BOLDLY株式会社のプレスリリース
<東川町内の「幼児センター」前を走行する自動運転バス>
東川町は、ひがしかわ株主制度※2や地域通貨「HUC」※3などの先進的取り組みや、写真などを通した文化・自然に関する情報発信などまちづくりが奏功し、人口増加を実現しています。公共交通においては、長距離移動には路線バスが役立てられている他、地域内での短距離移動には、町や地域住民が主体となって実施している乗り合いタクシーやボランティアによる送迎サービスなどが利用されています。このたび、地域内の移動を支える仕組みとして自動運転バスを活用することで公共交通の利便性向上や地域活性化を目指し、自動運転バスの試運行を行います。
雪道での走行検証では、BOLDLYが協力して2022年12月から自動運転バスの定常運行を行っている北海道上士幌町※4で得たノウハウを基に、降雪量や気温などの気象条件が異なる東川町において、除雪や、除雪によってできる雪山を想定したルート設定など、雪道での走行に必要なオペレーションを検証し、降雪地域でも安定した運行を実現するための体制構築を目指します。試運行では、BOLDLYが自動運転バスの運⾏業務を担い、株式会社セネックが、BOLDLYの運⾏管理プラットフォー ム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を使って茨城県の境町にある本社オフィス(遠隔監視センター)で遠隔監視を⾏います。
2023年2月に実施した運行ルート上での試験走行では、積雪後の道路環境を整備した結果、信号がある交差点を除いた区間において、車内のオペレーターがコントローラ ーを一切操作しない「無介入」※5での自動走行を達成しました。3月に入り気温が上昇したことで、融雪により大きな水たまりができたり路面が滑りやすくなったり、路肩に除雪した雪が車道に崩れ落ちたりするなどの環境の変化がありました。試運行では、そのような環境下でも安定して走行するために、環境変化に応じて道路環境を整備します。
東川町とBOLDLYは、将来的な東川町での自動運転バスの定常運行を目指し、試運行の結果を踏まえて、今後、地域の交通事業者と協議を開始します。また、自動運転バスの利用促進や自動運転バスの運行による地域経済の活性化に向けて、地域通貨「HUC」を活用したさまざまな施策の検討を行うために、「HUC」の運営元である商工会と協議を開始します。東川町とBOLDLYは、地域の交通事業者や商工会などと連携しながら、高齢化が進む東川町において、自動運転バスを活用した利便性の高い公共交通サービスの提供を通して、安心して住み続けられる持続可能なまちづくりを推進していきます。
※1 この取り組みは、北海道経済産業局の「令和4年度北海道における先進モビリティサービスと地域通貨の連携による利用及び消費促進モデルの事業性調査・分析事業」に採択されています。
※2 「ひがしかわ株主制度」:東川町を応援しようとする方が、東川町への投資(ふるさと納税)によって株主となり、まちづくりに参加する制度。
※3 「ひがしかわユニバーサルカード(HUC)」:東川町の地域通貨で、100店舗以上が加盟し、住民の約8割が所有している。
※4 詳細は2022年11月30日付のBOLDLYのプレスリリース「北海道上士幌町が自動運転バスの定常運行を開始 」(https://www.softbank.jp/drive/set/data/press/2022/shared/20221130_01.pdf)をご覧ください。
※5 2023年2月21~22日の実績(路上駐車なし)。バス停での発車時に行う、車内のタッチパネルの「発車」ボタンの押下のみでルートを1周できた場合を「無介入」と定義しています。
■雪道で安全に走行するための取り組み
1.除雪について
除雪作業により路肩に寄せた雪が走行ルート上にはみ出していると、自動運転バスが障害物として検知してブレーキがかかります。東川町の都市建設課とBOLDLYは、連携して除雪作業を実施するとともに、除雪した雪を十分に路肩に寄せてルートの整備を行います。また安全性を担保できる範囲内で、走行ルート自体をやや中央線寄りに設定する工夫も行います。バス停付近では、自動運転バスが路肩に寄って停車するため、さらに除雪が必要です。下の図の通り、バスの停車位置から横30cm以上、前方1m以上、後方2m以上の除雪を実施し、安全にバス停で停車できる環境を整えます。
・バス停付近の除雪方法
2.路面凍結への対応について
あらかじめルート上でスリップしやすい場所を特定し、運行前に滑り止め防止剤を撒くことでスリップを防止します。
・運行ルート
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