6名に同賞が授与されました。

【受賞者】

氏名:金谷康平(かねたにこうへい)
入社年:2012年
出身地:石川県河北郡内灘町
所属部署:研究開発本部材料研究部

【受賞理由】
かねてより、ジェイテクトは、軸受寿命の向上によって軸受の小型化を目指しており、鉄鋼材料を構成するミクロ組織の制御技術を研究してまいりました。その成果として、長年未解明であった、ミクロ組織の一種である「残留オーステナイト」が軸受寿命を向上させるメカニズムを解明することができました。
残留オーステナイトは、軸受の回転によって「加工誘起マルテンサイト」という新たな組織に変化することが予想されておりましたが、この加工誘起マルテンサイトが軸受寿命を向上させるメカニズムはわかっておりませんでした。本研究では、軸受の回転によって生じる加工誘起マルテンサイトが微細であり、かつ炭素を多く含むという鉄鋼材料の強化に寄与する特徴を世界で初めて明らかにし、軸受寿命の向上に大きく関わっていることを突き止めました。
今回の成果をふまえ、残留オーステナイトを含むミクロ組織の状態を最適化する独自の熱処理技術を構築し、軸受寿命の向上を実現しています。さらに、軸受用鋼材の寿命や強度をこれまで以上に向上させるための研究に活用されています。今後、より優れた鋼材を開発し、軸受のさらなる小型・軽量化による機械装置の高効率化に寄与することで、地球環境保護への貢献が期待されます。

【受賞者コメント】
大変名誉ある賞をいただき、誠に光栄に思います。本研究に関してご指導、ご助言いただいた社内外の皆様に感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も一層精進し、社会に役立つ技術の研究開発に邁進してまいります。

【今後に向けて】
これからもジェイテクトでは、鉄鋼材料・熱処理技術のみならず、材料研究の知見を深め、その成果をより良い商品づくりに結び付けてまいります。軸受分野に留まらず、多様な産業領域でNo.1&Only Oneの技術と製品を生み出し続け、地球のため、世の中のため、お客様に貢献していきます。

 

 

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